自宅で彫金する場合、作業台をどういったものを準備したらいいか?

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こんにちは彫金師の上谷です。

今回は「自宅で彫金をやる場合どういったもの作業台を準備したほうが良いか。」というのを解説していきます。

今回の記事のポイント

  • どんなアクセサリーまたはジュエリーを作りたいか?
  • どんな作業をしたいか?(彫金・鍛金・ワックスモデリングなど)

何を作りたいかによって作業や必要な工具が変わってきます。

まずはあれもこれも買いそろえるのではなく必要なものが何かを検討しましょう。

過去の記事で解説した内容と重複する部分がありますが、アクセサリーの作り方を紹介している時と同じように上記の条件によって用意するべき&した方がいいものが変わってきます。

そこら辺をまとめて「〇〇の作業をしたいのであればこんな感じの作業台がオススメですよ。」というのを紹介します。

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目次

自宅で彫金をやる時に必要な作業台

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パーツを組み合わせるだけのアクセサリー製作と同じ感覚で、リビングのテーブルで気軽に行う事が出来ると考えている方(複数)から、このブログに質問をいただいた事があるのですが、自宅で彫金をやりたい場合は彫金を行う用の作業台が必要になります。

基本的に作業台=机です。

彫金専門の作業台(机)が必要になるかどうか?

工具屋で販売されている彫金専用の机はそれなりのお値段なので、自宅で彫金を独学したいという方が最初に気になるのはこれでしょう。

彫金専用の彫金台が必要か作業別

  • 彫金(模様彫り)→ 専用の机は不要、和彫りの場合は本当に要らない。彫金台(彫刻台)にお金をかけるべき
  • 鍛金(金属を叩いて形を変える作業)→ 専用の机は不要、叩く際の土台になる切り株や金床(アンビル)を買うのが重要。
  • ワックスモデリング → あった方がいい(なくても可能)。※普通の机にワックスの削りカス受けをDIYで自作できるのであれば不要。

あくまで個人的な経験をもとにしていますが彫金専用の机はそこまで必要ではありません。

作業をしやすくするために多少のDIYは必要になりますが、本ブログで紹介している彫金の技法は全て彫金専門の作業台(机)が無くてもできます。

それではそれぞれ解説していきましょう。

そのほかこちらの記事では趣味レベルで挑戦しやすい素材を、金属の種類別・製作の難易度やパーツの入手しやすさなどを加味してランキング形式で紹介しています。

彫金(模様を彫る)作業がやりたい場合、彫金専用の作業台は不要。

彫金台にセットした松脂
彫金台(机)

まず独学でやってきてプロになった筆者がそもそも彫金専用の机を使っていませんでした。(※始めた頃はそんなものがあることすら知らなかった。)

ニトリとかで売ってる普通の机で大丈夫。

ロウ付けの道具(耐火レンガなど)を机に置く予定があるのであれば耐荷重量がシッカリしたものにしましょう。

過去のブログのどこかにも書いたと思いますが、筆者が独学を始めてから現在でも使っているメインの机は、オフィス事務用品の中古屋で買ってきた木製の机(机5000円、椅子2000円)です。(※片袖付き)

現在では作業の都合上、彫金専用の作業台が追加で部屋にありますが15年以上中古のオフィス机でやってきているので、「これから彫金を独学で始めたいです。」という人に、彫りをやるために彫金専用の作業台が必要かどうかを聞かれたら確実に「必要ない。」と答えます。

特に筆者がお仕事でやっている「和彫り」は、彫金専用をうたっている作業台だと作業面が高すぎて逆にやりにくいので確実に必要ありません。

「模様を彫りたい」という方は机ではなく彫金台にお金をかけましょう。

「彫り」は彫金する対象をきちんと固定することが肝になるので、安い彫金台で済ませようとすると単純にできません。※「技術が習熟しにくい」ではなく出来ないです。

一般的に彫金専用の作業台で行うのは洋彫りなので和彫りをやりたい方には完全に不要です。

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机にお金をかけるぐらいであれば重くてきっちりと彫金対象を固定するための彫金台にお金をかけましょう。

彫金台
彫金台(彫刻台)

筆者が所持しているものは二つ。

上の画像のものは12キロぐらいあり、彫金を始めた際に何もわからずに勘で購入したHARP製の彫刻台でも5キロ程度はあります。

彫金台にはサイズがいろいろありますが1万円ぐらいの小さいものは洋彫り用なので、和彫りには使えないので注意が必要です。

和彫りは金づちでタガネを叩いて彫り進めるため、叩いた時に動かないぐらいの重さがあるものでないと出来ません。

※購入する前に自分が希望している用途にあった工具かを販売店に必ず確認しましょう。

洋彫りの場合は基本的に片手(利き手ではない方の手)で彫金台を抑えて彫るので彫金台の重さはそこまで重要ではありません。

フィレンツェ彫りでは木バイスにモデリングコンパウンドを挟んで手で持って彫る方法もあるので、極端なことを言えば洋彫りの場合彫金台は無くても彫る事が可能です。(※木バイスを使用する方法は洋彫りタガネの使用に慣れないうちは手をザクザク刺してしまうので初心者にはオススメしません。)

