2025/07/08に参議院選挙の期間中に自民党の鶴保庸介氏が能登地震に関して「運のいいことに自信があった。」という発言がある物議を醸しました。
その発言のもとには鶴保氏が進める「二地域居住」政策が進めやすくなったという背景があるようです。
今回の発言は許されるもので貼りませんので今後の参議院選挙(2028年)に影響を与えると考えられますが、鶴保庸介氏の二地域住居の政策とはどのようなものか気になったので調べてみました。
記録として残しておきます。
まず結論としてこの二地域居住促進法は非常に危ういものです。
個人的にはこの政策はメリットがほぼ存在せず、自治体の業務を圧迫してヒューマンエラーを誘発するものだと感じました。
🗓️ 発言の概要と経緯
まずは事の経緯を簡単にまとめます。
2025年7月8日、鶴保庸介参議院議員(自民党・参院予算委員長)は、和歌山市内で行われた参議院選の応援演説において、「運のいいことに能登で地震があった」と発言しました
発言の意図は、2024年1月の能登半島地震を契機に地方と都市を二地域で住民票登録できる制度(“二地域居住促進法”)が進められたことを説明するものだったとされています
🆘 謝罪と発言撤回
当日夜、鶴保氏は「能登地方が被災したことを『運が良い』と思ったわけではない」「被災者への配慮が足りず、言葉足らずだった」とのコメントを発表し、発言を謝罪・撤回しました.。
7月9日朝の記者会見では改めて謝罪し、「被災地への配慮が足りなかった」「例示として適切だったか深く反省している」と述べました。議員辞職や離党については、「現時点では考えていない」と語りました。
言い方が悪かっただけだという擁護もありますが、そもそも言わなければいいだけなので議員としての資質が問われるというのは言うまでもありません。
🏘 二地域居住とは?
都市部(例:東京や金沢)と地方(例:輪島、和歌山など)にそれぞれ生活拠点を持ち、住民票を両方に登録できる制度です。
たとえば被災者が避難先の都市で生活を続けながら、ふるさとでの行政サービスを受けられるようにするなど、移動や行政手続きの柔軟性を高めることが可能となります
今回の件の関連して言うと能登半島地震(輪島市など)を契機に、被災地の住民が金沢に暮らしながら輪島の住民票を保持できるよう制度改正が進み、手続きの簡素化や柔軟化が進展しました。
この実例を挙げて、「この制度を拡大するに当たって“運のいいことに”議論が進んだ」という趣旨で発言したとみられます。
この災害時の対応のみを見るとよい制度のように感じられますが、調べてみると見逃せない部分がありました。
🏛 制度推進の関係組織と背景
自民党の「二地域居住推進議員連盟」は、鶴保氏が会長として2024〜2025年にかけて立ち上げた議連です。
国会内外で提言や情報共有を重ね、地域自治体や企業、NPOなどと連携しながら具体的な制度づくりを進めているようです。
議連では地域の魅力や関係人口創出、移動負担の軽減、コミュニティマネージャーやコーディネーター制度の整備などを通じて「地方創生2.0」の視点で二地域居住の推進を目指しているとされています。
制度によって期待される効果は以下の通りです。
- 地方への「関係人口」や移住促進の促進
- 都市部と地方の人材・産業交流の活性化
- 個人のwell-beingやライフスタイルの柔軟化、生活価値の向上
これを調べた時に「関係人口」ってなにかがわからなかったのですがこれは二地域居住推進議員連か総務省が作った造語のようです。
🧾 関係人口の定義(総務省などの公的定義)
「定住はしていないが、地域と多様に関わる人々」
たとえば、ある地域に「住民票を持たず」「一時的に滞在するだけ」だが、仕事・観光・ボランティア・地域活動などで継続的に関わる人々のことです。
関係人口等とは? ←総務省のサイト
