レティキュレーション(溶かし網目模様)加工、銀板を加工するシルバーアクセサリーの作り方

レティキュレーションでシワシワになった厚さ0.4mmの銀板
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こんにちはIMULTAの上谷です。

以前レティキュレーション加工をした真鍮ピアスの作り方を紹介した時に

真鍮のアクセサリーの作り方をピアス作りで学ぶ

「シルバーのレティキュレーションはまた別記事で。」と書いていたので

今回の「読む彫金教室」でレティキュレーションを紹介します。

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目次

シルバーアクセサリーのレティキュレーション

今回はシルバーのレティキュレーションですが基本的には前回と一緒です。

真鍮のアクセサリーの作り方をピアス作りで学ぶ

・まずは絶対に火事に気を付けてください。

彫金のロウ付けのやり方、安全対策と道具の紹介

【彫金アクセサリー】自宅でできる金属のロウ付けのやり方と道具を解説!

火事になっても私(上谷)とIMULTAの関係者は一切の責任を負いません。

簡単にやり方を先に書いて、知識系は後に書きます。

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シルバーのレティキュレーションのやり方

レティキューレーションの基本的なやり方

  1. 表面を火で強く熱します。
  2. 希硫酸に入れて酸洗いします。ディクセル溶液でも検証しましたが同じようにできました。
  3. 繰り返します。
  4. 銀の表面にしわが入ってくるので好みの具合になったら終了。1回火を当てて好みの感じにしわが入れば繰り返す必要はありません。

レティキュレーションはもともとシルバーとゴールドで使用する技法です。

私はこの本を見て学びました。

前回の記事でも書きましたが薄い金属の方がやりやすいです。

紹介した本ではレティキュレーションは1mm以上の厚みの金属で行うように書かれていますが、薄い金属でも可能です。

本の中では圧延ローラーを使ったテクスチャーの説明が多いため1㎜以上の金属の使用を推奨していると考えられます。

・ガスバーナー2本使用するやり方

熱の加え方を変えることでしわの寄り方を誘導する方法があります。

片方の大口バーナーで全体の高温を維持して小口バーナーか酸素バーナーで局所的に熱して狙った部分にレティキュレーションを施します。

自己責任ですが慣れてない人は危ないのでやらないでください。

※酸素バーナーの使用にはガス溶接の資格が必要になります。

・炉を作る

分かりやすく炉と言ってますが、要するに熱が反射するように熱する場所自体を狭くするなり、周りのブロックを熱が反射しやすいものに変えて熱がこもりやすくして反応を促進させます。

レティキュレーション加工を施したシルバー

では実際にレティキュレーションを行った銀板を見てみましょう。

レティキュレーションでシワシワになった厚さ0.4mmの銀板
レティキュレーションでシワシワになった厚さ0.4mmの銀板

画像の通り強く熱したことでしわが寄ってテクスチャーになっています。

これは火を1回当てただけなので繰り返す事で強いしわが入ります。

レティキュレーションは溶かし網目模様の事ですが網の目に見えるかというと正直微妙です^^;

一度に熱しすぎると金属の厚みによっては溶けて穴が開いてしまいます。逆に穴を開けることで自然な風合いにしているようなジュエリーもあります。

1度にどの程度熱するかは人それぞれです。

今回は厚み0.4mmのシルバーの板で行っています。

この加工は金属が溶ける一歩手前の変化を利用して行うため金属板自体が変形します。

画像でも縁がひずんでいるのがわかります。

極論ですが縁の方はある程度溶かし切る前提で熱すると1回で強いしわと縁が丸まったようなテクスチャーになるので、それはそれでいい感じになります。

あとはガーネットあたりを留めてあげればそれだけで十分ジュエリーとして使用可能です。

レティキュレーションの後の変形をとって平面にした銀板
レティキュレーションの後の変形をとって平面にした銀板

このひずんだ風合いもレティキュレーションの魅力なので、平面にするかは好みですがこのように表裏から木槌で叩くことでひずみを取って使用することもできます。

使用するハンマーは木槌でなくゴムハンマーでも問題ありません。

ハンマーについてはこちらの記事をご覧ください。

金槌の種類を紹介する彫金師

念のため書いておくと木槌はヘッドの角の部分でひずんでいる部分を軽くコンコンと叩けばいいので大きく振る必要はありません。

指を叩かないように気をつけましょう。

彫金のケガはキツイ

他の金属(銅・真鍮)でも見てみる

0.3mmの銅板と真鍮板
0.3mmの銅板と真鍮板

0.3㎜の銅板と真鍮板でもレティキュレーションを行いました。

※これは実験的に行っているので0.3㎜の金属板が向いているという訳ではありません。

しわを入れるという事に関しては問題なくできますが、どちらも銀よりも高い熱が必要になる事と素のままだとしわの発生が安定しません。

表面のフラックスを熱している状態。
表面のフラックスを熱している状態。

画像のようにフラックスを塗布してから熱することで反応を多少誘導することができます。

ただハッキリ言って加工した後の表面の汚れとる作業が非常にめんどくさいのであまりおすすめできません。

※筆者は機械(バレル研磨機)で汚れを取ってます。

前回紹介した程度のピアスの加工ぐらいが気軽にできる範囲なのでそれ以上は諸々めんどくさいです。

真鍮のアクセサリーの作り方をピアス作りで学ぶ

まとめ

今回は前回の真鍮ピアスづくりに引き続きレティキュレーション加工について紹介しました。

繰り返し行う事でどのくらいの加工ができるかを自分で確認しながらデータを取っていくしかないので狙った模様にするのは至難の業です。

ただ雑にやってもそれなりの雰囲気を出すことができるものなので逆に趣味レベルでやる人には向いているとも言えます。

今回紹介した技法はこの本に載っているので興味のある方は購入してみてはと思いますが、中古本なので売り切れていたとしても筆者はどうにもできませんのでご了承ください。

他にもお勧めの本を紹介しているのでチェックしてみてください。

アクセサリー作りの勉強にオススメの本6選

今回の製作方法は強い火力を使用するので初心者には少しハードルが高いかもしれません。

火の扱いに慣れるために銀線を使用した初心者向けの製作方法も紹介しています。

銀線を使ったシルバーアクセサリーの作り方。

今回のレティキュレーションの技法はシルバーアクセサリーを作る時に使いやすいものなので始めて行う方はシルバーでやることをオススメします。

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他のシルバーアクセサリーの作り方と組み合わせて使ってみてください。

IMULTA(@imulta_jewelry)でした。

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レティキュレーションでシワシワになった厚さ0.4mmの銀板

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この記事を書いた人

上谷 俊介のアバター 上谷 俊介 彫金師

彫金萬代表、彫金ブランド「IMULTA」を運営しています。

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