彫金台にセットした松脂

片づけられないなんて言ってられない彫金師の工房掃除戦争

こんにちはIMULTA代表彫金師の上谷です。

独学で彫金を15年たちまして現在はIMULTAという自分のブランドを立ち上げて彫金師をやっています。

今回は掃除と片付けに関してです。

片づけられないなんて言ってられないのが彫金師。

考え方は色々ありますが彫金をやっていると道具がめちゃめちゃ増えていくので

「片づけられない」なんてことを言っていたらあっという間に工房が「風の谷のナウシカ」の腐海みたいになってしまいます。

どのぐらい散らかるかっていうのを写真でお見せすると、完全に引かれると思うので想像にお任せします^^;。

 

まず前提としてモノが散らかることに対しての精神的な耐性がついてしまうので

「あれ??これ打ち合わせで人が来るとかってなったらマジでまずいんじゃない?」ってなったら大掃除が始まります。(結構頻度は高いです。)

もはや大掃除という名の戦が始まります。

今回はせっかくなので私が彫金師としてどのように掃除をしているかを書いていきます。

 

 

まず「基本は捨てる」という考え方がメインコンセプト

巷で言う「断捨離」のような感じで、工房内が散らかってきたら結構な量を捨てる前提で片づけ始めます。

 

そもそも彫金は

  • 消耗品が多い
  • ある程度セット買いをして場所をとる備品が多い
  • 常に必要な基本工具が多い
  • 宝石やパーツの保管に使う箱が多い

という事で非常に場所を取ります。

 

例えば工具だけでもこれぐらいあります。↓

彫金で使う基本から専門的なものまで道具・工具を紹介。

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リングを叩く様子。

 

このリンクで紹介している記事でもヤットコなどについては割愛しているので半分以下です。

 

今後消耗品に関しても細々まとめていくかもしれませんが

とりあえず

  • 購入していた時に工具がまとめられていた箱(先端工具が入ってるやつなんかが特にそうですね。)
  • 継ぎ足して使っていた薬品が粉末の状態で入っていた箱
  • ロウ付けに使うガスバーナーの替えボンベ
  • 3Mという会社が出している研磨に最高なラッピングフィルム
  • 作っては消耗したら捨てる自作工具

パット思い付く範囲でこれぐらいの消耗品がありますね。

当然使い切ったものは全部ゴミになるので

「片づけ苦手~。」とか言ってたら腐海一直線ですよナウシカさん。

 

ある程度セット買いして場所をとる工具はガスボンベと研磨剤が筆頭です、ラッピングフィルムとかも結構地味に場所を取りますね。

 

要するに仕事がガッツリ始まる前に消耗品を仕入れているので、掃除する時は使い終わったものをはじめ

不要なものを捨てる前提で掃除しないと物が減らないからどうやったって片付きません。

 

模様を彫り上げたあと魚子タガネを打ち込んでいく銅板
模様を彫り上げたあと魚子タガネを打ち込んでいく銅板

私はこういった模様を彫りこむことに特化した職人です。

極端なことを言うと普通そういった職人は

  • 彫金台
  • 松脂
  • 彫金タガネ
  • 金槌

これらがあれば、あとはあんまり道具を持たないです。

ただ私の場合、他のロウ付けだなんだの仕事も普通にするので

他の仕事もできるようにたくさん工具があります。

内容的には保管方法を書いた

保管上手は彫金上手?作業効率を維持するには下準備から

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バフ

この記事ともちょっとかぶる感じになるかもしれませんが、今回は「捨てる」がメインです。

 

机周りからキレイする

片づけた状態の彫金机
片づけた状態の彫金机

こんな感じで机周りはキレイにしていきます。

ちょこっと取って着けたように銀板のきれっぱしを映り込ませているのは、

机の上から机周りを整理していく時に作業に必要なものと紐づけてから片づけるなり捨てるなりするからです。

 

金属の仕分けと廃棄

まず地金(銀とか真鍮とかの金属)を切り出す作業をすると小さいきれっぱしがいっぱい出ます。

途中の造形でヤスリで削ったり、私の場合、造形や仕上げで金属の表面を彫るので彫り粉(彫った時に出る金属片を専門用語でこう呼びます)もあちこちに飛び散っています。

机の上に散乱している金属類の仕分けからですね^^;

基本的に真鍮の切れ端は捨てます、粉はのちの作業で使用する可能性があるので粉末状になったものはちょっと取っておきます。(とも付けや表面処理に使います。)