ちなみにウェルビーイング(well-being)とは身体的、精神的、社会的に良好な状態、つまり「幸せ」や「満たされた状態」を表す概念なのですが、これは目的にするにはあまりにもフワッとしているので政策の目的として書くのはよくないと考えます。
効果を検証する際のどうとでも言えてしまいますからね。
ついでに言うと個人の生活の「満たされた状態」かどうかは政府が口を出す必要はありません。
🧾 短く要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 都市部と地方に生活拠点を持ち、両方で住民票を登録、行政サービスを受けられる制度整備 |
| 契機となった事例 | 能登半島地震後、被災者が金沢に住みながら輪島市の住民票を保持する制度変更 |
| 制度の推進組織 | 自民「二地域居住推進議員連盟」(会長:鶴保氏) |
| 期待効果 | 地方創生・関係人口拡大・移住促進・人材交流・well‑being向上など |
🏛 二地域居住推進議員連盟の主な構成メンバー(すべて自民党)
▪ 会長
鶴保 庸介(参議院議員):2024年5月に議連を立ち上げ、会長を務めています 。
▪ 幹事長
越智 隆雄(衆議院議員):議連の幹事長として政策立案や国会提出を取りまとめています。
▪ 事務局長
尾﨑 正直(衆議院議員):議連の事務局長として提言書作成や政策イベントの中心運営を担っています 。
▪ 事務局長代理
長谷川 淳二(衆議院議員・愛媛3区):提言資料のまとめや会合での発言など、実務面での活動を担当しています 。
🔍関係人口は実際に移住したわけではないが帳簿上の数字になる
もっと問題となる点はあるのですが最初にこれを見た時に感じたのは実際に移住したわけでもないのに地方の人口が増えたかのように表記されるのは問題ではないかという事です。
つまり帳簿上の数字の項目が増えただけで地方の実際の人口減の対策にはなっていないからです。
① 数字の“見かけ”を良くするための概念
関係人口は住民票を伴わないため、税収・インフラ整備・教育や医療など定住者向けサービスの基盤には直結しません。
それにもかかわらず、自治体のPR資料や補助金申請などで「人口関与指標」として用いられることで、実態に合わない「賑わいの演出」に使われる危険があります。
② 移住(定住)を避ける言い訳に
本来は移住・定住者の確保こそが持続的地域運営には不可欠なはずです。
ところが「関係人口も大事」としてしまうと、政策の重点が“都合のよい側面”にずれてしまい、本質的な人口減への対応を棚上げする傾向が生まれます。
③ 地元住民との“温度差”
- 地方に長く住む人々にとって、年に数回来るだけの関係人口は**「観光客以上住民未満」**の存在。
「複数の住民票を持てるようにする。」というとんでもない構想
これは国土交通省の資料に明記されています。
↑この資料自体は長いのですが、最初のページの上から5番目の中黒の項目に書いてあります。
しかも現状一人が持てる住民票の上限を決めていないようです。
これはとんでもない事です。
納税をして市役所などでの手続きをした事がある方であれば少し考えれば問題点がいくつも上がってきます。
投票券の問題、不正選挙の可能性
2025/07/20に参議院選挙がありましたが投票権のある方には投票所入場券(投票券)が送られてきたと思います。
投票券は住民票をもとに送られてきます。
複数持った場合いくらでも投票できることになってしまいます。
複数登録が実現すれば、郵送・期日前・在外投票などを組み合わせることで、事実上の二重投票を可能にしてしまう恐れがあります。
これは不正選挙の温床になります。
現状でも選挙中の不祥事が何度も報道されている状況です。
手続きがさらに煩雑化する政策は必要ありません。
行政サービスの“タダ乗り”構造
各市町村の行政サービスを受ける場合は居住実態の確認のために住民票が必要になります。
関係人口という住民税などを納税するかどうかわからない人間が住民票を置いておくだけで行政サービスを受け放題になってしまいます。
