YOUTUBEの彫金動画への質問よく使うタガネの形と意図、デザインの考え方・立体化の基礎

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今回は6/1頃に行った配信にコメントで質問をいただいたので簡単に解説します。

詳しい内容はメンバーシップ限定動画で解説しますのでそちらをご覧ください。

質問内容は以下の通り

  • よく使うタガネの先端映像と、その意図
  • あるデザイン(例えば写真(色付き)など)を彫金するまでのデザイン起こしとその考え方
  • だしたがねと、それを使った立体化の基礎
目次

よく使うタガネの先端映像とその意図

よく使うタガネとその意図という点でまず最初に考える必要があるのは、彫る対象に適したタガネになっているかという事です。

なので意図が先に来て、その時彫る対象に対してよく使うかどうかという事になります。

例えば非常に硬い金属を彫る時は少し先端を鈍角にした刃先にしたり、刃先の欠けやすさよりも非常に細い線を彫ることを優先するのであれば先端をかなり鋭角にして尖った刃先にします。

先端の映像に関しては動画を参照。(準備中)

仮に現在銅板に彫金しているのであればタガネの刃先の形を気にする必要はありません。

過去の彫金実演配信で回答したようにアルミを彫る時は、彫った後にタガネの刃先に金属の小さなかけらが付着していることがあるので刃先が破損しやすくなります。

先端がピンピンに尖った刃先と鈍角の刃先、両方の先端に小さな金属のかけらが付着したときどちらが欠けやすいでしょうか?

想像までもなく欠けやすいのは鋭角な刃先です。

タガネを丁寧に叩けば問題ないという事を言う人もいるかもしれませんが、解説しているのは「鋭角と鈍角の刃先で欠けやすい刃先はどちらか。」という物理的な話をしているので、技術的な話持ち出す方はまずは国語を勉強してください。

技術的も大事ですが、また別の話です。

欠けやすいかどうか彫りやすいかどうかという点を考えてタガネの刃先は作ります。

自分の技術でカバーできるから問題ないのであればそれを加味して成形すればいいだけの話です。

  • 毛彫りタガネ
  • 片切りタガネ

当然ながら頻繁に使うタガネはこの二つです。

丸彫りタガネはあまり使用しません。

あるデザイン(例えば写真(色付き)など)を彫金するまでのデザイン起こしとその考え方

これは依頼で写真や決まったデザインを渡された際の彫り方、陰影が必要になる場合の彫り方、デザインの起こし方ととらえてうえで回答します。

これも過去の彫金実演配信の中で回答しました通り点描や線の密度で陰影をつけていきます。

陰影に関してはグレースケールを作り、絵をグリッドで区切ったうえでそれぞれの陰影の濃さについてスケール通りに変えていきます。

考え方というのがよくわかりませんが、写実的に彫る時と何かの対象を意匠化して彫る場合では全く違います。

例えばデザインの周りを何かしらのモチーフで囲んで彫る、デザインするという場合でもミル(ナナコ)で囲むだけなのかメアンダーのような柄にするかというのはオーナー様のご希望によって大きく違ってきます。

こればかりは依頼主の方とのすり合わせ次第なのでこちらの考え方ひとつでは決められません。

おまかせの場合も彫る対象の強度が前提になるので、強度的に問題のないデザインをするという事を心がけます。

素材によっては一気に深く彫ると亀裂が入る可能性が高いものもあるため、深く彫る必要があっても一発では彫らずに二度三度に分けて彫る必要があります。

まれに和彫りは一発で深く彫れることが魅力で二度彫りはしないという意見を聞きますが、それは毎回強度のしっかりしたものだけを彫っている方の意見です。

私のようにいろんな種類のものを依頼される人間としては深く彫れることは魅力ではあるものの二度彫りはしないという考え方はありえません。

破損したら元も子もありませんからね。

だしたがねと、それを使った立体化の基礎

だしたがねを使って立体的なものを打ち出す場合は必要な形のものを次々と加工して作っていきます。

一本あたりはたいして高くないのでバンバン作っていき言うイメージです。

インディアンジュエリーで使用するようなスタンプを作ることも作業が楽しくなるので非常にお勧めです。

しかし立体化の基礎という事であれば、まずはどのような松脂に固定してどのぐらいの強さで叩けばどのように形が変わるかという事を覚えると覚えるのが早くなります。

彫るためだけであれば、彫る対象に十分な強度があれば松脂は最低限固定できれば問題ありません。

打ち出して立体化するのであれば松脂の硬さが必要になるので自分で松脂を煮て調節できるようになる必要があります。

そのうえでまずは銅板をなまして試しましょう。

「なます」とはしっかりと熱した金属を急冷して加工しやすくすることです。

最初は薄い銅板を使ったほうがいいと考えています。

「金属が手作業で叩いて変形する。」という認識が普通はあまりないと思うので、まずは変形しやすいものを使用することで難易度を下げます。

ホームセンターであれば0.3mmの銅板3枚組のようなものが売っていると思いますので、それでもかまいません。

0.6mmの厚みを超えるぐらいから段々とうまくいかないと感じる部分が出てくると思います。

作業環境に関してはこちらでは何とも言えませんが1mm程度の厚みの銅板をしっかりと打ち出すとなってくると結構強く叩く必要が出てくるので、近所迷惑になるような環境の方にはお勧めできません。

だしたがねの成形は最初は変に凝ったものではなく坊主タガネでも棗タガネでもとにかく単純な形のものを作りません。

縁を寄せるための寄せタガネなんかは慣れないうちは作るだけで大変なので後回しにすることをおすすめしますし、最初のころはそもそも使いどころがありません。

現在展示化に出すもののデザインで手が埋まっているので時間はかかりますが後日動画を作ります。

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この記事を書いた人

上谷 俊介のアバター 上谷 俊介 彫金師

彫金萬代表、彫金ブランド「IMULTA」を運営しています。

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