今回の読む彫金教室は「シルバーアクセサリーの作り方、ロストワックスで初心者向けの簡単な指輪を作る」。
いつも地金をそのまま加工する彫金を紹介していますが今回はロストワックス製法でのシルバーアクセサリーの作り方を紹介します。
色んな方法を載せると難しいのでまずは初心者向けに出来るだけ簡単な作り方にしました。
※今回の作り方は「機械工具のリューターを持っていない初心者がすべて手作業でシルバーのリングを作る」という前提で工具は紹介しています。
今回はシルバーアクセサリー作りの初心者に向けて書かせていただいているので道具やワックスの特性なども説明します。
ワックスモデリングに使用する一般的な道具の紹介は別記事をご確認ください。
ワックスモデリングと彫金技法で製作されたIMULTAのシルバアクセサリーはこちらから
ワックスを使用したシルバーリング作りの作業工程を紹介(初心者向け)

ワックスでシルバーアクセサリーの作り方は
- ワックスを削る
- ワックスを溶かして盛りつける
大まかにこの2つ。
ただ溶かしたワックスを盛るなどの作業は色々と工具が必要になってきますので、今回は初心者向けの簡単な作り方として「ワックスを削る」のみで製作します。
ワックスモデリングに使用するワックスの種類や特徴は以下の記事をご覧ください。

シルバーリング作りで使用する工具の紹介
・ワックスモデリングに必要な工具
- ワックス用糸鋸
- リーマー
- やすり
- スパチュラ → 家に彫刻刀があればある程度代用できます。(裏抜きがめんどくさくなるけど)
- 紙やすり
- スポンジヤスリ
- 綿棒
材料はチューブワックスのみです。
ワックスを使用したシルバーリング作りの作業工程を紹介(初心者向け)
- チューブワックスを糸鋸で切り出す。
- リーマーで指輪のサイズを調整する
- ヤスリで削る
- スパチュラで内側を削る→やらなくてもOK
- 紙やすり・スポンジヤスリ・綿棒でワックスの表面を整える
出来るだけ工程を少なくしてみました。
重さなどを気にしないのであれば4番目の「スパチュラで内側を削る」はやらなくてもいいので最短で4工程になります。
これは初心者あるある(実体験をもとに書いてます)。
それではそれぞれの工程を解説していきましょう。
チューブワックスを糸鋸で切り出す。
チューブワックスを糸鋸で切り出します。
ワックスを切り出すための糸鋸はシルバーなどの金属を切る用のものとは別に「ワックス用の糸鋸刃」があります。
最初は慎重にやっても狙った通りには切れないと思うので印を付けたところからかなり余裕を持って切るのがオススメです。
溶かしたワックスの使って修正できるようであれば多少失敗しても問題ありませんが、わざわざ修正するのは非常にめんどくさいので大きめに切り出した方が間違いなく楽です。
地金を切る用の糸鋸でもワックスを切ることは可能
地金用の糸鋸でもワックスを切ることは可能です。
しかし切削面が熱を持ちやすく糸鋸の刃に溶けたワックスが詰まりやすくなるので注意が必要です。
ムキになって高速でギコギコやると作業面のワックスが溶けだして糸鋸の目に詰まります。

高速で糸鋸を動かして切ってる途中で疲れて糸鋸を止めると、溶けたワックスが固まって糸鋸が動かなくなるのでイラっと来るよ。
のんびり切った方が早く切れることもあるので気楽にやろうね。
要するに地金用の鋸刃でワックスを切るのであればのんびり切りましょう。




リーマーで指輪のサイズを調整する


画像の左の工具がリーマー。
チューブワックスの中に差し込んで回しながら内側を削っていきます。
また始めたばかりの頃は内側を削り過ぎることが多々あるのでちょっと削ったらサイズ棒でどのぐらい大きくなったかを確認しましょう。


目盛りがついているタイプのリーマーであれば確認しながらサイズ調節が可能です。
ただ通常のリーマーよりもお値段がちょっとお高め。
私はサイズ棒(リングのサイズを測る棒)を持っていたので目盛り付きのリーマーは買いませんでした。
チューブワックスをヤスリで削る


