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みんな大好き日本の伝統模様5選

こんにちは彫金師の上谷です。

今回は彫金タガネで彫る日本の伝統模様について紹介します。

普段IMULTAではアカンサスなどのリーフ(葉っぱ)模様を中心に彫っていますが、他に和風の模様もオーダーで彫っているので、サンプルとして彫ったものを紹介していきます。

一緒に模様のうんちくに関しても解説していきます。

目次

みんな大好き日本に伝統模様5選

さて今回は日本の伝統模様を紹介します

日本の伝統的な文様は中国(仏教)の影響もあってか規則正しく連なっている連続模様が多いです。

一般的に着物の「和柄」というと規則正しい連続模様を連想しますよね。

フェザーの記事で紹介した矢絣(やがすり)などがわかりやすい例だと思います。

諸説あると思いますが個人的には平安時代ぐらいからの文様が和柄だと思っています。

ではそれぞれの文様について書いていきましょう。

今回紹介する文様はこちら

  • 動物系の文様
  • 雲 ちょっと中国チック
  • 流水系の文様
  • 植物系 宝相華など
  • 立涌(たてわく)

個人的に好きな文様、構成のものと見栄えのするものを選びました。

それぞれ紹介していきます。

動物系の文様

  • 鳳凰
  • 獅子

これらの神獣系の文様が非常に多いです。

仏教的な要素があるので日本の伝統模様かというと難しいかもしれませんが、今でもあちこちのお寺さんにある模様なので、日本的な文様として紹介します。

有名な狩野派も獅子はいっぱい書いてますしね。

ではそれぞれを紹介していきましょう。

中国では皇帝の象徴、日本では水神で吉祥(縁起のいい)文様「龍」

龍アイキャッチ

ある意味彫金のど定番の「龍」。

そもそもが中国の皇帝の象徴として用いられていたモチーフですが、日本では吉祥文様として広く使われています。

意外と緩かった中国の龍のルール

豫園の屋根の龍
豫園の屋根の龍

中国の龍の話になるとよく有名な「五爪の龍」の話が出てきます。

爪(指)が5本の龍は皇帝を表すものなので「五爪の龍」のモチーフは皇帝しか使えなかった。という話で、私もそれを信じていたのですが、時代によって龍の意匠に対しての認識は全然違うようです。

例えば上の画像の龍は上海にある豫園(よえん)地区の中の龍の形をした屋根です。(旅行行った時に撮りました。)

偉い人の邸宅的なもので、これが作られた頃はそもそも「皇帝以外は龍を使ってはいけない時期」だったらしいです。

じゃあ何で龍の形の屋根になっているかというと、単純に龍の形にしたかったからww

この龍の尾の部分は魚の尾びれの形をしていて「魚の尾びれがついているんだから龍ではない!!これは魚だっ!!」のごり押しでなんとかなったそうです。

当時上海に住んでいた友人が看板を読んで教えてくれたのですが「それでいいんだ…。」って感じでした。

中国っぽいですね。

龍の模様というのは実はメチャクチャ古くから使われていて中国の殷の時代から使われていたそうです。

以前東京の青山にある根津美術館で中国の祭器の展示をやっていて、その青銅の祭器に刻まれていた蟠螭文(ばんちもん)や虺龍文(きりゅうもん)がこれに当たります。

非常に細かい文様で説明されないと龍がモチーフになっているというのは全くわかりません。

虺龍文は龍の頭が小さく書かれているのでなんとなくわかりましたが、蟠螭文は説明を飛んで「そうなんですね~」ぐらいでわからなかったですね。

現在では着物などにも多く使われている龍のモチーフですが、私の仕事ではzippoの彫金で一番使用しています。

非常に映える「鳳凰」

鳳凰アイキャッチ
鳳凰アイキャッチ

龍ほどではないにしても彫金の依頼で頻度の高いのが鳳凰。

鳳凰であるというのをしっかりと表現するには細かなものをたくさん彫る必要があるので非常に映えます。

zippoなどに彫る時は漢字との併用を多くて彫るのがとても大変です。

鳳凰のzippo2
鳳凰のzippo2

こちらのzippoのように鳳凰は元々「鳳」と「凰」の対で描かれるもののためデザイン的な指定をされることも多く、奥行きなどを考えて彫ることを求められることも多いモチーフです。

