2025年現在の日本ではあまりに多くの税金がかかっている状況であり、その影響で経済活動や一般の消費活動を阻害している状況です。
今回はガソリン税がどのようなものかについて紹介します。
まず知っておきたいのは現在のガソリン価格が170~180円(筆者の家の近くでは176円)になっているのは多くの税金がかかっているからです。
【ガソリン税+暫定税率+消費税】の影響で80円ほどが税金です。
つまりこれらが廃止されるとガソリンがリッター当たり80円安くなります。
その前提の上で紹介していきます。
ガソリン税とは?
ガソリン税は、日本でガソリンを購入する際に課せられる税金で、正式には「揮発油税」と「地方揮発油税」の2種類があります。
- 揮発油税(国税):1リットルあたり48.6円
- 地方揮発油税(地方税):1リットルあたり5.2円
これらを合計すると、ガソリン1リットルあたり53.8円が税金として課せられています。
さらに、ガソリン税には消費税(10%)が上乗せされるため、ガソリン価格の中には税金が二重にかかっていることになります(これを「税の上に税がかかる二重課税」と指摘する声もあります)。
ガソリン税は期間限定の税だった?
もともとガソリン税は、1951年に道路整備のための財源として導入されました。
当初は時限的な措置でしたが、何度も延長され、最終的に2008年に恒久税化されました。
つまり現在ガソリン税は恒久的に徴収される税となっています。
しかも昔は「道路整備に使うための税」として徴収されていましたが、2009年から一般財源化され今では用途が定まらずどこに使われているか分からない税金を払わされているという状態になっています。
すべての車両がガソリン税の対象?
基本的に、ガソリンを燃料とする車両(一般の乗用車や営業車、運送業のトラックなど)はすべて対象になります。
ただし、ディーゼル車はガソリン税の対象外です。ディーゼル車には「軽油引取税(1リットルあたり32.1円)」がかかります。
また、公用車や特定の業務用車両については、一部減免措置がある場合もありますが、基本的にはガソリンを使うすべての車両が負担する仕組みになっています。
- ガソリン税は元々時限措置だったが、2008年に恒久化された
- ガソリン税は1リットルあたり53.8円(揮発油税+地方揮発油税)
- 消費税もかかるため二重課税になっている
- ガソリンを使う全ての車両が対象(ただし、ディーゼル車は軽油引取税が適用)
● 一般税(一般財源化される税)
- 使い道が特定されていない税金。
- 税収は国や自治体の予算全体に組み込まれ、自由に配分される。
- 例:所得税・法人税・消費税(および現在のガソリン税も)
→ 政府が「道路整備」「教育」「社会保障」など予算の優先度に応じて使い道を決めらます。
最近話題になっている消費税も一般財源です。
すべて社会保障に充てられていると公言されていた消費税も2025/04/30の財務金融委員会で輸出還付金に使われているという事でしたのでガソリン税も本当に道路整備に使われているか疑わしいですね。

ガソリン税を廃止したら経済効果がある?
ガソリン税を廃止すれば、ガソリン価格が単純にリットルあたり約53.8円(+消費税分の影響)安くなるため、以下のような経済効果が期待できます。
現在ではこれに暫定税率がのっかっているのでこれもなくせば80円ほど安くなります。
1. 外出が増えて経済が活性化
ガソリン価格が下がると、ドライブ・旅行・レジャー・買い物などの外出が増え、観光業や飲食業、小売業が活性化する可能性が高いです。
特に地方では車移動が中心なので、ガソリン価格の影響は都市部以上に大きいでしょう。
2. 運送業のコスト削減で物流が活性化
これが一番重要です。
運送業は燃料コストが大きな割合を占めるため、ガソリン税の廃止により大幅なコスト削減が見込めます。
結果として、運送料の低下→商品価格の低下→消費の増加という好循環が期待できます。
また、減免措置の申請や手続きも不要になり、行政や企業の事務負担が減るというメリットもあります。
ちなみに筆者の友人で東京の浅草橋で炭屋(木炭)を代々やっているのがいますが、毎日配達でトラックを使うのでガソリン代の負担がとんでもないことになっていると恨み骨髄です。
炭屋の配達でも負担になっているのですから運送業界などへの影響は計り知れないでしょう。
それに自動車重量税もかかっているのでトラックなど大きい車は持つだけで負担になります。
3. インフレの抑制効果
ガソリン税がなくなれば輸送コストが下がり、食品や生活必需品の価格も下がる可能性があります。
現在、日本は物価上昇(コストプッシュインフレ)の影響を受けていますが、ガソリン税の廃止が物価安定につながる可能性があります。
なぜインフレの抑制が物価安定につながるのか?