内側のサイズを調整したら表面をヤスリで削っていきます。
この後の工程で紙やすりやスポンジヤスリで表面を整えるのでこの段階では粗めのヤスリでザクザク削ると効率よく作業が進みます。
ハンドメイドをやっている方で「小さいヤスリの方がいいですか?」という質問をいただくことがあるのですが、目の細かい小さいヤスリの場合、削ったワックスがヤスリ目に詰まりやすいので削りにくくなることがあります。
少し削るのであれば小さなヤスリでも問題ありませんが、大きく形を変える場合は大きく目の荒いヤスリを用意しておいた方がいいです。
木工用の目の粗いヤスリがワックスモデリングに向いているので、継続してワックス造形をやる予定の方は専用のものを買っておくと快適に作業できます。


スパチュラで内側を削る


大体の形ができてきたら内側を削っていきます。
最初に書きましたがリューターを持っていないハンドメイド初心者向けに書いているのでこの工程もスパチュラを使って地道に削っていきます。


手作業で削るのは非常に時間がかかりますが、力任せにやると修正のきかない失敗を招く原因になるので「ハンドメイドで手作業は時間がかかる」というのを念頭に置いてじっくり時間をかけて削っていきましょう。
他の記事で紹介したワックスペンを使用してガッと内側をえぐることも出来ますが慣れが必要。
「最近ハンドメイド始めました」という方には多分無理、でも天才なら出来る。
※料理をしたことない人がいきなりキレイなみじん切りを出来ないような感じです。料理したことなくても中にはめっちゃうまい人もいる。
地道な手作業は面倒かもしれませんがスパチュラを使った手作業で「あ~、これぐらいの力を入れたらこれぐらい削れるのか。」というのを掴んでおくと、その後リューターやワックスペンを使った時に上達が早くなります。
もし時間を短縮して効率的に作業したいのであればリューターを購入しましょう。
スパチュラの手作業では15分ぐらいかかりますがリューターを使用すれば3分以内には作業が完了します。
リューターを使用する場合は先端工具はラウンドカットなどを使います。
ラウンドカットの先端工具に関してはこちらをご覧ください。
紙やすり・スポンジヤスリ。綿棒を使ってワックスの表面を整える




紙やすり・スポンジヤスリ・綿棒を使ってワックスの表面を整えていきます。
整えるための道具を3つも挙げているので「どれを使ったらいいんだ!?」と聞こえてきそうですが、ヤスリの目の粗い物→目の細かい物の順で整えていきます。
使い古しのストッキングなどがあればなお良いのでですが一般的にすぐに使い古しのストッキングを揃えられる人も少ないと思います。
最後は綿棒で擦るといい感じに仕上げることが出来るのでお試しください。
※キャストに出した後は基本的に鋳造後の湯肌に、バレル研磨をかけられた状態のシルバーアクセサリーが手元に戻ってくるので、個人的にはここでそこまでキッチリ仕上げる必要はないと考えています。(バレル研磨が別料金の業者さんもいます。)
この最後の整える工程で重要なことは全体をキレイに整えることではなく(整えてもいいいけど)、汚れやすい部分・きちんとワックスを削れておらず白っぽく粉だらけになっている部分を整えるのがメインです。


指にはめてみて問題なければ完成です。
ワックスの削りカスは取っておく
ワックスを使ってアクセサリーを作るとメチャメチャ粉がたくさん出ます。
削りカスが散らかるの防ぐための工夫というのも必要になってきますが、削ったワックスの粉は再利用することができるのでひとまとめにしておくと非常にコスパがよくなります。
削ったワックスを再度塊にして再利用する方法はまた別の記事で紹介しています。
シルバーアクセサリーの作り方、ロストワックスで初心者向けの簡単な指輪を作る。まとめ
今回の読む彫金教室はチューブワックスを使ったシルバーアクセサリーの作り方を紹介しました。
初心者向けに出来るだけ工具を少なめにしたので時間のある時にお試しください。
次回はワックスポットなど工具の使い方も紹介したいと思います。


IMULTAでした。
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実際に作業をする前に見ておくといい動画はこちら↑
ワックスを盛る方法はこちらからご覧ください。


ワックス造形で透かし彫りをする場合は糸鋸の知識が大事なのでこちらの記事をご覧ください。


金属を切り出して真鍮・シルバーアクセサリーを作ってみたい方はこちらの記事をご覧ください。


またどんな作業をするかで必要な作業台の内容が変わってきます。
高額な彫金専用の作業台が必要がどうかで言うと正直筆者は「絶対必要とは言えない」と考えているので、始める前にしたの記事をご覧になって本当に彫金専用の作業台が必要になるか確認してみて下さい。
ほとんどの場合は普通のオフィス机で事足りるはずです。
IMULTAでした。





















