彫金台にセットした松脂

こんにちはIMULTA彫金師の上谷です。

最近はハウツーとかばっかりであんまり彫金のお仕事に関して書けていませんが仕事はちゃんとしています。

基本的に彫金模様を彫り上げたアクセサリーとジュエリーを商品として販売していますけど、

なぜか最近は企業さん関係のお仕事が多いですね。

とにかく忙しくさせていただいてありがたいことです。

 

以前も紹介しましたがゴルフクラブに彫金を施すことで最近お問い合わせをいただいております、

シルバーアクセだけではなく銅、真鍮、洋白(ニッケルシルバー)、シルバー、アルミ、ステンレスなど貴金属だけでなくあらゆる金属にに彫金を施すことができますので興味のある方はご連絡ください。

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ただ、保護用のクロムメッキがかかってたり耐久性を追求した合金の場合は彫れない事もあるのでご了承下さい。

ゴルフクラブ彫金
ゴルフクラブ彫金

お問い合わせいただいた方にのみ納期や料金に関してご案内いたします。

彫金は伝統工芸・伝統技術の1つですが、変に構えないで気軽にご相談下さい^ ^

それでは今回のブログ彫金ハウツーです。

彫金タガネ等の道具作りについて

彫金タガネ研ぎ

過去のブログにも書いているんですが私は研磨機で大まかに削ってから天然砥石で彫金タガネを全部シコシコ研いでいます。

何で研げるかというと単純に時間かけてるからですね、秘訣とかないですよ。マジデ

ただただ時間をかけてます。

研磨機
研磨機

 

研磨機はこれ↑

ぐるぐる回る研磨ディスクにダイヤモンド砥粒がついているんで超硬タガネ(タングステン鋼)、ハイス鋼も研げます。製品としては油などを指す必要はない研磨機なのですが私は頻繁に使うので少し油を使っています。

 

天然砥石は過去のブログでも紹介している浅草橋の「森平」さんで購入しました。

天然砥石「アサギ」
天然砥石「アサギ」

使い続けて4年ぐらいたちますけど砥石がデカいのと毛彫り、片切り、丸彫りなどの彫金タガネが小さいのもあって未だにこれで研ぎができています。

「日本に行きたい人応援団」で砥石が大好きなイギリスの方が出てる時に放送されていましたが天然砥石は研いでいるときに出る泥が研磨剤になるので泥をまとわせながら研ぐとうまいこと研げます。

ただ超硬タガネの場合は1本あたり2時間ぐらい研ぐのにかかるので結構しんどい、しっかり面を押さえないといけないので指先痛くなります、なんやかんや昔からずっとやってるんで人差し指の一部分だけ皮がカチカチになりました。超硬タガネおそるべし。

ちなみに私は人工砥石については使っていないのでわかりません、そのうち色々試してみたいと思います。




 

 

道具作り

色んな本でも紹介されていますが、曲線用のタガネを各種作ったり彫金を続けていると道具作りにかける時間が増えていきます。

私は独学なので特に縛りを感じずに思い付いたままに道具を作っていますし、本来彫金用ではない道具もどんどん使っています。

 

・爪楊枝ブラシ

以前のブログに登場しましたが爪楊枝を加工して薬品の塗布だったりロウ付け・洗浄に使用しています。

これが私が自分でやっててコスパいいし捨てやすくて使い勝手いい作る系工具ですね。

作り方・使い方

爪楊枝の先端を水で濡らして硬いものに先端をこすりつけると繊維がほぐれてブラシ状になります。

濡らした後に金槌の柄などで軽くもんでおくと早く繊維がほぐれて時間短縮できるのでオススメです。

100均で大量に買えるうえ加工の手間も大したことないので使ったらポンポン捨てています。

しっかりほぐした爪楊枝ブラシに洗浄液を染み込ませると、超音波洗浄機でなかなか落ちないような部分の研磨剤の塊も擦り洗いができるし爪楊枝なのでジュエリーを傷つける心配がなくてとっても便利。

そしてロウ付けの時は基本的にフラックスの塗布に使います。

ピンセットでフラックスの塗布をやると、思っている以上にフラックスを塗布してしまったりフラックスの濃度が低い時は適量濡れていないといった事がありますが爪楊枝ブラシだと普通に適量塗れます。

※フラックスの濃度は1回水を足して煮詰めてロウ付け前に管理・調整しておいた方がいいです。濃度を高めにしたフラックスを少なめに塗って市販の小さいガスバーナーのブンゼンとブローを使い分けるとロウ付けは楽です。

後は細かいロウをピンセットで摘まむより軽く濡らした爪楊枝ブラシの先端でくっつけた方が早いので試してみて下さい、使ってみると驚くほど便利なので試してみるのをオススメします。




