彫金タガネの彫りの練習をシルバーで行うのは向いていない理由を挙げていく

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彫金を独学で練習するにしろ彫金教室や学校で習うにしろ最初の練習は大体銅板で行います。

銅や真鍮、シルバー・ゴールドなど金属それぞれ彫る時の感触が違うため全くの経験値ゼロの場合はかなり戸惑うはずです。

過去にYOUTUBEで動画で解説しましたが文章にしていなかったので紹介します。

目次

彫金タガネの練習に向いている金属とシルバーが向いていない理由

彫金で金属を彫る練習は基本的に銅板で行います。

銅板が彫金の練習に向いている理由

  • 彫りの練習をする硬さがちょうどいい
  • コストが低い
  • 彫金タガネが破損しにくい

彫金タガネの練習には金属の硬さが重要

彫金タガネで彫る際に金属の硬さは非常に重要です。

破損しにくいという事の他に彫り跡がきれいに出るかどうかという点で大きく影響します。

その点で銅は硬さがちょうどよくシルバーは柔らかすぎます。

シルバーを業者から購入する際にソフト加工での納品かどうかなど聞かれることがありますが、なましが入っている状態のシルバーは925でも950でも非常に柔らかいので金づちでタガネを叩いて彫るいわゆる和彫金にはあまり向いていません。

手押しで彫る洋彫りの場合も食い込みやすくなるので刃を入れる時の感触が変わってきます。

リングを製作してからの彫金もロウ付けで加熱しているのである程度柔らかくなっている前提でタガネを叩く必要が出てきます。

それらを考えてわざわざシルバーを彫るメリットはないので銅板を使って練習したほうが安定したクオリティの練習ができます。

シルバーはコストが高い

2024年7月14日現在シルバーのグラム当たりの金額が上がり続けているのでシルバーを練習用の金属として使用するのは現実的ではありません。

銅板や真鍮板はホームセンターで非常に安価に購入できます。

0.6mm程度の厚みがあれば彫金の練習は問題なくできるのでコストの節約に適しています。

田中貴金属のサイトを確認すると銀の単価の上がり具合に驚くので一度確認してみることをお勧めします。

シルバーは彫金タガネの刃が破損しやすい

彫金タガネで金属を彫る時粘りのある金属は彫っていてタガネの刃が破損しやすい性質があります。

これと同じようにアルミは非常に安価なので彫金タガネの練習に適していますがダイキャストの構造上彫金タガネが破損しやすくなります。

銅や真鍮は金属の硬さのみを考えて彫ればいいので練習しやすい金属だと言えます。

またニッケルシルバー(洋白)は彫っている感触として非常に粘りが少なく硬いのでこれはこれで破損しやすいです。

彫り比べてみるとわかりやすいので気になる方は試してみましょう。

基本的な練習方法はこちらからご覧ください。

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この記事を書いた人

上谷 俊介のアバター 上谷 俊介 彫金師

彫金萬代表、彫金ブランド「IMULTA」を運営しています。

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