現在の日本はインフレと言ってもコストプッシュインフレです。
需要が高まって物価が上がるディマンドプルインフレとは物価が上がる理由が違います。
つまりガソリン税の廃止すれば直接的に流通コストを抑えられるので現状のインフレ抑制に大きな効果が出るでしょう。
ガソリン税は二重課税
🔁 ガソリン税の二重課税としての構造
ガソリンには「ガソリン税(揮発油税+地方揮発油税)」がかかっているにもかかわらず、さらにそのガソリン税に対して消費税がかかるという「税に税がかかる」構造。
これにより、実質的に二重課税となっている。
✅【まず「二重課税」とは?】
🔹 例:ガソリンの場合
- ガソリンを買うとき、すでに【ガソリン税】(揮発油税+地方揮発油税)がかかっています。
- さらに、ガソリンそのものの価格だけでなく、「ガソリン税を含めた合計額」に対して消費税(10%)がかかります。
つまり…
📌 「税金にさらに税金をかけている」状態
❌【なぜ二重課税が良くないのか】
① 🚫 不公平だから
本来、税金は“取引の利益”や“所得”に対して一度だけ課すのが原則です。
二重課税は、すでに税金を払っているのに、さらに税金を取るという構造で、明らかに不公平です。
🗣 消費税に例えるなら以下のようになります。
消費税がかかった後にさらにその消費税に消費税がかかるのは意味が分かりませんよね。
② 💸 消費者が“見えない形”で損をする
ガソリン価格には税が含まれており、パッと見ではどれが税なのか分かりません。
しかもその「見えない税”にさらに消費税がかかる」ため、知らず知らずのうちに多くの税を払わされているのです。
③ 🧮 税金が“複利”のように膨らむ
消費税が「価格+税」に対してかかると、元の税金が大きければ大きいほど、さらにその上に課される消費税も大きくなってしまう。
これは、累積課税のように税が税を呼び、負担が拡大していく構造です。
つまりガソリン税に賛成している人間は経済の仕組みがわかっていません。
④ 📉 経済活動の抑制につながる
価格が上がることでガソリンの消費が減り、運送業者や地方の生活コストが上昇。
結果として経済活動が萎縮しやすくなり、逆に税収も伸びにくくなるという本末転倒な事態も招きます。
マクロ経済と家計簿の考え方は違いますがこの点に関して商売をされている方はピンとくると思います。
お金の周りが悪くする制度を採り入れたら単純に経済が悪くなります。
まとめ:見えない「負担の正体」を見直すとき
ガソリン税という制度は、本来は道路整備という明確な目的のために導入された「時限的な課税」でした。
しかし今やその名目は薄れ、暫定税率が恒久化され、一般財源として使途が不透明なまま徴収され続けているのが現実です。
しかもガソリン税の上にさらに消費税を課すという二重課税の構造は、消費者にとって極めて不透明かつ不公平です。
リッター170円のガソリンのうち約80円が税金という現状は、もはや生活の足を奪う重税と言っても過言ではありません。
ガソリン税を廃止すれば輸送・物流コストが下がり、食品や生活必需品の価格抑制にもつながります。
これは特に地方や低所得世帯にとって大きな恩恵であり、コストプッシュ型インフレに苦しむ今の日本にこそ必要な処方箋です。
政府が本当に経済の回復を目指すのであれば、国民の足を引っ張る「見えない税負担」を真っ先に見直すべきではないでしょうか。
一度国債の仕組みを理解すればどのように解決していくかという事がシンプルに思えてくるかもしれません。

