ストローマン論法とは現在のインターネット環境と最高の相性を持った手法

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ストローマン論法は相手の主張を間違った形で強調したり主張の一部を拡大解釈、強調して反論する論法。

近年のテレビコメンテーターやX(旧Twitter)で頻繁に使われる。

特にネット上の匿名掲示板や相手とのやり取りに一定の時間がかかる場と非常に相性がいい。

しかし近年生まれたものではなくかなり昔からある論法で昔は高齢者が用いることが多かった。

2一つ例を上げるのであれば

A、「最近は非常に暑い日が続くので熱中症になりやすい高齢者の方は外出を控えましょう。」

B、「高齢者は家に引きこもっていろという事か!!」

前者は「熱中症に気を付けましょう。」という注意喚起を促しているのに対して後者は「家に引きこもってろ。」と命令されたと主張している。

目次

インターネットとの相性が非常にいいストローマン論法

ストローマン論法やガスライティングといった手法は昔から頻繁に使われている。

ではなぜ近年これほど頻繁に使われるかというと現在のインターネット事情と非常に相性がいいからだ。

特に顕著なのがTwitterとYOUTUBEなどのSNSである。

TwitterやYOUTUBEで誰かが発信をしている場を目にした時の状況として先述したBの主張を先に見てAの主張を見ない事が考えられる。

つまり誤った主張を最初に正しい情報として記憶して、そこから正しい状況精査しない人間が多いため恐ろしく有効な手段となっている。

TIKTOKで動画をアップしている方なら動画の分析ページを見たことがあると思うが、最初の2秒ほどでほとんどの視聴者が離れてしまうし、ネットスラングで「今北産業」という「今来たから三行で状況を説明してほしい」という意味の単語があるように一つの情報を時間をかけて認識しようという人間が少なくなっている。

その結果相手の主張内容を歪めて発信し、周りに誤認させて口論を優位に進めようという人間にとってストローマン論法は最も効率的で相性が良いと言える。

ネット上で使える論法が現実と相性がいいというわけではない。

現在のインターネット環境と相性が良いからと言って現実でも十分に効果を発揮できるという事ではない。

現実においてはテレビでのコメンテーターや街頭演説のように一方的な発信を行って相手から反論がすぐに行われない状況であればそれなりに有用である。

しかし少数の人間の話し合いであったり反論する人間がすぐ目の前にいる場合はこの論法はそれほど有効とは言えない。

なぜなら相手の主張を歪めて周りに伝えたそばから修正されてしまうし、周りに相手の主張を正しく把握できない人間だと思われてしまうからだ。

簡単に言うと人の話を聞かずに自分勝手なことばかり主張する人間だと思われてしまう。

こうなってしまうと現実の打ち合わせなどではめんどくさい人間だと思われて誰からも相手にされなくなるのは明白だ。

政治家のように一定の派閥をもって同じように周りを誤認させてやろうという人間が集団でゆがめた主張に掉さして後押ししてくれればごり押しもできるが一般人がそれをやると単純な馬鹿に見えるので注意が必要だ。

近年のストローマン論法の衰退

ストローマン論法は非常に有用だったが最近では使われすぎているため使用すると簡単にばれるようになってきたようだ。

例えばテレビのコメンテーターのように多くの人間が注目している事柄に対して用いた場合は場合は、冒頭に書いたAの主張をほとんどの人間が認識しているのでBの主張が誤っていることがすぐに露見するとともに誤っていることに対して指摘が入る。

2024年9月時点で近々のものを一つ上げるのであれば、卓球の早田ひな選手が知覧の特攻隊記念館に訪問したいといったことに対しての古市憲寿氏の発言だ。

以下の記事にまとめられている。

この記事をご覧になってどのように感じるかは人それぞれだが昔のテレビ報道は誤った内容を放送してもすぐに指摘が入るようなことがなかった。

しかし注目されているニュースを放送する性質上多くの人間が目にするためネット上ですぐに反論が出るようになったのだ。

ストローマン論法はネット上では情報の多さと流れていく速さとの相性で十分に効果を発揮するが、テレビにおいて現在では批判のやり玉に挙げられるきっかけになるだけのようだ。

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この記事を書いた人

上谷 俊介のアバター 上谷 俊介 彫金師

彫金萬代表、彫金ブランド「IMULTA」を運営しています。

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