彫金の練習方法はこちらをご覧ください。

鍛金、金属を叩いて成型する作業をしたいのであれば彫金専用の机は不要

鍛金をやりたいのであれば彫金専用の机は必要ありません。

机よりも金属を叩くために必要な切り株やアンビル(金床)を用意しましょう。

叩く前の金属を切り出す場合でも普通の机で充分に作業が出来るので専用の机である必要性はありません。

鍛金に使用する「切り株」は買ってすぐに手に入らない場合がある。

鍛金に使用する切り株は乾燥させるのに時間がかかるようで受注生産になっていることがあります。

いざ工具屋で購入してすぐに家に届かないという事もあるので購入する場合はどのぐらいの期間で手元に来るか確認が必要です。

また「簡単な刻印を打つ」程度であれば普通の彫金台にヒートクレイを挟めば作業可能なので切り株は必要ありません。

今回は彫金に関してなので細かくは割愛します。

ただ鍛金は作業音が大きいので一般的な都市部の住宅街・集合住宅で行うのは現実的ではありません。

刻印を打つ場合に使用するヒートクレイなどの使用方法はこちらの記事をご覧ください。

ヒートクレイ意外に松脂やモデリングコンパウンドを使用する方法もあります。

ワックスモデリングをするのであれば彫金専用の机があってもいいかもしれない。

前提として言っておきたいのは「彫金専用の机が無くてもできる」という事です。

彫金専用の机というのは作業したときに落ちるワックスの削りカスを受ける引き出しがあります。

これは非常に便利なので専用机を買ってもいいかもしれませんが、ワックスの削りカスの受け皿をDIYで作れるのであれば必要ありません。(※結構簡単に作れます。)

ワックスの削りカスの受け皿になるステンレスの大きめのバットはAmazonやホームセンターで購入可能です。

シッカリと寸法を確認してから購入しましょう。

工夫でどうにでもなる作業環境。

研磨ボックス
研磨ボックス

過去の記事で段ボール製の研磨ボックス(上の画像)を紹介したように自分なりに環境を整えるのであれば、どうしても専用の机を用意しなくてはいけないという事ありません。

上の画像はAmazonの段ボールと下敷きを使って製作した研磨ボックスで、左右に穴が開いていて手を突っ込んで作業ができます。

この中で作業をすればワックスの作業カスが飛び散る事はないので粉塵やホコリに悩まされることはありません。

市販のものでも1000~2000円ぐらいであるのでこういったものを買うと、専用の机を購入するのに比べたら費用&スペース的にかなりハードルが下がるはずです。

粉塵対策は健康に直結するので、これから彫金に挑戦する方は軽視しない事をオススメします。

特に粉が舞いやすい作業をする方は作業ボックスや集塵機の購入をオススメします。

過去に「この工具を使った作業をリビングで行っても子供の健康に問題はないか。」という質問をいただいた事がありますが、他の記事で粉塵が出やすい工具など紹介しております。

そういった内容はご自身でお考え下さい。

ご自身で考えて作業が出来ない方は止めた方がいいと思います。

彫金は環境づくり重要で、どのような環境で独学を始めるかで作業のしやすさと習熟のスピードが大きく変わってきます。

すり板が必要

ワックスモデリングや糸鋸作業にどうしても必要な工具として「すり板」があります。

これはどんな机を使おうが必要になります。

一般的ににこういった新品を買ってから電動ドリルや糸鋸を使って自分なりに改造していきます。

すり板にワックスを当ててゴリゴリとヤスリで削るのでこれが無いと作業が出来ません。(※出来ないレベルでやりづらい。)

効率的に削るにはすり板と作業に適した工具が必要です。

すり板も安いものであれば1000円しないので、一から自分で作るより買ったほうがいいです。

彫金をやるには何が必要なの?

結論としては普通の机あれば彫金作業はできます。

  • 彫金(模様彫り)だけをしたいのであればすり板も不要、彫金台とタガネを彫りましょう。
  • 鍛金がやりたいのであれば切り株と金床(アンビル)が必要、刻印を打ちたい程度であれば小さな彫金台で充分。
  • ワックスモデリングは普通の机とすり板が必要。

いずれの作業も粉塵や削りカス対策は必要になります。

「とりあえずちょっとやってみたい。」ぐらいであれば彫金専用の机は全く必要ありません。

それぞれの製作方法は本ブログの各記事で紹介しているのでご覧ください。

特に独学でやってきたがゆえの失敗や改善方法の発見も解説しているので読んでおくと無駄なケガをしないで済むかもしれません。

IMULTAでした。

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独学で彫金を続けてきて躓いた点と解決したポイントはこちらの記事をご覧ください。

これから彫金の独学を始めるにあたっての基本的な知識はこちら

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この記事を書いた人

上谷 俊介のアバター 上谷 俊介 彫金師

彫金萬代表、彫金ブランド「IMULTA」を運営しています。

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