こんにちはIMULTAの上谷です。
以前Twitterなどで「どんな本を見て勉強してきたのか??」という質問をいただいたので、私が彫金を独学で勉強するために使って来た本を4冊紹介します。(ワックス関係の本を2冊追加しました。)
もし独学で彫金をやりたいという方の参考になれば幸いです。
筆者は今回紹介する本以外も山ほど彫金の本を購入してきましたが、その中でも「本当に役立つ、内容を実践しやすい本」を紹介しています。
中には火を使うロウ付けやエッチング(腐食)に関して詳しく書いてあるものもあるので、シルバーアクセサリーなど金属アクセサリーの作り方を勉強してみたい方は読んでみるのをオススメします。
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プロの彫金師がオススメする彫金を独学するための本6選
▼動画で見たい方はこちらからご覧ください。
今回は彫金を独学するためにオススメの本を6冊紹介します。
シルバーアクセサリーや真鍮のアクセサリーの製作に非常に参考になる内容になっていますが、薬品の扱いや火事には十分注意してください。
これから彫金の独学を始めるという方は注意点に目を通してから行うことをオススメします。
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寄付する彫金を独学するうえで確認しておくこと
今回紹介する本をもとに彫金を行う上で注意が必要な内容があります。
- ロウ付け(火を使うので火災の危険があります。)
- エッチング(金属の腐食をさせる技法で有害な液体を使います。使用後のエッチング液(腐食液)は廃棄方法を誤ると罪に問われます。←本当です。)
- ヤニ付け(熱することでドロドロになる松脂を使います、肌に付着した場合深刻な火傷を負う可能性があります。)
上記のように有害なものや火を使う技法、ケガにつながりやすい技法を紹介する内容が含まれています。
これから紹介するそれぞれの本の中でも注意喚起がなされています。
本に載っている技法を行う場合はすべて自己責任で行ってください。
彫金師のバイブル「彫金と宝石の彫り留め技法」
まずは1冊目は彫金を独学でやる人、独学じゃなくても20代後半から30代後半の彫金関係の人はほぼ間違いなく持ってるバイブル。
このブログでも何回か紹介しているこちら
日本宝飾クラフト学院が出してる本です。
この本を紹介したツイートが結構反応ありまして
これから彫金を始める人は古本屋でこれ見つけたら買った方がいいですよ。 pic.twitter.com/dR6WO9HGKC
— IMULTA (イムルタ ) (@imulta_jewelry) July 29, 2019
「探してるけどないんです…。」とつぶやいてた方がいらっしゃいましたが、
Amazonに普通に売ってます^^;
元々通常の定価が3200円+税のところプレミアがついて最近はドンドン値段が上がってきているみたいですね。
ただ正直これは高くても納得なぐらい内容が充実しています。
嘘偽りなく私はこの本を読んで彫りを覚えましたしタガネも研げるようになりましたから。
要はこの本読んで練習すればこんなのが彫れるようになります。
簡単な学習方法にについてはこちらの記事から各記事をご覧ください。
もし「古本屋で格安で手に入れたいけど見つからない。」という事なら頑張って探すしかないですね^^
ちなみに「あったよ~。」という事でリンクを貼ってますが現在絶版の本なので売ってる人も当然中古品を売ってます。
売り切れた場合リンク先のページがなくなる可能性がありますが、売り切れてても筆者の責任ではありませんのでご了承ください。
「彫金と宝石の彫り留め技法」の絶版を知った経緯
この本の商品ページを見ていただくとわかるんですけどこの本はシリーズもので他に何冊かあります。
私は今まであまりワックスを触ってこなかったので、このシリーズのワックス造形の本を探した時に絶版になってることを知りました。
日本宝飾クラフト学院に直接電話して「ありませんか?」と聞いたら「出版元がつぶれたので絶版になった。」とのことでした。
ちなみにワックス造形の本は知り合いの廃業した彫金師の方から買いました。(お礼もかねて定価よりちょい高めで。)
買える時に買っておくのがオススメです。
今回は特に彫金を独学するための本と言うことですがワックスの扱い方を紹介した本もオススメです。
シルバーアクセサリーの作り方は彫金・鍛金・鋳金とありますが現代ではロストワックス(鋳金)が一番身近なものと言えると思うのでこれもいいと思います。
・2020年9月追記
最近ワックスモデリングの本として新しいものが日本宝飾クラフト学院さんから出ているのでこちらも紹介します。
絶版になった本と同じぐらい詳しい内容が書かれています。
ジュエリー制作の技法辞典(個人的には彫金入門にオススメ)
以前Twitterで紹介してちょっと盛り上がったのがこの本ですね。
私は知りませんでしたが数年前に話題になった本だそうです。
この本は表紙に紹介している技法の一覧が出ている通り、多くの内容を包括的に紹介しています。
悪く言うと「浅く広く」シルバーアクセサリーの作り方を紹介しています。
多少知識があるうえで読まないとわからない部分もありますが、それぞれの工程に必要な道具については細かく紹介しているので初心者にオススメです^^