銀の切れ端は後で溶かして再利用するので取っておきますが、合金としてsilver925を謳える状態ではなくなるので金属原型を製作するための銀材料になります。

銀の粉も作業用にちょっとだけ別に取っておきます。

 

趣味の範囲でやる方で「もう一回溶かして再利用」を考える必要がない人は全部捨てて問題ないと思います。

 

糸鋸など消耗品系のごみを捨てる

大体は作業中に捨ててますが、机の上に折れた糸鋸の破片が残っていることもあるのでケガしないようにまとめて捨てていきます。

金属系の細かいゴミは飲み終わったコーヒーのボトル缶に入れて後日まとめて捨てています。

 

他にも使い終わったフラックスの容器やディクセルの容器、作業で使い切って置きっぱなしになっている物をガンガン捨てます。

不燃のごみ袋大活躍です。

 

自作している爪楊枝ブラシなんかもこの時に一回全部捨てます。

彫金に爪楊枝を使う。

彫金に割り箸を使う。

↑こんな感じで自分で簡単な工具を作っているので終わったらバシバシ捨てます。

物が無くなってきたら卓上を掃いてキレイにしていきます。100均の刷毛(ハケ)卓上箒として便利ですよ。

 

薬品を使って拭く

作業中に松脂たらしちゃって机にこびりついてる時もあるのでラッカー薄め液またはアセトン・酢酸アミールで拭きとってついでに

机の上は除光液を使って拭きます。

そして最初の写真のような状態になります。

※注意:ラッカー薄め液またはアセトン・酢酸アミールで拭きとるのは松脂だけ。材質によっては机の表面の塗料・コーティングがベロンと剥げます。写真の机でちょっとシミみたいに見えてるところ(金槌の左)はアミールをつけすぎて表面が剥げました。

 

掃除と彫金タガネの研ぎ

掃除の時は完全にお手入れタイムなので無心でタガネを研ぎます。

今回の記事は掃除で「捨てる」がメインの記事ですがタガネは基本的に捨てないので全部お手入れすることになります。

 

私の彫金タガネはステンレスを彫るので超硬タガネをメインで使っています。

超硬タガネの超硬はタングステン鋼の合金のことをいいます。

ただ仕事がめちゃんこ立て込んだ時はハイス鋼のタガネをメインで使っています。

忙しいときはハイス6:超硬4ぐらいの比率、理由はハイス鋼の方が圧倒的に研ぎやすく研ぎに時間がかからないからです。

超硬は仕上げるのにどうしても手がかかるので時間のある時にじっくり研いでいます。

基本的に超硬タガネは1本研ぐのに2に間ぐらいかかるので家でのんびり研ぐのですが、

仕事中忙しいときにじっくり研ぐことはできませんし、超硬タガネはその剛性(粘りがない)から欠けやすい特性があります。

私が超硬タガネを使って彫っていて使用を誤って欠けるという事はほとんどないのですが、連続でステンレス(ゴルフクラブ)などのめちゃくちゃ硬い金属を彫っていると金属疲労がたまるのか欠けます。

欠けた時に超硬はすぐに復旧できないので、本当に忙しい時は研ぎの時間のかからないタガネ自体何本もありますが、ハイス鋼の彫金タガネを使って欠けてもすぐさま研ぎなおして彫り始めるといった感じになります。

毛彫りタガネ
毛彫りタガネ

 

研磨機
研磨機

研磨機で大まかに仕上げて最後に天然砥石で仕上げます。

興味のある方はこの研磨機買ってみるといいと思いますよ、確か8000~9000円ぐらいだったと思います。

 

そういえばちょっとお願いがあります

最近しつこく研ぎができないと聞いてくる人がいますが、100回ぐらいあれこれ試してみれば絶対できるようになります。

以前はイベントに出店してる時にちょっと聞かれるぐらいなら全く問題なかったんですが、

最近出展しているブースに居座ってあれこれ聞いてくる人が出てきました。

商売の邪魔なんでやめてください。←近頃は勝手にタガネに触ろうとする人も出てきたんで追い払うようになりました。

 

研ぎは本当にただの単純作業なので自分で突き詰める気がない人は100%出来ません。

砥石の購入先とかも以前のブログに書いてます(浅草橋の森平)のでまずは買って試してみてください。

 

今回紹介した研磨機はここから買えます↓

 

ちょっと脱線する話もありましたが

というお話でした。

 

 

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