※このデザインは先方の指定のもので私がデザインしたものではありません。掲載許可は取っています。

大昔から一貫して吉祥文様として用いられていて公家の偉い人の着物に飛ぶ鳳凰の意匠(飛鳳)が使われています。

実は空想上の動物「獅子」

文様に使われている「獅子」をライオンの事だと考えている方も多いようですが、古くから使われている獅子は空想上の動物です。

唐獅子と言った方がイメージしやすいと思います。

最初に紹介した蟠螭文(ばんちもん)や虺龍文(きりゅうもん)と同時代にトウテツ文という文様で刻まれたのが始まりだと言われています。※これも根津美術館の展示で見ました。

邪気を払うための文様として使われていたので獅子もまた吉祥文様の一つです。

牡丹と一緒に唐獅子が描かれることもありますね。(唐獅子牡丹)

おめでたいものの象徴「亀」

鶴は千年、亀は万年というようにおめでたいものの代表格の「亀」。

元々は神獣の玄武として用いられていたことから吉祥文様になっていますが、他には蓬莱山を背負っていたり(ポケモンのドダイトスみたいな)、

尾っぽから大量の海草を生やした蓑亀(みのがめ、長寿の象徴)など

とにかくおめでたい意匠のミックスになることが多い文様です

ハワイアンジュエリーで使われるホヌ(亀)は守り神的な感覚でお守りとして彫られるので和洋で微妙に意味合いが違ってきます。

龍と一緒に使われることの多い「雲」

メインになることが少ない「雲」のモチーフですが日本に伝来したのは古く、龍などと同じように吉祥文様として使われます。

大体龍のデザインとか依頼されると雲もセットで一緒に彫ったりするのでメインじゃないけど彫る頻度の高い文様です。

昔の中国では雲の模様に寄って吉凶の占いをしていたそうですが、現在では完全な吉祥文様です。

後半の紹介する「立涌(たてわく)」と組み合わせて使うなど着物の柄としての使用も見られます。

zippoなどの彫金の場合そこまで目を引くような彫り方をしませんが、「よく見てみるとめっちゃ使われてるね、背景として彫ってあって当然だよね」的な文様です。

※あくまで個人の感覚です。ただ私はちゃんと希望されない限りは彫りません。

典型的な和っぽい流水系の文様

地味にとっても和っぽい文様の流水系の文様。

波や青海波、観世水がそれにあたります。

名前ではピンとこないと思いますが模様で見ると「あ~、ハイハイ!!」と9割ぐらいの人が鳴るのが流水系の文様。

刀のつばに使われる光琳波(こうりんなみ)は尾形光琳が始めた波の文様ですが現代においてはみんなが思い浮かべる王道の波の模様になっています。

植物系 宝相華など

植物系の代表的な文様は唐草文様。

唐草は何処が期限かは本によって違うので何とも言えませんが、中東やギリシャが起源と言われています。

個人的にはペルシャから伝わってきたのでは?と考えていますが、そこらへんは諸説あります。

唐草やアラベスク・アカンサスは私の彫金の仕事の中で一番彫っているモチーフで狭い場所から大きな面積のものまで対応できる普遍的な文様です。

日本の文様としては風呂敷に使われているような唐草文様から、次に紹介する宝相華と組み合わせた唐草のように、一つのモチーフというよりも構成的様子になっています(個人的な意見)

次に宝相華(ほうそうげ)何行か前に書いた通りペルシャから伝わってきた植物模様、日本に入ってきた時は仏教アイテムの装飾文様として伝わったために宗教的な文様として感じる人が多いかもしれません。

類似した文様の繰り返しを基本とするためある意味フラクタル構造。

一応決まった形は無いのですが、円形の中に描かれた宝相華が非常に多いので「円形にするもんじゃないの?」と思っている方が多分ほとんど。

仏教徒ミックスされている関係で仏像の光背にもよく使われています。

透かし彫りにして唐花文と組み合わせると非常にゴージャスな仕上がりになります。

実際に書いてみるとなるとグリッドで分けて丁寧にデザインを書いていく必要があるのでとっても大変。

立涌(たてわく)

曲線を組み合わせてその間に模様を描き入れます。

格調高いデザインで、連続模様の中でも作りやすい文様です。

立涌と植物文様、雲など合わせることでボリュームのある表現をする事が可能です。

彫金タガネで彫る、日本の伝統模様の種類まとめ

  • 動物系の文様
  • 雲 ちょっと中国チック
  • 流水系の文様
  • 植物系 宝相華など
  • 立涌(たてわく)

今回の文様は吉祥文様を基本に紹介してみました。

ヨーロッパで使われている文様についても今後は紹介していきたいと考えています。

IMULTAでした。

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この記事を書いた人

上谷 俊介のアバター 上谷 俊介 彫金師

彫金萬代表、彫金ブランド「IMULTA」を運営しています。

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