こんにちはIMULTA(イムルタ)彫金師の上谷です。
独学で彫金を始めて15年たちまして現在はIMULTAという自分のブランドを立ち上げて彫金師をやっています。
お仕事の依頼などは下のアドレスからお問い合わせください。コメントからでも結構です。
handmade-jewelry@choukinyorozu.com
屋号が彫金萬(ちょうきんよろず)なのでドメインに入っています。
今日のテーマは「彫り」です。
あまり一般的とは言えませんが彫金をやってみたいという方の一番知りたい部分になるのではないでしょうか。
「彫り」
私のショップやSNS投稿を
「見たことがある」という方はご存知だと思いますが
このページの冒頭でも書いたとおり私は金属の表面に模様を彫りこんでいくのが得意な彫金師です。


↑こんな感じでいろんなものに彫ってます。
素材はステンレス・チタン・ダマスカス鋼への彫金も可能です。
ステンレスなど硬度の高い金属への彫金は
通常の彫金技術に加えて高硬度の金属を彫るための技術がいるため
施工できる職人は少なく非常に難しい装飾技法になります。
技術は色々なので一気に紹介するのは難しいですが、
基本的なものから紹介していきたいと思います。
タガネ(鏨)
このページで紹介するタガネはすべて超硬タガネです。
※超硬タガネはタングステン合金でできている物をそう呼びます。他にはハイス鋼(ハイスピードスチールの略)、炭素鋼のタガネがあります。硬度の高い金属ほど粘りが少なくなるので欠けやすくなります。
●毛彫りタガネ
彫ると彫り跡がV字になるタガネです。
直線を彫ったり、宝石を彫って留める時の爪を立てる作業で多用します。
彫り方云々よりもタガネを研いで刃先の角度や刃の鋭さを調節するのが大事になるタガネです。
毛彫りタガネについて書いたブログに書いてありますが曲線を彫る用の毛彫りタガネもあります。

↓練習方法はいくつかのページに分かれているのでこちらのカテゴリーからご覧ください。
↑超硬タガネ(タングステン鋼)は研ぐのが大変です。慣れている人間で1本完全に仕上げるのに2時間ぐらいかかります、
私が研ぎを始めたばかりの頃は研ぐだけで半日潰れていました。
なので
ステンレス製品やチタン製品など高硬度の金属を彫る必要がない方にはハイス鋼がオススメです。
●片切りタガネ
刃を斜めに入れて彫っていくタガネで、木工の彫刻刀で言う「平刀」と似たような形をしています。汎用性の高いタガネで、ありとあらゆるシチュエーションで使います。
私が一番使うタガネで、本数も他と比べて物にならないぐらい所有しています。

●甲すくいタガネ
彫った跡がU字になるタガネです。
呼び方は人によって違って「丸毛彫り」「丸彫り」と呼ぶ人もいます。
伝統的な模様の中にはこれでないと彫れない模様もあり、
全体的に使用するとなんともいえない独特な雰囲気を持った文様が彫れます。
あまりないですが石留めの爪の成形に使ったりもします、これはめったにないですけどね。

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●魚子(ななこ)タガネ
先端が丸く窪んだタガネです、以前のブログにも登場しましたね^^
ミルタガネとも呼びます。
毛彫りタガネで立てた爪の先端を丸めたり、模様の陰影を打つのに使ったりと結構使用頻度が高いです。


模様周りのポツポツは全部一粒ずつ魚子タガネで打って装飾してます。↓
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●滑めくりタガネ
これは人によって呼び方が違いますが叩いた面を滑らかに整えたりと造形に使うタガネです。立体的にしたい時は片切りタガネなどで彫った後にすごい使います。作りたい形に応じて自分で作るので市販のものはないです。
※一応「棗タガネじゃないのか。」とかあると思いますが、「鏨の華」の展示会でこのまとめ方になっていたのでそれを踏襲しています。
上記のタガネを使う彫りは総じて「和彫り」と呼ばれます。
じゃあ「洋彫り」もあるのか?って言うと、、あります。
洋彫り
簡単な違いは金槌で叩いて彫るか、手で押して彫るかです^^

洋彫りは今は機械式が主流ですね、金属がバターのように彫れます。
少しは齧ってますが専門ではないので洋彫りは割愛しますね、スミマセン(笑)
どっちかというと洋彫りのほうが教材とか豊富なので始めやすいですよ、機会があったらどうぞ。
和彫りは金槌でタガネを叩いて彫る方法です。
↑こんな感じ。これ私です。
古くは鎌倉・室町時代からあるそうで、元々は刀の装飾や兜の装飾なんかに使われていたようです。
「彫金」という名前が確立してなくて金属に線を彫る技術という事だと奈良時代からあるんですって。
タガネは「鉄筆」と呼ばれていたこともありまして、筆のように絵を描くことができます。
今は鉄筆というとケガキのことを指しますね。→なんで変わったの?→知らない。
陰影を彫り分ける事で美しく仕上げます。
平面的な仕上げのものは浮き上がって見えるように彫れるのが持ち味ですね。
また立体的に作ったものも様々な角度で彫ることで表情を与える事ができます。

↑彫った感じはこんな感じです。これは片切りタガネ1本で全部彫ってます^^
その日その日で湿度とかの影響を受けるので必ず本番の彫りをやる前に状態確認の練習彫りをします。
今回紹介したタガネ以外のもたくさん種類があるので
まだまだお話したいですが今回はこの辺で
次回も彫りについてお話したいと思います♪
真鍮のアクセサリーの作り方を知りたい方はこちら
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シルバーの加工には他にも様々な方法があります。
IMULTA(@imulta_jewelry)でした。

このように金属に、模様を彫り入れる仕事をしています。
彫金のオーダーもお待ちしております。
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