留め具制作の部分だけ「どうしたん?なんでそこだけそんな詳しくやんのwww??」といったレベルで詳しく書いてあったりするので、読んでて「フフッ」となる部分もあり、私が今まで目にしたなかでは彫金の本でカシメ(リベット締め)について一番詳しく記載されていました。
またこの本の著者の方が海外の方で、アーティスト色が強い作品を記載しているので眺めてるだけでも面白いです。
この著者はアクリルや真鍮の緑青仕上げにラッカー塗装なんかも利用して常識に囚われないアメリカンな感じが新鮮でした^^
アメリカ人じゃないかもしれないけど。
お値段的に5000円以下なので普通に即決して買いました。(衝動買い)
「アクリルや真鍮の緑青仕上げにラッカー塗装なんかも利用して」と書いたとおり、シルバーアクセサリーの作り方だけでなく幅広く「モノづくり」をする発想を柔軟にしてくれるので多分今はこれが初心者に一番おすすめの本になるんじゃないかと思います。
ジュエラーのためのテクスチャー&装飾技法
実は2冊目に紹介した本と著者が一緒、ジンクス・マクグラスさん。
私はこの本を先に買っていて裏表紙のシリーズ本紹介で「ジュエリー制作の技法辞典」を知って買いました。
当たりの本を引いた時は、そのシリーズ本を攻めると大体当たり(勝率7割)
この本は金属の表面に模様を入れる装飾技法を紹介しています。
応用すればなんぼでも使いようのある技法ばかり紹介しているので汎用性が高いです。
ただロウ付け・ヤスリがけ・糸鋸の使い方などはほぼ書いてません。(ロウ付けはちょっぴり書いてる10行くらい。写真はなんでその場面wwってとこしか映ってません。)
基本的なことは一通りわかるよって人じゃないと役に立たない本です。
また高額な工具(圧延ローラー)を使った技法を中心に紹介しているので正直プロ向けです。
先に紹介した本2冊の内容がある程度わかるようになって使えるかな?ぐらいの内容なので、もし初めにこれを買ったら「外れ引いたッ!!」て思うぐらいの内容になっています。
エッチングに関してもわかりやすく書いているのと、表面加工のサンプルを何種か上げてるんですが「このジュエリーの表面加工は何番と何番を使って仕上げてますよ。」といった実用例を豊富に掲載しているのが特徴的です。
たまに表面加工に関して書いてあっても
「…どんな場面に使うの^^;」ってなる本がある中で「これはこう使います。(写真ポンッ)」と教えてくれるいい本です。
シルバーアクセサリーの作り方を知るための入門書と言うよりも、ある程度シルバーアクセサリーの作り方に関して技術と知識を持っている人の引き出しを増やすための本という感じです。
こちらの本ではエッチングののやり方についても紹介してされています。
冒頭の注意書きと重複しますがエッチング液は廃棄方法を誤ると罪に問われます。
廃棄方法に関してはお住いの地域の各自治体・役所、製造元に確認をとってください。
この本で学べる技法について説明した記事↓
超技法 桂盛仁の彫金
最後は日本が誇る人間国宝・桂盛仁先生が出されている本です。
以前練馬美術館で桂先生がトークショーをされていたので見に行った時にその場で買いました。
お値段は3240円、人間国宝の知識を知るのにこの値段は超安い^^
ただ難易度は高め。
2冊目と3冊目が洋書においての入門・上級だとしたら1冊目とこの本が和書での入門と上級に当たります。
この本は打ち出しや象嵌、煮色仕上げなど日本の彫金技術を紹介する内容で自分で様々な工具(松脂・タガネその他もろもろ)を作る前提になっているのでなんとなくやってみたいな~ぐらいの人には正直厳しいです。
桂先生もトークショーで「彫金の技術が途絶えないように作った。」と仰っていたんですが、こんな価格でこんな内容のものが読めるとは(しかもフルカラー)って感じです。
コチラの本だけは最近出版されたものなので大きな書店に行けば置いてあるかもしれません。
チラッと中を見て出来そうだったら買ってみるっていうのもいいかもしれませんね^^
今回の内容を動画にまとめています。
お時間ある方はご覧ください。
プロの彫金師がオススメする彫金を独学するための本6選まとめ
今回は彫金を独学でやるにあたってオススメの本を紹介しました。
彫金の本4冊+ワックスモデリングの本2冊です。
本の中で使用される金属はシルバーやゴールドなどの貴金属だけではなく銅板や真鍮版、中にはアクリルなど様々な素材が使用されていますのでイメージと違う方もいらっしゃるかもしれません。
ただどの本も汎用性の高い技術を紹介しているので勉強するには適していることは間違いありません。
しかしワックスモデリングの本以外は1から地金を切り出して製作する方法が基本になっているので、出来合いのパーツを組み合わせるようなシルバーアクセサリーの作り方を知りたい方には向いていません。
いずれにしても紹介されている技法の中には危険なものもあるので、十分に危機管理してから行ってください。
今回紹介したものが少しでも参考になれば幸いです。
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アクセサリー作り、彫金をやっていて壁にぶつかった人は一度目を通してみてください。
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