こんにちは彫金師の上谷です。
今回はハンドメイドやDIYで金属などを削る時に使用するための工具を紹介していきます。
ものによっては金属だけでなく木材の切削に使用することもできるのでお好みで使い分けてみてください。
筆者の経験上「使える」と判断したものを紹介していますが、一つの道具で何でもかんでも使いまわせるわけではありませんのでご了承ください。
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金属を削る時は手動にするか電動にするか、どのように削りたいか。
- ハンドメイドアクセサリーの製作に使うのであれば小さなヤスリ
- ステンレスなど特に硬い金属を加工する時は専用のヤスリを使用する。
- しっかりと削りたいのであればガチガチに固定するのがオススメ。
- 電動で削りたいならパワーのあるリューター一択
- まとめ
「削る」という工程だけでなくすべての作業において「どのような用途で工具が必要か?」というのが非常に重要になります。
工具を選ぶ時の考え方(超重要)
極端な例えをすると名刺サイズの木材を切り出したいときにチェーンソーは使いませんよね。
チェーンソーアーティストの方が木材を繊細に削って仏像作ったりしますがそんな繊細な使い方は一般人にはできませんし、「細かく削る・彫る事」が目的であれば彫刻刀を使ったほうが圧倒的に簡単です。
ブログにいただく質問の中で「何にでも使える工具を教えてください」というのが少なからずありますが、そんな都合のいいものは筆者も知らないので見つけたら是非教えてください。
工具の購入の考え方はこちらの記事をご覧ください。
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削る対象の大きさによって選ぶ工具を変える
金属だけでなく削る対象の大きさから必要な工具を考えましょう。
例えば下の画像のヤスリは左右でサイズが全く違います。
小さなアクセサリーを削りたいのであれば右の小さいヤスリを使うことをオススメしますが、アクセサリーでもバングルのような大きなものの場合左側の大きなヤスリを使うべきです。
また傷消し程度であれば紙やすりやスポンジヤスリで充分な場合もあります。
金属・木材・樹脂など削る対象の材質によって選ぶ工具を変える
例として削る対象によってヤスリもそれぞれ適したものがあります。
ある程度は色々な材質に使いまわすことができますが木工用のヤスリと金工用のヤスリでは目の粗さや刃の形が違ってきます。
下の画像はわかりやすいように木工用のヤスリと金工用のヤスリの表面の画像を並べてみました。
木工用のヤスリは目詰まりを起こさないように刃が大きくなっており、金工用は金属に刃がかかりやすいように細かな刃が連続してついています。
木工用のヤスリは使い勝手がいいのでオススメですが小さいサイズのヤスリは少ししなりがあるので樹脂用に使っています。
金工用のものは持ち手を自分でつけるタイプがほとんどなので慣れてない人は使いにくいと思います。
使いやすさを求めるのであれば持ち手にゴムがついているものをオススメします。
ここで紹介した木工用ヤスリはワックスを削る作業に非常に適しているのでワックスモデリングでうまいこと削れないという方は大して高くないので試してみてください。※油断すると指がザックリいくので気を付けましょう。
ハンドメイドアクセサリーの製作に使うのであれば小さなヤスリ
ハンドメイドなどの場合は削る対象が細かいので小さなヤスリを使うことになります。
特にマイクロヤスリは当たりはずれがあるので実際に見て購入しましょう。
また金属用のヤスリは刃が細かい分目詰まりを起こしやすいので、こまめに真鍮ブラシなどで金属粉をかき出してやる必要があります。
筆者は詰まった金属粉を防錆油でふやかしながら歯ブラシで掻き出したりします。
また金属を削る場合は切削油を使うなどして作業状態をよくすることで工具の寿命が延びます。
お手頃価格で購入できる工具は切削油などを併用しなかった場合あっという間に使えなくなるので注意しましょう。
ヤスリで全然削れないんですけど何かコツありますか?
削りカスかき出したりお手入れしてますか?
…え? そんな事しなくちゃいけないんですか?
