こんにちはIMULTA(イムルタ)の上谷です。
独学で彫金を始めて15年以上たちまして現在はIMULTAという自分のブランドを立ち上げて彫金師をやっています。
今日の読む彫金教室は彫金に関しての道具の保管に関してです。
保管をや片付けなど環境づくりがちゃんとできていると作業効率自体が上がってきます。
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保管上手は彫金上手?作業効率を維持するには下準備から
まずは結論から
水気を取って、空気の流れを遮断してからしまっておきましょう。
工具は基本的に木製か金属製です。
分かりやすく言うと水に濡れてびしょびしょの状態でしまっておくとあっという間に劣化します。
(わかりやすく極端に言ってるだけです。)
使い終わったらシッカリと水気を取りましょう。
さらに「濡れてないからいいや~。」って感じで汚れた状態で置きっぱなしにしていると
酸化して錆びたりもしますので軽く拭くぐらいはした方がいいです^^
このブログでは常々切削油としてラスペネをオススメしていますが、ラスペネは元々錆び取り・防錆油なので
錆びてしまった場合はラスペネで拭くのも効果的です。(軽度の錆び、ラスペネは基本的に予防です。)
ラスペネは工具の手入れだけではなくてドアの潤滑油など日常生活でも使えます。
メンドクサイかもしれませんが工具の細かい隙間の汚れや目詰まりを軽く掃除しておくだけで
作業もやりやすいので細かい部分はブロアーも使ってキレイにしておきましょう。
とりあえずラスペネとブロワーを用意して水気と細かな汚れを掃除すればいい感じに保管できます。
彫金工具の基本的な片付け&お手入れ方法
工具はいつもキレイに片付けておきたいものですが毎日大掃除をするわけにはいかないので「使ったものは元の場所に戻す」という基本を大事に片づけます。
デカイ工具を片づける
ちなみにでかい工具に機械工具の本体は含まないものとします。
まずでかい工具は片付けると片付いた実感があるので優先して片付けます。
ハンマー系
木槌、金槌、ゴムハンマー。
これらは引き出しに突っ込むか作業的に関係するものと一緒にまとめておきます。
一時期机の横にフックを付けて引っ掛けていた時期もありましたが、作業中に私自身がフックに引っかかってケガをしたことがあるので基本的に良く使う木槌とゴムハンマーは机の引き出しに入っています。
模様を彫る彫金で使うおたふく槌は使用頻度が非常に高いので片付ける必要もなく基本的に机の上に置いてあります。
— IMULTA 7/20・21(土日)ハンドメイドジャパンフェス (@imulta_jewelry) 2019年6月19日
とりあえずハンマー系統を片付けると片付いた感じが出るのでまず最初に手をつけます。
金槌もほったらかしにすると錆が出たりするのでラスペネや重曹でお手入れしたりもします。
私はちょこちょこラスペネで軽く拭いていることもあって金槌を錆びさせたことはありません。
使用頻度が低い場合は先端だけでもチャック袋に入れて空気の流れを遮断してあげるといいと思います。
※ガッチリ錆が出てしまった時は重曹を使って錆び取りをしましょう。
こちらの記事は真鍮のアクセサリーのお手入れ方法として重曹の使い方を紹介していますが錆び取りにも応用できます。
ハンマーと一緒に使う系
サイズ棒とか金床とかハンマー作業に属するものはまとめて片付けます。
金床とかサイコロ玉台とかは散らかしておくと指をガッとやって痛い目を見るのでちゃんとか付けておきましょう。私は横着したせいで指の爪がはg…、、しばらく超痛かった。
↑サイコロ玉台と刃こちらの鉄の塊です。矢坊主という工具で叩くときに使います。あまり大きくないので適当にそこらへんに転がしておくと痛い目にあいます。角がピンピンに尖ってるのでアンラッキーな踏み方をすると薄いスリッパを貫通してきますので気を付けて。
どのぐらい痛いかというと大人がしばらく立ち上がれなくなるぐらい痛い。
苦手でなければ油断するとこんなケガをするというのをまとめているのでご覧ください。
ケガとは切っても切れない彫金作業での痛かったエピソードまとめ
↑これが矢坊主という工具で平らな板を叩いて湾曲させるための工具です。
先に紹介したサイコロ玉台とセットで使われることが多いです。
あとは当て金代わりにしたりもします。
画像の通りセットで買うので本数が多いうえに結構なスピードで錆びます。
買った時は変な布箱かプラスチックの箱に入ってたりするんですが(私は布箱に入ってるやつを買いました。)、あっという間に錆びます。
油で保護するか防錆紙にを内側に貼った箱(自作)にすぐ移しておきましょう。
この矢坊主は先端を鏡面に磨いて仕上げておくと叩いた金属側を凹ませるだけで傷が入らなくなるので、仕上げに使う矢坊主の先端を鏡面磨きにしておくととても便利です。
少し前に書いた通りゴリゴリに錆びた場合は重曹とコットンを使って錆を吸い上げて除去した後に、洗車用のカーコンパウンドで磨いて保護膜を作っておけばきれいな状態で保管できます。
さらに長期間使用せずに保管しておきたい人はチャック袋に入れるなり油紙で包んで保管するなりしましょう。
ただ近年では油紙の保管は一般的ではないので防錆紙を使うのがいいと思います。
