ワックスの造形に使う工具と、リューターの先端工具を使った工夫

ワックス用ヤスリ
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こんにちは彫金師の上谷です。

シルバーアクセサリーなどをワックスで作る時は蝋をヤスリやリューターを使って削っていくことになります。

ただヤスリと一口に言っても多くの種類があるのでどれを使ったらいいかわからないという方もいると思います。

今回は以下の内容を紹介していきます。

このヤスリめっちゃいい。

リューターでワックスを削るならこの先端工具が便利。

ヤスリと並行して糸鋸使うと便利だよね。

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目次

ワックス、ヤスリで削れてる? ワックスをザクザク削って造形するには。

青のモデリングワックス
ワックス(青)

ワックスでシルバーアクセサリーを作る時はワックスをゴリゴリと削っていきます。

筆者の場合は金工をやっていることもあって【ある程度の範囲で】ヤスリは金属加工で使用するものを併用しています。

金工用のヤスリ
金工用のヤスリ

ただ金工用のヤスリは基本的にヤスリの目が細かいのでワックスを削るには全く向きません。(最後仕上げるときに使ったりはします。)

ワックスを削る時に向いているのはめちゃめちゃ目の粗いヤスリ。

ワックス用ヤスリ
ワックス用ヤスリ

感覚的にこのヤスリは料理で使う鬼おろしぐらい目が粗いですね。

ワックスがガンガン削れますが、油断すると指をざっくりとやってしまうので注意が必要です。

製作の初期段階で大まかな造形をする時は作業が早くなるのでこのヤスリを使うことをオススメします。

目が粗いので仕上げの段階では使いません。

このヤスリはホームセンターでも気軽に購入できる工具なので専門工具に比べてかなり安価です。

しっかりとしたものを使いたい方は1本2000~3000円ぐらいのものを使いましょう。

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ワックス造形のスピードアップ、リューターでワックスを削る時に使用する先端工具

ジルコニアバー
ジルコニアバー

リューターでワックスを削る時に使用するのはオススメ先端工具はこちらのジルコニアバー。

「ジルコニアでできているのでワックスが溶けない。」というのは嘘で、グリグリと押し付け過ぎたら作業面が熱を持って溶けますが「溶けにくい」というのは本当。

金属加工用の先端工具と同じように表面積の大きいものが切削能力が高くなる先端工具です。

ただジルコニアバーはほかの先端工具に比べて割高。

値段の関係で過剰に期待してしまいますが、画像の真ん中にある細いジルコニアバーの切削能力は低めです。

しかし細かな部分まで削れるという点ではオススメの先端工具です。

金属加工用のドリルでもワックスを削ることができる。

彫金リューターで使用するドリルなどの先端工具
彫金リューターで使用するドリルなどの先端工具

金属を加工するときに使用するドリルの側面を使ってワックスを削ることもできるので、ドリルを研げない方でも摩耗した後のドリルを取っておくとワックス造形に転用できるので取っておきましょう。

今回紹介したほかにも金属加工用のリューターの先端工具はワックス造形に転用できます。

金属加工用の先端工具は刃が多く目が細かいのでぐりぐり押し付けると摩擦熱で溶けたワックスで目詰まりを起こすので「使いにくい」と感じる方もいると思いますが、お手入れしながら使えばワックス用の先端工具よりも安く使い勝手がよくなります。

下の記事で紹介しているリューターの先端工具(ビット)は金工用のものですがワックスの造形にも使用できます。

彫金で使用して切れ味が落ちたものでも十分ワックス造形には使用できるので捨てずにとっておきましょう。

造形中に溶けたワックスが先端工具やヤスリに目詰まりした時の対処法

あまりにぐりぐりと押し付けて摩擦熱で溶けたワックスが先端工具の刃の隙間に目詰まりした場合、取り除いてあげないと作業効率が著しく落ちます。

ワックスの粉が詰まっている程度であれば無理して使用することもできますが、作業の摩擦熱で溶けだしたワックスが詰まった状態で冷え固まっていると全く削れなくなります。

溶けたワックスが先端工具に目詰まりの対処に使用するアイテムは2つ

  • 歯ブラシ
  • 爪楊枝
  • ステンレスブラシ

家にあるもので簡単に対応できるのでめんどくさがらずにチマチマ掻き出すのがオススメです。(※ホントに)