とあるイベントでこういったやり取りも普通にあったので削れない時はお手入れ不足の可能性もあります。
切削油にはラスペネを使いましょう。
ラスペネであれば防錆と切削促進の両方に使えます。
小さいサイズのもので1本買っておくと年単位で使う事が出来るので買っておきましょう。
ラスペネはDIYにも使用できるので彫金に飽きたとしても使い道があります。
また細かくしっかりと作業をしたいのであればそれなりの値段のヤスリを使うことをオススメします。
目詰まりがしにくいなど各メーカー色々とうたっていますが、絶対に目詰まりしないヤスリというのは物理的にあり得ないのでちゃんとお手入れをする前提を使いましょう。
錆びにくいことを売りにしているヤスリもあるので長く使うとしてどのヤスリを選ぶかは人それぞれです。
ステンレスなど特に硬い金属を加工する時は専用のヤスリを使用する。
一般の方が仕事でもないのにステンレスを削りたいという事はほとんどないと思いますが、万が一ステンレスを削りたいときはステンレス用のヤスリを使用しましょう。
当たり前ですがそれ以外のものの場合削れません。
ここまで木工用・金工用など紹介してきたように、技術どうこうではなく用途に合わせたヤスリを選ぶことが重要になるのでケチらずに買いましょう。
しっかりと削りたいのであればガチガチに固定するのがオススメ。
趣味レベルでここまでやる方はまずいないと思いますが正確に、精密に削りたいのであれば削る対象をしっかりと固定する必要があります。
これは樹脂やプラスチックを削る場合はほぼ行わないと思います。
筆者の場合は彫金台や木バイスで松脂・モデリングコンパウンド・ヒートクレイを使って固定しています。
これらの道具はホームセンターにはほぼ無いと思うので、もし家庭で使うのであれば固定用のバイス(万力)を使うのがオススメです。
意外にも高いものではないので気軽に変えてしまう工具ですがMaxでどのぐらい開口するか(挟むところがどのぐらい開くか)を必ず確認しましょう。
「こんなでかいのに全然開かんやんけ!!」というのがたまにあります。
また固定部が回るのは構いませんが角度を変えられるジョイント部分がボールタイプのフリーアングルバイスは固定が甘くなるので削る作業には向きません。
▼動画で見たい方はこちらからご覧ください。
電動で削りたいならパワーのあるリューター一択
もし金属を大きく削りたい、効率的に削りたいという事であればリューターの導入一択。
ほとんどの方が学生時代に電動のこぎりを使ったことがあると思いますが、電動工具はパワーとスピードが手動とはケタ違いです。
変にケチると削る作業途中にパワー不足でたびたび止まってしまうなどストレス満載の展開になるのでガンガン使いたい方は4万円ぐらいは使う前提で購入しましょう。
筆者がいつもオススメしているのはこちら
レビューで文句ばっかり言ってる人がいますが、はっきり言って使い方が悪い。
以前の記事でも書いた通りちゃんと使えば値段に比べて圧倒的に使いやすいリューターです。
先端に取り付ける工具(ビット)を取り換えて削る、穴を開ける、磨くなどの作業ができます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【リューターの先端工具(ビット)の使い方】ロールサンダーとシリコンポイントの種類
まとめ
今回は金属を削る作業に必要な工具について解説しました。
用途や削る対象によって使用するヤスリ・工具が違ってくるので参考までにご覧ください。
重要なポイントとしては金属を削る以上金属粉をかき出すなどのお手入れは必須になる他、切削状況をよくするために油を差すなどが必要になります。
金属の加工がスムーズにいかない場合はこれらのことに気を付けてみましょう。
- ハンドメイドアクセサリーの製作に使うのであれば小さなヤスリ
- ステンレスなど特に硬い金属を加工する時は専用のヤスリを使用する。
- しっかりと削りたいのであればガチガチに固定するのがオススメ。
- 電動で削りたいならパワーのあるリューター一択
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