今回は過去の彫金実演配信でいただいた質問への回答です。
今回のお題はメンバーシップに登録している方の彫った絵に対して「こうしたほうがよくなる。」というフィードバックです。
詳しい内容はメンバーシップ限定動画にアップします。
メンバーシップに登録されている方なのでインスタのDMで送ってもらった画像を見て回答しています。
彫った絵を立体的に見せるように彫る方法
彫金でえを彫って立体的に見せるには彫る線自体の太さや深さも重要ですが基本的に段取りと知識が必要になります。
過去の片切りタガネの使い方を解説した記事で絵の内側に刃を傾けるか外側に刃を傾けるかで変わってくると紹介しています。
それに加えて色んなモチーフが組み合わさっていたり人物や動物、服の模様をなどが含まれてくると彫る段取り自体が重要になるので彫る前にどのように彫るかを決めてから彫り始める必要があります。
どのぐらい前に出ているか、目立たせたいかで彫り方を統一する
立体的であるにせよ平面的に見せるにせよ。
彫った線が統一されていないとゴチャゴチャして見えるのでそもそも絵としてきれいに見えません。

画像のように墨を入れるのであればそれほど考える必要はありませんが最低限は必要です。
DMで見たものは墨入れをしていないので墨入れ無しで見せる彫り方をしたいの場合は特に刃の向きが重要になります。

この画像の彫金のように狐面と顔の遠近がわかったうえであごの部分を少し深く彫ることで顔自体にも目が行くように彫るなど一つの輪郭線でも彫り分けることもポイントになってきます。
ただ複数の彫り方を混ぜて彫ると最初は混乱するので、まずは同じ奥行きにあるものの線は太さと深さを統一するという事を意識して彫るとやりやすいです。
DMの画像を見る限りまだ「何を前提として彫っていいか」というのがわからない状態のようなので、一度明確なルールを一つだけ設けてそれを基準に彫ってみましょう。
服の模様などは毛彫りタガネで彫る
服の模様などは毛彫りタガネで細く彫りましょう。
片切りタガネでもどちらの傾けるかというのをちゃんと考えて細く彫れば問題ないのですが混乱のもとになるのですっきり見せるために毛彫りで極力細く線を彫ることをポイントにして模様を彫金しましょう。
それぞれの線の彫り方を統一すると彫る段取りを考えやすくなるので作業がスムーズになります。
初心者のうちは彫りながら「ここはこの向きで彫ろう。」と考えて彫るのは不可能です。
中にはとんでもない才能を開花させる人がいるとは思いますが普通は収拾がつかなくなってぐちゃぐちゃになっていきます。
彫金していない部分とのバランスを考える
彫金する際は彫った線のクオリティが気になりますが絵を彫る場合は彫っていない部分とのバランス重要です。
墨入れ無しの場合は特に彫った面がキラキラと光ったうえですっきり見せないといけないので緻密に彫りすぎると単純に見づらくなる場合もあります。
狭い範囲のきれいに彫る技術はそれはそれで大事ですがそれはそれです。

太く彫った場合きれいに見せるにはある程度の余白が必要になります。
また面積によっては極端に細い線を近くに彫ることで太い線はより印象的に見えます。
逆にハワイアンジュエリーで言うところのダイヤカットのように彫った面の頂点を合わせる彫り方は物理的に立体的に見えるようにはなりますが絵を彫る場合は主張が強くなりすぎるので使いどころが難しくなります。
まずは基本的な波線彫りの練習から
手軽にうまくなる方法を知りたい人には残念ですが基本的な波線彫りをひたすら練習することをお勧めします。
最初に絵を基準に練習すると基本のタガネの回し方が身につく前に絵の線に従ってまげて汚く彫る癖がつくので最初は基本的なタガネの動かし方を身に着けるために波線彫りを練習しましょう。
太さと深さを言っていいに彫れるようになると今度はところどころ浅く彫ったり深く彫ったりと自由に彫れるようになるため段々とちょうどいい密度の彫り方がわかるようになります。
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