こんにちはIMULTAの上谷です。
独学で彫金を始めて現在はプロとしてご飯を食べている彫金師です。
今回はシルバーアクセサリーの傷消しの方法を解説します。
普段使っているアクセサリーのお手入れからハンドメイドでアクセサリーを作っている方の研磨作業まで幅広く使う事が出来ます。
初心者の方が彫金の知識を増やすために役立つ電子書籍を用意しています。
シルバーアクセサリーの傷消し、傷だらけのアクセサリーをキレイにする。
シルバーアクセサリーの傷消しの方法は大まかに二つ
- 手作業で傷を消す。
- 機械を使って傷を消す。
もしくはその両方を組み合わせた方法で傷を消していきます。
今回は手作業で傷を消す方法に焦点を当てて解説していきます。
リューターを使った傷消しの方法を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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シルバーアクセサリーの傷消しには作業時間と手間がかかります。
シルバーアクセサリーにどの程度の傷が入っているかによって内容が変わりますが、傷消しにはそれなりの時間と手間がかかります。
また金ヤスリでしっかりと表面を削る場合もあるので、傷の深さとアクセサリーの厚みによっては消し切れない場合があります。
アクセサリーの傷を消すための道具
傷消しに必要な工具はこちら
あくまで一般的な道具に限定して紹介しています。
キサゲ以外の道具のすべてに共通しているのが目の粗い物から細かいものに変えて行って傷を消していくという事です。
紙やすり・金ヤスリ
シルバーアクセサリーの傷消しに使用する紙やすりと金属ヤスリのそれぞれについて紹介。
一番手に入りやすい紙ヤスリ
まずは紙やすり。
ホームセンターなどで購入できるので一番手に入りやすく購入費用がそこまでかかりません。
どこかに強く引っ掛けたなどではなく、日常生活でついた細かい傷であれば紙やすりで充分キレイにとることが出来ます。
1枚80円ぐらいで大きいのが買えるのでコスパも抜群です。
耐水ペーパー(紙やすり)をリューターと組み合わせて使う
耐水ペーパーとリューターを組み合わせてシルバーアクセサリーの傷消しを行う事も出来ます。
▼動画で見たい方はこちらからご覧ください。
リューターはプロクソンなどの安価なものでも代用可能です。
動画内で紹介していますが耐水ペーパーを挟むマンドレールが必要になります。
リューターで使用する先端工具に関してはこちらの記事をご覧ください。
シルバーアクセサリーの傷消しに使うには少し使い方にコツがいる金ヤスリ
アクセサリーの傷消しに使う金ヤスリは、上の画像のような目の細かくて小さいものを使います。
彫金で使える100均アイテムを紹介する記事で100均の金ヤスリを含めて紹介していますが、傷消しに使うとなると100均のヤスリはちょっと厳しいです。
なんで100均のヤスリは傷消しに使えないの??
- 品質が低くヤスリがしっかりかからない場合がある。
- 使ってすぐに削れなくなるものもあるため、安定した作業が出来ない。
- 目の粗い物から細かいものまで段階的にそろえる事がほぼ出来ない。
以上に理由から100均の金ヤスリは傷消しに不向きです。(全く使えないとは言ってません。)
専門的なヤスリでもそこまで高くないので、ちゃんとした工具屋さんの金ヤスリを買うことをオススメします。
金ヤスリで傷を消す場合は少しだけ技術(慣れ)が必要です。
使い始めのうちは逆に傷を増やしてしまう可能性もあるので気を付けましょう。
やすりの使い方にコツはあるの?
ありまぁす。
一発で傷を消そうとすると失敗します。
力いっぱい削ると傷が増えるだけで傷を消すことできません。
軽くこするように傷が消えているか確認しながら少しずつ削っていくのがコツです。
個人的にはスポンジ研磨剤や耐水ペーパーで整えた方が失敗がないので、金ヤスリでの傷とりはやらない方がいいと思います。
彫金で使用するには必須の工具ですが基本的に金属の整形に使用する工具なので、金ヤスリでしか消しきれない傷が入っているのであればその周りも合わせて削る必要があるので「お手軽なお手入れ」という感覚で使用するのはちょっと大変です。
多少専門的な道具を使うなどしてハンドメイドの入り口として使ってみたい、他の道具も検討したいという方はこちらの記事をご覧ください。
シルバーの曲面の傷取りに使いやすいスポンジ研磨材
スポンジ研磨材も非常にアクセサリーの傷消しに使いやすいアイテムの一つです。
ホームセンターでも買うことが出来て大き目のサイズで売っているので、全部使うことを考えたらコスパがいいです。
ワックスモデリングにも使う道具なので、お手入れとアクセサリー作りの両面で使用可能な優れもの。
スポンジ状でクニャクニャ曲がるため立体的なアクセサリーの傷消しに有効です。
画像一番手前の細目のスポンジ研磨材は「細目」と書いてありますが、#240で結構粗いので油断すると傷だらけになります。
これもなにか使い方にコツがあるの?