割りばしピンセ

正確に言うと形状はピンセットではないんですが割りばしを削ってロウを置く時のピンセット代わりにします。

金属のピンセットでロウを触れると濡れてもいないのにピンセットからロウが離れないことがあります、これは静電気のせいらしいです。詳しい原理は知りません。

以前なんかの特集のテレビ番組で木彫りの仏様に金箔を細く切って模様に合わせて貼っていく(截金(キリカネ)という伝統工芸です。)女性の方が出ていた時に、金箔を切るのに竹の小刀使ってまして「金属の小刀だと静電気でくっついてしまってうまく切れないので竹を使うんです。」って仰っていたのを見て「へ~なるほどこれは勉強になった。」ってんで割りばしでロウを摘まんでみたらそういった現象がなかったのでそれ以来使っています。

工具屋さんで竹製のピンセットも売っているのでめんどくさい人は買った方がいいと思います。

でも作るのは3分もかからないので私は自分で作るのをお勧めします。

作り方・使い方

割りばしの先端は大きすぎてピンセットのように細かいものを摘まむのに適していないので細かい作業ができるように細く加工します。カッターなどで雑に削っただけだととホコリなどが付着しやすくなります。ロウがゴミに引っかかって離れにくくては意味がないので最後は紙やすりで磨きます。

使う場面は上記のロウ付けの時と燻し液に漬ける時、基本的に金属製のピンセットの代わりに用途を特化して使って汚れたらポンポン捨てます。

市販の竹製のピンセットはポンポン捨てるのがアレなので私は割りばしを加工してます。

余談

工房では大量の割りばしと爪楊枝が捨てられているので工房を見に来た業者の方がゴミ箱を見て一瞬固まってました。

「めっちゃコンビニ飯食べてる!!」と思われた気がする。

好きですけどねファミマの大盛りペペロンチーノ、でもあれフォークだし。

ちょっと加工に手間がかかる系工具

私は近くに木工・金工に特化しているであろうホームセンター(ユニディ)があるので木材使ったり売ってる金属(ステンレス・真鍮・銅板)の板を使って工具を作ったりもします。ホームセンターの加工室最高、ホームセンターの人って接客超いいですよね、ユニディ狛江店だけかしら?

基本的に冶具みたいになるんですが作業の補助固定具と松脂を成形するときの補助具ですね。

これは一個一個大物に必要になったり特殊な形のものに対応するとき一個一個専用に作って使いますのでどれがどうとかはないです。金属と木工を対象の素材に合わせて形を作ります。

オススメとしては金属は銅と真鍮、強度を無視していいならアルミ。

木材はナラ材かオーク材。

パイン材はめちゃ脆いのであまり使えません(用途によっては使う)。




 

小ネタ。

革を間に挟んで叩く

あくまで小ネタですが彫金で彫る時、鍛金で叩くときに革やタオルなどを叩く部分の間に挟んで衝撃を拡散させる事ができます、特に鍛金で有効ですね。

ポンチタガネや矢坊主で使います。

金属製の道具は一点に力が集中するので打ち出し作業で丸みを出したりする時にはちょっと向いてないです(蹴り彫り・模様成形は別)。

普通は木のタガネとか木の矢坊主を使ってやるんですが、爪楊枝ブラシとか割りばしピンセットを使い捨てにしている通り木の工具は耐久性が低めであんまり叩く力が強すぎると木の工具は割れることがあるのでどうしても木の工具じゃないといけない時しか使いません。

強く叩いてサクサク作業を進めたいときは金属製の矢坊主に革を挟んで叩きます。

あとは叩くハンマーをゴムハンマーに変えるなど力の伝え方を変化させると作業を効率化することができます。

強めに叩くと頻繁に取り換えないといけないので革よりも使い古しのタオルの方がコスパがいいのでオススメです。

作るというかお手入れ

鎚目のリングを作る時なんかは鎚目の中を磨くのはめんどくさいので叩いたときにそのまま研磨された状態にするために金槌の先端自体をピカピカに磨いておくと便利です。

それと同じように金槌の先端に色んな模様を入れておくと色んな模様が入ったアクセサリーが作れます。

 




まとめ

作業に合わせて道具を適当に作るようにすると彫金がより効率的で楽しくなります。

いっぱい作って何個か当たりが出ればいいほうなので慣れるまでは思い付いた物を雑に作るのもいいと思いますよ。

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IMULTA彫金師の上谷

IMULTAというブランドを展開している彫金師の上谷(ウエタニ)のブログです。彫金のハウツーとかお手入れの方法とか嫁さんのあるあるとか勝手気ままに書き連ねてます。気になる事があったら気楽に聞いてください。答えられる事は丁寧に答えます。わかんないことはわかんない。気が向いたら読んでみてください。