石破政権となりデジタル省の新たな大臣となった平将明デジタル大臣が日本のAIの対する姿勢を語った中で法的な規制は最低限にするといったものがあった。
現在日本の一大産業となっているマンガやアニメ、その他イラスレーターと生成AIは相いれない存在だという世論が盛んな中でこの発言は結構な批判を呼んでいる。
ただこの話のもとになっている記事はイラストなどについての内容は言及されていないのでXユーザーが誤った方向に誘導している節もある。
イラストの生成AI規制と平将明デジタル大臣の発言
今回Xで話題になっていたのはこちらの記事
この記事を引用して批判している方が多くいるものの批判している内容は「現状イラスト業界への被害が出ているのに法規制を最低限にするとは何事だ。」という事だ。
X(旧Twitter)はイラストとの親和性が非常に高い関係もあり生成AIが使われるようになったころから、有名イラストレーターのイラストを無断でAIに学習させ、似た絵柄のイラストを生成する迷惑行為が横行してしまった。
専門的な知識がなくてもできるほど簡単なため世間にも浸透した結果規制を求める声が高まっていた。
海外においても生成AIを使って絵画を製作する際に海外を生成するプロンプト(生成するための命令文)に画家の名前が使用される有様である。
話題性が落ち着いた関係でメディアが報道する頻度が減ったためある程度の規制が行われたのかと勘違いしている方もいると思うが実際は完全に放置されている状態である。
今回の平デジタル大臣の発言においても技術(イノベーション)の進歩に規制が追い付いていないという発言がある通り対応が必要であると考えていることは間違いない。
しかし記事の内容を見る限りではAIによる利点のみに注視しているように読めるため現在のAI問題が全く解決していない状態でこの発言は批判が起きるのは仕方ないだろう。
ただ今後著作権などに関しての対応をしないとは限らないのでどのような対応をするかが注目である。
他者を騙すための生成AIの使い方が生まれてしまっている現状をどのように打破するか
2024/10/09
ごく最近またAIを使った内容で話題になったのがこちらの投稿
イラストのタイムラプスが投稿されたものだがその内容がAIによって作られたものではないかと物議を醸した。
投稿した方が騙されたかどうかは筆者にはわからないが、生成AIを使ってイラストを実際に書いたようにタイムラプスを生成するシステムができておりこのタイムラプスを製作する使い方は他者に「手書きだと」誤認させるための使い方以外が筆者には思いつかない。
生成AI自体は素晴らしい技術であることは間違いないがそれを使用する人間の進歩が追い付いていない状態だといえる。
その状態で法規制というのは意識的に抜け道を作る利権を生む可能性すら考えられる。
今後この問題が解決するかどうかは難しい所である。
また実際にイラストに関わったことがない人間にしてみれば騙されているかどうかもわからないため責任の所在を問うような事態に発展した場合自身の潔白を証明するのはまず不可能だ。
騙す気はなかったなど何かがないことを証明するのはまさに悪魔の証明の典型である。
このような現状を打破するような対策や法規制を完全に行えるのであれば歴史に名を残す偉業と言えるだろう。
生成AIからの被害を強く受けるであろう業種
先述したようにイラスト業界は生成AIによって大きな被害を受けている。
実際に手を動かす仕事をするのであれば工数がかかるためその分の費用を請求するのは当たり前だ。
しかし例えばデザインの下地になるたたき台の部分を生成AIで作ってからであれば工数を減らせるのは明らかでありそれはイラストレーターやデザイナーの収入減につながる。
その結果作業の拘束時間と収入のバランスの取れたものになればよいが仕事取得のための価格競争が起きてしまった場合ある程度名前が売れた人間以外は買い叩かれてしまうのは火を見るより明らかだ。
つまりデザインを仕事の一部にしている人間は生成AIの影響を受けやすいと考えられる。
生成AIの普及による前提との逆転現象。
生成AIを使う事によってデザインのたたき台ができるため実際の工数を減らすことが利点であるという意見も方々で見られるがデザインのたたき台になるような資料はプロであればもともと持っているので筆者にとってその意見は詭弁だと感じる。
近年ではデジタルやAIでないと書けない絵があると考えている方も少なくないようである。
生成AIやデジタルイラストの技術は前提として大昔からの技術があって構成されているので逆言うと実際に人間が描けない絵はAIでも描けない。
アニメでもCGと聞いて人間が関わらずすべて自動生成されていると思っている人間もいるというから驚きだ。
今後AIに関しては義務教育でも教える必要が出てくるだろう。
このような状況で平デジタル大臣がどのような規制を設けていくか筆者には全く想像がつかない。
今後もニュースが楽しみである。