彫金でシルバーや真鍮のアクセサリーを作る時に使用する糸鋸の使い方で鋸刃の太さの使い分けがあります。
昔は8番~0/8番までありましたが現在工具屋のオンラインショップを見ると一番太いもので6番までしか置いていないようです。
今回は彫金で使用する鋸刃の使い分けについて紹介します。
糸鋸の基本的な使い方

彫金で金属を切る時に使用する糸鋸はフレームに鋸刃を取り付けて使用します。
糸鋸を使用する時は作業位置を胸から上にするのをお勧めします。
ただ糸鋸を逆手に持って作業する方もいるのでどの方法が使いやすいかは自分で試してみてください。
切り進みたい方向に軽く力を入れて上下させることで刃が進んでいきます。
糸鋸の刃を使い分けて金属アクセサリー製作の効率を上げる

およそ10種類以上の鋸刃の太さがある中で真鍮やシルバーを切る作業に適した太さは0番以下の太さの鋸刃といわれています。
鋸刃のメーカーなどもそのように自社サイトで紹介しているので間違いありませんが、1番以上の太さの鋸刃で金属が切れないかというとそんなことはなく多少手元の負荷が増えるものの切ること自体は可能です。
糸鋸の基本的な使い方はこちらをご覧ください。

金属のロスを考えないのであれば多少太い鋸刃でも作業は可能

シルバーではなく真鍮や銅の場合金属自体のグラム単価が比較的高くないので金属を糸鋸で切った際のロスを考えずに作業を進めることが可能です。
太い鋸刃を使うという事は切った後が当然太くなります。
切った真鍮やシルバーは粉となって落ちるので手元に引き出しやバットを用意しておかないとすべてロスになります。
これだけ聞くとにかく細い鋸刃を使ったほうが経済的に感じるかもしれませんが作業時間自体をコストととらえた場合、#8/0番の一番細い鋸刃を使用するのは一長一短になります。
鋸刃の太さと使い分け

鋸刃は太いものほど一つ一つの刃が大きくなります。
当然細い鋸刃ほど一つ一つの刃が小さくなります。
つまり糸鋸のフレームに鋸刃を取り付けて金属切る動きをした場合一回上下させた時の切り進む長さが変わります。
大きな地金の板から大まかに切り出す糸鋸作業をするのであれば#1番程度の太さの鋸刃を使ったほうがスムーズに作業が進むので効率的に作業を進めたいのであれば鋸刃を太いものに付け替えたほうがいいという事です。
逆に言うと細かな透かし模様を切り抜きたいのであれば#1/0番以下の細いものを使って切り進む具合を調整しながら鋸刃を動かしたほうが失敗しにくくなります。
真鍮・シルバーを切るときのポイント

先述した内容踏まえると以下のようにポイントをまとめます。
真鍮や銅の場合:金属単価が比較的安いのでロスを気にせず太めの刃でもOK。
シルバーの場合:粉のロスが価格に直結するため、引き出しやバットを用意して切粉を回収するのがおすすめです。
趣味の範囲でやっているという方で素材のロスとかあまり関係ないよと言う彫金初心者の方もいると思います。
糸鋸の練習と割り切って作業するのであれば、最初は太めの糸鋸の刃を使って真鍮で練習することをお勧めします。
糸鋸で真っすぐ切れない時に確認するポイント

太めの鋸刃はフレームに着けたときにねじれてしまっているという事がほとんどありませんが、細い鋸刃の場合まれに発生しています。
糸鋸でシルバーや真鍮を切る時に真っすぐ切れないという方は刃がねじれてつけてしまっている可能性もあります。
また糸鋸フレーム自体が歪んでいることもあるので自分の切る姿勢など自分自身の要因を見直しても真っすぐ切れない場合は工具に問題がないかを確認しましょう。
- 鋸刃がねじれている:特に細い刃で起こりやすい。取り付けを再確認。
- フレームの歪み:落としたり強い力をかけると歪むことがあるのでチェック。
- 姿勢や作業環境:作業台の高さが合わないと切り口が斜めになりやすい。
初心者におすすめの鋸刃サイズまとめ
最後に初心者向けの鋸刃サイズを整理します。
- 初めて使うなら → #2/0~#0
- 大きな地金を切るなら → #1以上
- 繊細な透かし模様なら → #3/0以下
刃の選び方一つで効率と仕上がりは大きく変わります。まずは使いやすい太さから試し、慣れてきたら用途に合わせて鋸刃を使い分けてみてください。

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