こんにちは彫金師の上谷です。
今回の読む彫金教室は「初心者向けシルバーアクセサリーの作り方。模様を切り出す。」編です。
前回シルバーのすり出しリングの作り方を紹介しましたが、今回の模様を切り出す方法を組み合わせることでより繊細なスリ出しリングをる来ることが可能です。
ただ糸鋸を使うためケガをする可能性はゼロではないので、この記事を見てシルバーアクセサリーを作る方はケガに気を付けてください。
こちらの記事で紹介しているペンダントトップも途中までは透かし模様の切り出しの方法を紹介しているので合わせてご覧ください。
もっと基本的で簡単なシルバーアクセサリーの作り方を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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簡単なシルバーアクセサリーの作り方。模様を切り出す。
今回はシルバーの地金(金属板)に模様を切り出して(切り抜いて)行きます。
アラベスク模様のようなものを切り出していきますがどのような模様を切り抜くのも技術的には変わりませんので自分の好きなデザインで作ってみてください。
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寄付する彫金で金属を加工するにあたって糸鋸の使用は基本になります。
では今回必要な材料・工具を紹介します。
・材料
- シルバー(※厚み1.4mm以上の銀板)
- チェーンまたは皮ひも
- 丸環(チェーンまたは皮ひもを通すための輪っか)
それぞれの材料についても説明していきます。
・シルバー(※厚み1.4mm以上の銀板)
今回はシルバーアクセサリーの作り方の説明なので材料は当然シルバーになります。
今回は作りやすさに重点を置いているので厚みは1.4mm以上がオススメです。
では作り方の説明に移る前にシルバーに厚みがあった方がいい理由を説明します。
※シルバーに厚みがあった方がいい理由
今回のシルバーアクセサリーは銀板にドリルで穴を開け、開けた穴に糸鋸の刃を通して模様を切り抜いていきます。
常にスムーズに糸鋸を動かせるのであれば問題ありませんが、糸鋸の刃を動かしていて引っかかった時に銀板が薄いと変形してしまいます。
糸鋸の扱いに慣れてくるとこういったトラブルはそうそう起きませんが慣れないうちは頻繁に糸鋸の刃が引っ掛かることがあるので初めて作る方は厚めの銀板を使用した方が安心です。
・チェーンまたは皮ひも・丸環
切り抜いたものを通すチェーンが必要になるので余ってるチェーンまたは皮ひも・丸環を用意してください。
切り抜いた模様にチェーンを通す場合は丸カンが必要にならないので無くても大丈夫です。
・工具
- 糸鋸
- ドリル
- ヤスリ
・糸鋸
模様を切り抜くための糸鋸が必要になります。
糸鋸の詳しい使用方法・使う時のコツはこちらの記事をご覧ください。
・ドリル
穴を開けて糸鋸の刃を通す必要があるのでドリルも必須なので機械工具のリューターがあると非常に便利です。
リューターを使った方が圧倒的に楽なのでリューターの購入をオススメしますが、リューターは大体3万円後半~4万円するので「ちょっと手が出ない…」という人もいると思います。
その場合は手回しドリルでも穴を開けることが出来るのでそれでもかまいません。
先端にドリルの刃を着けて手で回して穴を開けます。
ラスペネを使えば手回しでも結構簡単に穴は開きます。
出来る・出来ないで言えば出来るので、手回しドリルも紹介してますがハッキリ言ってメンドクサイのでオススメは出来ません。
・ヤスリ
切った後、最後の磨きの前に銀板の角を落とすなどの仕上げをするために必要になります。
では作り方を紹介していきます。
過去の真鍮で作った際の画像を利用します。
透かし模様のシルバーアクセサリーの作り方
毎回言ってますがシルバーアクセサリーの作り方のコツは「ゆっくり作る事」です。
怪我をせず楽しく作りましょう。
・銀板を程よい大きさに切り出す。
作りたいシルバーのペンダントトップよりも少し大きいぐらいの銀板を切り出します。(シルバーの画像は後日添付します。)
前回の簡単なシルバーアクセサリーの作り方・彫金で指輪を作る。のシルバーを切り出す項目の解説で下記のように書きました。
※もし長さや幅を指定して購入できる業者であればリングのサイズに合ったシルバーを最初から購入した方が簡単です。
銀板を切る工程を省くことが出来るのでオススメです。
今回のシルバーアクセサリーもサイズを指定して購入すれば切り出す工程を省くことが出来ます。