アクセサリーにスポンジ研磨材を押し付けて磨こうとすると一定の力で磨くのが難しいので、スポンジ研磨材にアクセサリーを押し付けて磨くと一定の力で磨きやすくなります。
またデザインの入り組んだ部分を磨く場合は小さく切ったものを爪楊枝で刺して使うと細かい作業にも対応できます。
これはワックスモデリングで傷が入りやすいワックスを仕上げるときの作業でも行います。
一番目の粗いものを使わなければ多少失敗したところで取り返しのつかない傷は入りません。
シルバーアクセサリーの細かい傷消しに適したラッピングフィルム・研磨フィルム
ちょっとお高めのラッピングフィルムと研磨フィルム。
一枚500円以上しますが非常に効果的で、使い方は紙やすりと一緒ですが完全に上位互換のアイテムです。
一番目の細かい#15000まで使って仕上げればほぼ鏡面仕上げになるので、もし手作業だけで仕上げたいのであればシルバーアクセサリーのお手入れ・磨きには欠かせないアイテムになります。
自宅でできる手作業でのシルバーアクセサリーのお手入れはこちらをご覧ください。
シルバーアクセサリーの傷消しに使う紙やすり、ラッピングフィルム、研磨フィルム共通の使い方
シルバーアクセサリーの傷消しに使用する紙やすりや研磨フィルムの使い方で共通してつける方法がこちら
細かい部分に使用する際や広い面に一定の力を加えやすく
シルバーの傷消しには割りばしと爪楊枝と組み合わせて使う
ひと手間かけて両面テープを使って紙やすりやラッピングフィルムを割りばしに巻き付けると簡易的なヤスリになります。
先端の砥粒が無くなってきたらカッターナイフなどで砥粒の無くなった先端部分を斜めに切り落せば繰り返し細かい部分を磨いていく事ができます。
研磨フィルムを金属板に貼り付ける
次に磨きたい対象自体を紙やすり・研磨フィルムにこすりつける方法。
金属板にスプレー糊で紙やすりなどを貼り付けて使うので、砥石で包丁を研ぐのをイメージしてみるとわかりやすいです。
力を入れた時に曲がらなければ木の板でもいいんですが、強く擦り付けた時にへこむような柔らかい木材(パイン材など)だとせっかく付けた紙やすりや研磨フィルムがへこんだ時に剥がれてしまう可能性があるので金属板のを使用するほうがオススメです。
めっちゃ使いやすい液体コンパウンド
車を持っていて洗車したことがある人であれば、絶対に使ったことがあるであろう液体コンパウンド
細かい傷であればあっという間に消すことが出来ます。
ガッツリと傷が入っているのでなければ液体コンパウンドだけで充分にキレイになります。
液体コンパウンドは「○○用」という表記をされているものがほとんどですが、色んな金属に使いまわせるのでそういった意味でも使いやすいアイテムです。
この記事で紹介している金属であれば全部使えます。↓
磨く前にキサゲで表面を削って傷を消す。
画像の一番右の道具がキサゲです。
これはプラモデルとかでもよく使われるのでスクレーパーと言った方がわかりやすいかもしれません。
筆者は粘りのある炭素鋼で出来たものを使用していますが、使うのにかなり慣れがいるので超硬(タングステン鋼)の方がいいと思います。
キサゲは頻繁に使っているとすぐに研ぐ必要が出てくるので、気軽に使いたいという方にはちょっと不向きな道具です。
ただキサゲを使って時間をかけて仕上げると雰囲気の全く違うアクセサリーになるので、一度使ってみてほしい工具です。
一段階高いアクセサリーを作りたい方は使ってみるのをオススメします。
シルバーアクセサリーの傷消し、傷だらけのアクセサリーをキレイにする。まとめ
アクセサリーは色々な道具を使って傷消しをすることが出来ます。
使うにあたって使用の難易度が変わってくるので自分が一番使いやすいものを選んで試してみてください。
イベントに参加する方はクレジット決済にsquareを用意しておきましょう。
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これからハンドメイドを始めようという方は真鍮以外のゴールドフィルドやシルバーを使用するうえで、金属の特性上のメリット・デメリットをまとめたこちらの電子書籍をご覧ください。
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シルバーアクセサリーの傷を消した後のお手入れ・研磨はこちらの記事をご覧ください。
真鍮アクセサリーのお手入れ方法はこちらの記事をご覧ください。
細かい部分をお手入れしたい場合はヘッドルーペを別途購入しておくと便利です。
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