先端工具に詰まったワックスの粉を掻き出す歯ブラシ

歯ブラシ
歯ブラシ

ヤスリやリューターの先端工具にワックスの粉が詰まったときは歯ブラシで逐一掻き出してやる必要があります。

多少詰まっている程度であれば軽くこするだけで取れるので苦にならないはずです。

摩擦熱で溶けたワックスが刃の隙間に挟まった場合は次に紹介する爪楊枝で対処できますが、先端工具の形状によっては非常に手間がかかるので歯ブラシでこまめにワックスの粉を除去したほうがはるかに効率的です。

刃の隙間に溶けて詰まった状態で冷え固まったワックスを除去する爪楊枝

爪楊枝
爪楊枝

詰まったワックスが溶けた状態で冷え固まってしまった場合は歯ブラシで掻き出すことが難しいので爪楊枝で砕くようにして除去します。

細い先端工具の場合、あまり力強くこすると折ってしまう可能性があるので力を入れすぎないようにこするのがポイントです。

ワックス作業と同じように金工で使用するヤスリも同じように目詰まりを起こすのでこまめに金属粉を掻き出すようにすると作業効率が上がります。

金属を削るために買っておくべき工具、用途別

ワックスを自分の思い通りに造形したいなら先端工具を自作する

ワックスの造形方法をいろいろと調べてみると「そんな工具どこに売ってるの??」という海外製の先端工具などが出て来たります。

ただそういった特殊な先端工具(ビット)は日本で販売されていない先端工具である可能性が高いことと自作したものである可能性が高いです。

個人輸入をすることも可能ですが購入するサイトによっては配送料などがばかにならないので、自作できる範囲のものであれば筆者の場合は自作しています。

仮に先述したジルコニアバーよりも細かく削りたいという時は真鍮棒などを自分で削って作った方がコスパよく作れます。

※「節約したいから作り方を教えてください。」という質問を多くいただきます。

残念ながら先端工具(ビット)を作るには作るための工具がそれなりに必要になります。

あらかじめ製作に必要な工具を持っていれば工夫して作れるという事であって、節約のために自作しましょうという事ではありません。

一からすべての工具を揃えるのであれば目的の工具を個人輸入したほうが安く済みます。

ワックスの細かいデザイン箇所を造形する時に使う糸鋸

↓動画の後半でワックス切削で折れた糸鋸の使い方を紹介しています。

高評価よろしくお願いします。動画に関する感想や質問は動画のコメント欄へお書きください。

ワックスを削って造形するときデザインによってはどうしてもヤスリの先端が入らないような部分があります。

そんな時は糸鋸を使って慎重にワックスを削っていきます。

金属原型にしてから整えるという手もありますが、ワックスの状態のほうが削りやすいのは言うまでもないので可能であれば手持ちの糸鋸の刃を使って造形の仕上げをします。

ワックス造形の工夫まとめ

今回紹介したワックス造形の工夫はこちら

造形の方法は人それぞれ違ってきますが、今回の工具を使用すると効率的に作業することができるのは間違いないので一度お試しください。

IMULTAでした。

独学でモデリングワックスに挑戦してみたい方はこちらの電子書籍をご覧ください。

ワックスの種類や必要な工具、作り方など基本的な内容を紹介しています。

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この記事を書いた人

上谷 俊介のアバター 上谷 俊介 彫金師

彫金萬代表、彫金ブランド「IMULTA」を運営しています。

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