つまり現在問題になっている「外国人による行政サービスのタダ乗り」を促進することになってしまうのです。
住民票を形式的に置くだけで、地元に納税もせず、保育・医療・介護などのサービスを受けられるような制度になれば、真面目に納税している住民にとっては不公平極まりない話です。
地方自治体の財政が圧迫され、結果としてサービスの質が低下するリスクがあります。
多分いないと思いますが「複数個所で納税するのであれば問題ないだろう。」という人がいるかもしれません。
だったら移住して一か所で払うなり、元の住所のみで払ったほうがいいのでこの制度自体が不要だと言っているものです。
なりすまし犯罪・通名悪用との相性の良さ
「二地域居住」や「関係人口」制度は、表向きには“地方創生”や“自由なライフスタイルの実現”というポジティブな言葉で語られますが、制度の裏側ではなりすまし犯罪や通名悪用との高い親和性を持ってしまっています。
以下に、制度の構造とその“抜け道”の具体的なリスクを整理します。
🔓 二地域居住制度 × 通名・なりすましのリスク構造
| 危険性 | 内容 |
|---|---|
| 居住実態の証明が緩くなる | 「週末だけ滞在」「空き家の一室を使っている」など、居住の客観的証明が難しい状況を制度側が追認してしまう |
| 住民票の多地点登録 | 一部の制度では「元の住民票を残したまま仮登録する」仕組みも検討されており、本人確認が煩雑・形骸化する |
| 通名・別名による多重登録の温床 | 旧来から通名制度は住民票の厳格性を曖昧にする構造を持っており、二地域居住と掛け合わせることで「身元の混濁」が深刻化する |
| 公的サービス・選挙制度の不正利用 | 投票所の割り当て・医療扶助・行政支援など、本人確認を要する制度に対し“裏口”として使われかねない |
🕵️ なりすまし犯罪と制度の“抜け穴”
✔ 通名での複数登録
住民基本台帳ネットワークのチェックが甘い場合、同一人物が複数の名義(通名)で住民登録しうる可能性があります。
✔ 架空の居住実態の演出
「知人の空き家を借りた」などの届出で書類上の住民登録が可能となり、本来居住していない自治体の支援制度や給付金などの不正取得が起こりえます。
✔ 複数拠点での“善意の市民活動”というカバーストーリー
「関係人口」としての関わりを装うことで、悪意ある活動を社会貢献に偽装しやすくなる。
🛡 制度の脆弱性がもたらす社会的コスト
- 公的書類の信頼性低下(住民票、本人確認、住所証明など)
- 投票権や扶助制度の不正取得(選挙・福祉・災害支援)
- 治安対策の盲点化(犯罪捜査・所在確認・国籍管理)
- 自治体間の“行政リソースの取り合い”(サービスだけ受けに来る流入者)
🧨 特に通名制度との相性の悪さ
通名自体が「一部の外国人だけに許された法的な偽名」であり、厳密な本人確認と矛盾する制度です。
これに“二地域居住”の緩い制度が加わると、法的身分・居住実態・活動履歴がバラバラな「多層なりすまし」が可能になります。
特定の勢力による「住民票操作」「票田操作」「行政制度の乗っ取り」に繋がる懸念は看過できません。
つまりいくらでも効果は薄くいくらでも悪用できる制度という事です。
耳障りのよい理想論、もともとの制度を破壊する政策
二地域居住制度の推進は、一見すると柔軟で魅力的に映るかもしれません。
しかし住民票制度の緩和は、行政手続きの崩壊、身元確認の弱体化、不正利用の温床となる可能性を秘めています。
私たちは「便利そうだから」という表面だけでなく、その先にある社会的コストや制度的危険性にも目を向けなければなりません。
またこれらを掲げている自民党の議員は実際に役所で働く方の労働のリソースというのを考えていないように感じます。
耳障りの良い言葉を並べただけで実際に効果は薄く元々の住民票制度や戸籍制度を破壊する政策だと考えます。





