日本の政治史において記録しておくことだと思うのでブログに残しておきます。
ちなみに東京都議選より前に行われていた地方選挙でもステルス自民が出ていたので東京都議選でも出るだろうなとは思っていたので、個人的に非常に不快ですが文章としてはフラットに記録します。
2025年6月の東京都議会議員選挙(都議選)終了直後、自民党が当選者3名を「追加公認」したことで、ネット上では「隠れ自民」「有権者を欺いたのでは?」との批判が噴出しました。
形式上は無所属で立候補していたため、投票した有権者は「無所属の候補だと思って票を入れた」のに、ふたを開けてみれば自民党議員になっていたという事態――。
これは果たして合法なのか?問題なのか?
この記事では、実際に追加公認された3名の経歴と、「会派」と「公認」の違い、そしてこの手法が合法であっても“政治的不信”を招く構造を分かりやすく解説します。
🧑⚖️ 自民党が追加公認した3名とは?
読売新聞の報道によると、自民党は6月22日、以下の3名を追加公認しました:
- 宇田川 聡史 氏(60歳・江戸川区)
- 三宅 正彦 氏(53歳・島部)
- 青木 英太 氏(35歳・目黒区)
いずれも都議選では無所属として立候補し当選後に自民党会派に合流→追加公認という流れでした。
ちなみに公認をもらえなかったから「無所属」と掲示して立候補しているのですが、普段から見ない人はわかりませんよね。
議員を経験している候補者は議会のサイトの会派が書かれているのでそこを見るのをお勧めします。
🏛️ 「公認」と「会派」はまったくの別物!
今回の問題を理解する上で最も重要なのは、以下の違いです。
区分 | 内容 | 表示される場面 |
---|---|---|
公認 | 政党から公式に推薦を受けて選挙に出ること | 選挙ポスター/選挙公報/投票所の掲示物 |
会派 | 議会の中で所属するグループ。政党とは別枠 | 当選後に自由に決定可(制約なし) |
つまり無所属で出馬して当選し、その後自民党会派に入っても制度上はまったく問題ありません。
冒頭にも書きましたが、多くの地方選でこのような“ステルス候補”は常態化しています。
🏛「会派に所属する」とは何か?
議会において「自民党会派に所属する」ということは、自民党の議員として扱われ、思想・方針・議決行動を基本的に共有する立場にあるという意味です。
✅ 会派とは:
- 議会内で形成されるグループ(政党単位または無所属の集合)
- 議会の運営・委員会配属・質問時間の配分などに強い影響を持つ
- 所属議員は、会派の方針に従って議案への賛否や質疑対応をするのが一般的
🧭 自民党会派に入る=実質「自民党議員」としての活動
会派所属による実質的な意味:
項目 | 内容 |
---|---|
議案提出 | 自民会派として共同提案を行う(個人では難しい) |
委員会構成 | 自民会派の一員として割り当てられる |
会派会議 | 方針決定・戦略協議に参加する(実質的な党の意思決定機関) |
政策協調 | 会派内で意見が割れた場合、多数意見に従うのが慣例 |
🎯 つまり「無所属で立候補 → 自民会派入り」は…
- 選挙時は「無所属」のクリーンな印象を利用
- 当選後は自民党の一員として活動
→ 結果として「中身は自民党だった」構図になる
これは制度上は違法ではありませんが、有権者の信頼を損ねる典型的なケースと見られます。
🔍 補足:政党と会派の違い(よくある誤解)
用語 | 意味 | 主な場面 |
---|---|---|
政党(例:自民党) | 選挙や政策推進のための全国組織 | 公認・推薦、政党助成金など |
会派(例:東京都議会自由民主党) | 議会内のグループ。政党ベースだが別扱い | 質疑時間・委員会配属・議案提案等 |
🧨 なぜ「ステルス自民」が問題視されるのか?
- 投票する側は「この人は政党に属していない」と思って票を入れる
- しかし当選後、「実は自民党の会派に入ります」と発表される
- 結果として「騙された」「政党色を隠して当選するのは卑怯だ」という批判に
このような構造が「誤解を利用した選挙手法」として、政治的不信を招いています。
しかも、候補者側は「無所属で出ました」「今後どうするかはまだ決めていません」などと言えば責任を回避できてしまうのが現実です。
👁 有権者ができる対策は?
- 「無所属=中立」と思い込まないこと
- 過去の政党所属歴や支援団体をチェック
- 選挙後にどの会派に入るかについての意向をSNSや本人発信で確認する
これからの選挙は、公認・無所属のラベル以上に、“実質的な政治行動”を見抜く力が求められる時代です。
残念ですが現状では「無所属には投票しない。」というのが一番堅実な選択肢と言えます。
📝 まとめ
東京都議選終了直後に自民党が3名を「追加公認」
宇田川・三宅両氏は過去に裏金問題で自民公認を外された経緯あり。
青木氏は初当選で裏金疑惑なしだが、“無所属からの追加公認”が波紋。
「会派所属」と「選挙公認」は制度的に別物 → 制度的には合法でも倫理的には問題あり
今後、「ステルス自民」問題は選挙の透明性を揺るがす重大な課題となる可能性が大きいです。
今回の東京都議選の問題は国政選挙である参議院選挙が注視されている中で行われたため、注意喚起の機会として大いに効果を発揮するでしょう。
ステルス自民と言っても自民党幹部が応援演説に普通に来ている事が多いので街頭演説の際に確認できる可能性もあります。
ただ今回ステルス自民が周知されたので参議院選挙では自民党幹部は応援演説を控える可能性があります。
本人に直接問いただすなど投票する前にしっかりと確認しましょう。