戸籍制度を崩す危険性 ― 選択的夫婦別姓と通名使用の真の問題点

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現状の制度でも妻の姓に夫が合わせて登録することは可能です。

男性の姓に女性が合わせることを当然と思う風潮を変えたいという方がいますがそのような意識の啓蒙は法で行う必要はありません。

選択的夫婦別姓の問題点は現在の日本の戸籍制度の公証性を毀損する点だと考えます。

現在の日本の制度でも夫が妻の姓に合わせることは可能であり、婚姻時にどちらか一方の姓を選択できる仕組みになっています。しかし、実際には約95%以上の夫婦が夫の姓を選択しており、これが慣習的に「当然視」されている状況があるのは事実です。

一方で、選択的夫婦別姓制度の導入を巡る議論は、「夫婦が同姓であることを強制しない自由」を求める側と、「戸籍制度の維持や家族の一体性を重視する側」とで意見が対立しています。

目次

選択的夫婦別姓制度の問題点:戸籍制度の公証性の毀損

日本の戸籍制度は家族単位で公証性を担保しており、同一姓であることで家族関係が公的に一目で確認できる仕組みになっています。選択的夫婦別姓制度が導入されると、この公証性が損なわれる可能性があります。

💡 具体的な問題点

  1. 戸籍の分裂・煩雑化
    • 現在は夫婦が同姓であれば1つの戸籍にまとまりますが、別姓を選択すると夫と妻が別々の戸籍になる可能性があります。
    • 子供が生まれた際にどちらの姓にするかで戸籍が分かれる可能性があり、家族関係が戸籍上で分かりにくくなります。
  2. 相続・法的手続きでの混乱
    • 現在は姓が同じため、法的な手続きで家族関係を公的に証明しやすいですが、別姓になると相続時や行政手続きが煩雑化する可能性があります。
    • 特に、高齢者が戸籍謄本などを確認する際に手間が増えます。
  3. 外国人との婚姻時の扱い
    • 選択的夫婦別姓制度は外国人配偶者との間での混乱も懸念されます。
    • 現在、日本では外国人との結婚時に別姓が認められていますが、選択的夫婦別姓が導入されると、国内の別姓と海外との扱いがさらに複雑になります。
  4. 子供の姓に関する混乱
    • 別姓の夫婦間で子供が生まれた場合、どちらの姓にするかで争いが生じる可能性があります。
    • また、親と子供の姓が異なることで学校や病院などでの手続きが煩雑化し、社会的混乱を招く恐れがあります。

📌 「姓の選択の自由」は法でなく文化的な啓蒙で対応すべきでは?

「男性の姓を選ぶのが当たり前」という風潮は文化的な慣習であり、これを法で変えようというのは正に「仏作って魂入れず」という言葉通りの状態になり法の形骸化を生んでしまいます。

  • 姓の選択を啓蒙する活動(たとえば、夫が妻の姓を選ぶケースを積極的に紹介するなど)は可能ですが、それを法で義務付けるのは行き過ぎと考える人も多いです。
  • 法改正よりも社会的な意識改革や慣習の見直しで対応すべき、という意見は根強くあります。

🔥 選択的夫婦別姓制度の本質的な問題

選択的夫婦別姓の最大の問題は、「個人の自由」VS「家族単位の公証性」の対立です。

  • 推進派の主張
    • 個人の自由を重視し、結婚しても自分の姓を維持する権利を認めるべき。
    • 別姓でも家族の絆には影響がない。
    • 海外では別姓が当たり前。
  • 慎重派の主張
    • 家族単位の公証性が損なわれ、社会的な混乱を招く
    • 別姓によって家族の一体感が薄れる可能性がある。
    • 子供への影響や相続手続きの煩雑化が懸念される。

選択的夫婦別姓は「自由」か「公証性」か、という価値観の対立が本質です。

公証性を守る観点からは慎重にすべきであり、現行制度でも姓の選択は可能であるため法改正ではなく文化的な意識改革で対応すべきという考えは十分に理にかなっています。

一方で、制度を変えることで国際基準に合わせるべきという意見もあり、今後も国会で議論が続くと考えられます。

ただこの「国際基準に合わせるべき」という主張に私は首をかしげる部分があります。

筆者は世界各地の模様を金属に彫り入れする仕事をしている都合上、紋章や家紋などの伝統的なモチーフに触れる機会が一般的な会社員などをされている方よりもはるかに多いです。

その観点から言うと海外でもこの「個人を証明する公証性」は非常に重要視されておりイギリスには紋章を管理する専門機関もあります。

日本の戸籍制度はそれらの制度をはるかに超えた公証性を有していることを忘れてはいけません。

これに関しては別記事を用意しますので合わせてごらんください。

また「海外で当たり前だから」という主張は破綻しています。

ここは日本なのでそんな理由で取り入れる必要はありません。

「選びたい人が選べばいい」というあまりにも短絡的な考え方

選択的夫婦別姓は選びたい人だけが選ぶだけだから同性にしたければ同性にすればよい、目の前の手続きが面倒だから夫婦別姓にするべきだというのはあまりに短期的・短絡的な思考です。