楽天とかで普通に売ってますよ。
中くらい大きさの工具
続いてヤスリ。
ヤスリはマイクロやすりとか様々あります。
作業を一通り終えるとでかいのから細かいのでまで結構満遍なく使うので意外と散らかります。
マイクロヤスリなんて適当に放置しておくと本気で見つからなくなるので一々片付けたほうがいいです。
ヤスリも安くはないですからね。
私が使っているのは100均のDAISOでかったペン立て。
絶妙なサイズ感で片付けられます。
金属工具は基本的にキレイに拭いて使えば片付けておけば大丈夫です。
私は油で拭いたり山羊の毛のブラシで詰まった汚れを掻き出したりもしています。
ヤットコ・成形プライヤー
他にも中くらいのものというとヤットコや成形プライヤーなどがありますが基本的に錆びたりしないので(ヤットコ錆びるってどんだけほっといたん?って感じです。)
ただこれは私だけかもしれませんが、使用頻度が結構高いので作業途中どこ行ったか分からなくなる時があるんですよね~^^;
そういったトラブルもあるので定位置になる箱のつめといた方がいいですね。
成形プライヤーは高くて傷が入ると使い物にならなくなるので付属の袋に必ず入れましょう。
細かい工具
これは小さいものを全般的に指します。
代表的なものはリューターの先端工具全般。
先端工具は整理整頓しておかないと大体どっかいきます。
そんな時に効果的なのがこちら。
ふう、片付いたぜ。 pic.twitter.com/do6Czjwmlq
— IMULTA 7/20・21(土日)ハンドメイドジャパンフェス (@imulta_jewelry) 2019年6月19日
発泡スチロールを利用した先端工具スタンドです。これはスーパーオススメです。
市販のものもあるのでキレイなのが欲しい方は市販品を使いましょう。
リューターの先端工具は使うものがどんどん増えていくので発泡スチロールのほうが気軽に増やせます^^
先端工具はアレコレ使っているとお手入れを適当にしたヤツはリューターに差し込む金属部分(マンドレールの部分)が錆び付いて取り付けにくくなります。
そんな時は重曹で丁寧に錆を取ってもいいんですがめんどくさい人はミゼットバフでマンドレール部分の錆を剥がすとすぐに使えます。
錆を取る経緯はこのツイートみたいな感じです。
錆びてたビットあった。 pic.twitter.com/y5hco2gKYD
— IMULTA 7/20・21(土日)ハンドメイドジャパンフェス (@imulta_jewelry) 2019年6月19日
リューターに入ればいいので跡があっても大丈夫ですが、跡が気になる人はミゼットバフでサーっとやれば綺麗になります。
ただここは綺麗にしてもあんま意味ないです。
2枚目の写真がミゼットバフ。(別名タンポポ) pic.twitter.com/lMXlRHFPbT— IMULTA 7/20・21(土日)ハンドメイドジャパンフェス (@imulta_jewelry) 2019年6月19日
ミゼットバフは前に先端工具のことを書いたときにも書いた通り、使っているうちに小さくなっていくので工具屋に行ったときはまとめ買いしておくのが無難です。
リューターの先端工具についてはこちらの記事をごらんください。
「いやいや、錆び取りはラスペネちゃうんかーいwww」って方もいると思いますが、先端工具はキレイにしたマンドレール部分をリューターのハンドピース部分に差し込んで使うので万が一錆が再発して油と固着するとマズいので先端工具のマンドレール部分は重曹で錆び取りしてお掃除してます。
重曹で掃除した後はペーパータオルなどにくるんでしっかり水気を取ってからしまいます。
番外編 糸鋸の刃
糸鋸の刃は専用の入れ物があるんですが意外と入らないのと太さで分けたりバローべだスーパーパイクだと会社別に分けたりすると入れ物代だけで結構出費がかさみます。
なので私はDAISOで買ったお箸のケースを使ってます。
長さが合わないものもたまにありますが結構ジャストフィットです。
100ダース入れておきたいってなったら無理ですが10ダースぐらいなら普通に入ります。
汚れないように油紙で覆って閉めておけば刃がだめになることはまずありません。
箸入れだけ欲しい時は蚤の市とか探すと結構売ってます。(※最近はメルカリで箸入れだけ売ってる人がいます。)
箸入れだけ並んでいるのを見て「こんなんだれが買うのっ!?」と思っていた時期が私にもありました。
糸鋸の使い方はこちらからご覧ください。
片づけをしておく利点まとめ
冒頭にも書きましたが工具は雑に保管すると、劣化して作業効率が落ちます。
片付けて工房内の見た目が良くなるということもありますが
適切に保管しておくことが作業に直結しているので
お手入れ方法とあわせて保管方法は工夫したほうがいいです^^
あとはケガの元になるのでケガをしないようにキレイにしておきましょう。
IMULTA(@imulta_jewelry)でした。
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↑私は普段このように金属に模様を彫り入れるオーダーも承っています。
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