・シルバーのデザインを描き込む
油性ペンでも鉛筆でも銀板に思い思いにデザインを描き込みましょう。
ただあまり複雑にすると切り抜くのが大変なので慣れるまではシンプルなデザインにした方がいいと思います。
油性ペンで描き込む場合は書き直す時に除光液が必要になるのでDAISOで買っておきましょう。
直接ガリガリと金属の行面に傷を入れる下書きの方法はマジックや鉛筆で下書きを何度もした後のやるのでいきなりやるのはお勧めできません。
印刷物を転写する時は転写液
直接マジックを使用して書き込む方法以外に印刷物を金属面に転写する方法があります。
詳しい内容はこちらの記事をごらんください。
銀板にドリルで穴を開ける
ドリルで穴を開けます。
ドリルで穴を開ける場合はラスペネ(切削油)をさしておくとスムーズに穴が開くので、ラスペネはジャブジャブに使うのがオススメです。
ケチってドリルが折れてしまった場合の方がお金がかかります。
さらに言うと折れたドリルが穴に残った場合は取り出すのが非常にめんどくさいです。
穴を開ける際のドリルは0.8mm以上の太さのものが管理しやすく初心者でも穴が開けやすいです。
ドリルの種類と使い方に関しての詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。
ドリルの穴に糸鋸を通して切り抜いていく
ドリルで開けた穴に刃を通して模様を切り抜いていきます。
時間をかけるとこんな感じのものも出来ます。画像はティアラを作っている時の透かし彫り。
上の画像のティアラぐらい大きいとそこまで気にしなくてもいいことですが、小さなンペンダントトップを製作する場合、外側から切っていくと後半シルバーを指で抑える部分が少なくなって苦労するので、真ん中(デザインの内側)から彫っていくのをオススメします。
今回紹介している程度のモチーフならデザインの外側から切ってもいいんですが、メチャメチャ細かいデザインを透かしにする場合は先に外側を切ってしまうと強度的に作業しづらくなる場合があるので基本的にモチーフの内側から切り抜きます。
透かしデザインで外側を先に切るとめんどくさくなるパターン。
- 外枠がなくなって押さえるところが減るので作業しづらくなる。
- 糸鋸が変な風に引っかかった時に強度が足りなくてグニャッと曲がってしまう。
- 内側のデザインを切り抜く時に下書きを外れて大きくなった時、調整しにくい。
今回のように模様を切り抜くタイプのシルバーアクセサリーを作るとなると繊細にしたくなると思います。
シルバーの透かしデザインを切り抜く作業を繰り返していくと「シルバーの厚みに適した太さの糸鋸がある」という事がわかってきます。
別に適した太さの鋸刃以外で切ってはいけないわけではありませんが、効率良く作業が出来る工具というのが状況によって変わってくるという事です。
・工具が合っていない極端なダメな例
例えば0.1mmの厚みのシルバーを一番太い8番の糸鋸の刃で切ろうとした場合。(※あくまで極端な例として書いてます。)
8番の糸鋸は一つ一つの刃の目が大きいので刃が入る時の圧力に負けてシルバーが変形します。
慎重に、変形しないようにそーっと切るよりも、もっと細くて刃の目が細かくて切りやすい太さの糸鋸の刃で切った方がはるかに効率的です。
特にアルミで透かし模様を切り抜く練習をするのであれば変形しやすいので自然と気を使った製作姿勢が身に尽きます。
最後に丸環を使ってチェーンを通す。
写真は真鍮のトップですが同じようにシルバーのトップに穴を開けてチェーンを通すための丸環を取り付けます。
丸環は貴和製作所で購入することで出来ますし自分で作っても問題ありません。
また最初に書いた通り、切り抜いた模様自体にチェーンを通すのであれば丸環は必要ありません。
丸カンの作り方についての詳しい内容はこちらからご覧ください。
初心者用透かしシルバーアクセサリーの作り方まとめ
今回は初心者向けという事で火を使わないで製作できるシルバーアクセサリーの作り方を紹介しました。
画像は後日用意しますが、透かしを利用したアクセサリーはそれなりの見た目になるので興味のある方は是非試してみてください。
用意する工具も少ないので機械工具がなくとも時間をかければキレイにできます。
最終的な磨きなどは仕上げに関しての記事をご覧ください。
よりシンプルなシルバーアクセサリーを作りたいときは銀線を使ったものから挑戦してみましょう。
IMULTA(@imulta_jewelry)でした。
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