「選びたい人だけが選べばいい」という短絡的な考え方は、将来的な影響や制度の持続性を軽視しているとしか言いようがありません。

例えば数世代にわたって選択的夫婦別姓が続いた場合、親族関係をたどる手続きが非常に煩雑になり、法的な公証性や家系の追跡が困難になるのは明白です。

一度導入してしまった後、その制度が将来的に日本社会にどのような影響を与えるかをしっかりと考えましょう。

選択的夫婦別姓がもたらす将来的な問題点

家系・血縁関係の確認が極めて困難になる

現在の戸籍制度は夫婦が同姓であることを前提に設計されているため、家系の追跡が容易です。しかし、選択的夫婦別姓が導入されると、数世代を経るごとに親子関係の特定が複雑化します。

🔹 現在の戸籍制度の場合

  • 同姓の場合、親子関係は戸籍から一目で確認可能。
  • たどりやすいため相続や親族関係の証明もスムーズに行える。

🔹 別姓が浸透した場合

  • 夫婦別姓が複数世代にわたって続くと、親子関係の特定が煩雑化
  • 「母はAさん、父はBさん。祖父はCさんで、祖母はDさん」というように姓が分散しすぎて家系図が複雑化
  • 相続や親権問題で争いが起きた場合、関係性を証明するために多大な手間と費用が発生

📌 具体例

  • 3世代にわたって夫婦別姓が選ばれた場合:
    • 子供の姓は父母どちらかになるため、兄弟で姓が異なるケースが発生。
    • さらに、その子供が別姓婚を選択すれば姓が枝分かれし続け、親族関係が複雑に絡み合う
    • 遺産相続時には「この人は本当に親族なのか?」と証明が極めて困難になり、余計な争いや訴訟が頻発する恐れがあります。

法的な手続きの複雑化と行政コストの増大

選択的夫婦別姓が広がると、行政手続きや司法に大きな負担がかかります。

🔹 現行制度では、戸籍の追跡が容易

同姓であれば家系図を作るのも容易で、戸籍謄本を数世代分たどれば親子関係がすぐに判明。

🔹 別姓世代が続くと手続きが煩雑化

  • 別姓を選んだ夫婦が増えれば、戸籍をさかのぼるために複数の姓を検索する必要が生じ、手続きが煩雑に
  • 役所の事務処理や住民票・戸籍の照会コストが増大
  • 結果として国民の税負担が増える可能性があります。

相続や親権トラブルが頻発する可能性

選択的夫婦別姓は、将来的に相続・親権に関するトラブルを引き起こす可能性が高いです。

🔹 相続時にトラブルが起きる理由

戸籍制度は「誰が法的な相続人か」を公証する役割があります。

しかし、別姓婚が数世代続くと親族関係が追跡しづらくなり、相続人の特定が難航

結果として、相続争いが増加し裁判沙汰になるケースが増える恐れがあります。

🔹 親権トラブルのリスク

  • 別姓婚の場合、子供の姓を父母どちらにするかで争いが生じやすくなります。
  • 離婚時にも「どちらの姓にするか」が対立の原因になり、親権問題がより複雑化

外国人による戸籍の悪用リスク

選択的夫婦別姓は、日本の戸籍制度の公証性を崩壊させるため、外国人による悪用のリスクも懸念されます。

📌 想定される問題

別姓婚が普及すると、外国人が日本人と偽装結婚して姓を変えずに帰化する手法が容易になります。

現在は同姓婚が基本のため、不正な帰化申請は比較的発覚しやすいですが、別姓が広がるとチェックが甘くなります。

また偽装結婚による戸籍乗っ取りや不正帰化が増える可能性があります。

通名を使用して日本人になりすまし不法滞在して犯罪に手をそめる外国人の報道を連日のように見るはずです。 通名使用した外国人の犯罪はまさに選択的夫婦別姓が引き起こす悪用リスクのわかりやすいケースと言えるでしょう。

選択的夫婦別姓は社会の安定性を損なう恐れがある

「選びたい人だけが選ぶから問題ない」という論理は、短期的かつ安直な思考です。数世代後には戸籍制度が混乱し、公証性が損なわれることで相続・親権・身分関係が曖昧になる恐れがあります。

もし現在の制度と同じ公証性を保つのであれば、正規とはまた違った行政コストがかかることは間違いありません。

🔥 選択的夫婦別姓を進める人が見落としている視点

現在、選択的夫婦別姓を推進する人々は「個人の自由」や「選択の権利」を強調していますが、戸籍制度の維持による社会的安定性や公証性の重要性は軽視されています。

夫婦別姓は個人の権利と見えるが、社会全体の公証性や法的安定性に大きな影響を与える問題です。

夫婦別姓は制度維持に対する無責任な発想

選択的夫婦別姓は「選びたい人だけが選べばいい」という個人の自由に見えて、将来的には日本社会の公証性と安定性を根底から揺るがす制度です。

  • 数世代にわたる姓の分散は、戸籍制度を機能不全に陥らせる恐れがある。
  • 相続・親権トラブルが増加し、法的手続きが煩雑化
  • 戸籍制度の公証性が崩壊することで、偽装結婚や戸籍乗っ取りのリスクが増加

これらを考えると、「選びたい人だけが選べばいい」という主張はあまりにも短絡的で軽薄な発想だと言えるでしょう。

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この記事を書いた人

上谷 俊介のアバター 上谷 俊介 彫金師

彫金萬代表、彫金ブランド「IMULTA」を運営しています。

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