こんにちは彫金師の上谷です。
15年ぐらい彫金を独学でやって現在プロの彫金師としてご飯を食べています。
今回の「読む彫金教室」はメンズシルバーアクセサリーでよく使われている人気モチーフについて書いていきたいと思います。
シルバーアクセサリーの作り方を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
・火を使うシルバーアクセサリーの作り方↓
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メンズシルバーアクセサリーに使われる人気モチーフ「クロス(十字架)」
世の中にはあらゆるシルバーアクセサリーがありますが、日本にシルバーアクセサリーの文化が入ってきて一般的になったのは21~3年ぐらい前にクロムハーツが入ってきてからですね。
当時4万円するクロムハーツのシルバーアクセサリーを高校の同級生が買っていてビックリしたものです(遠い目)。
最近のクロムハーツはダイヤモンドなどの宝石を石留したものが普通にありますが、当時はクロムハーツは石留しない(オーダーメイド以外はしないだったかな?)というのが有名でした。
クロムハーツの流行を皮切りにシルバーアクセサリーがファッションアイテムとして定着してきた中で定番モチーフとして使われている物のうんちくを紹介します。
クロス(十字架)
メンズシルバーアクセサリーの定番モチーフといってますがこちらは男女問わず人気のあるモチーフで十字架の形をしたシルバーアクセサリーです。
クロムハーツや有名ブランドでも色んな形のものが作られています。
有名なものは百合(lily)の紋章を合わせたクロムハーツのクロスは象徴的で「クロスと言えば」で出てくるような有名なクロスです。
元々はクリスチャン(キリスト教の信者の方)が身に着ける宗教的な装身具でイエス・キリストが磔にされた十字架が発祥です。
今回の場合はシルバーアクセサリーのモチーフとして十字架の話をしているので「クロス」で間違いありません。
ロザリオの方が響きがかっこいいのか、バトル漫画(烈火〇炎)とかで「大事なロザリオなんだ。」みたいのがたまにありますが大体は数珠的な装飾がないのでクロスです。
ケルティッククロス
発祥がキリスト教なので宗教的な意味合いが強くケルト民族が使うケルト十字(ケルティッククロス)などもあります。
十字に円がついていて装飾的に非常にかっこいいので厨二感もあって筆者も好きです。
ただご当地では宗教的な建物の装飾以外に墓標(墓石のようなもの)としても使われています。
キリスト教との融合で生まれたともいわれますが、現地にはケルティッククロスと似た太陽十字というのがキリスト教の布教よりも前からあるらしいので詳しくは不明です。
シルバーアクセサリーとして一つ着けるだけでかなりインパクトがあるのでペンダントトップで使うのがオススメです。
一点豪華主義で凝った意匠のものを着けるのもいいかもしれません。
模様が細かく入っていて燻(いぶ)してあるものが多いです。
燻しが取れてきてしまったら「銀黒」などで自分でちょちょっと燻し直しましょう。
アイアンクロス
このアイアンクロスは宗教的なものではなくドイツで生まれた陸軍の勲章がもとになっている十字架です。
昔のシルバーアクセサリーを特集した雑誌(ムック本)で「由来に縛られずファッションとしてデザインを楽しんでもらいたい。」と言っていた(インタビューに答えていた)方がいましたが、ナ〇スに関連するものなので着けていく場所は考えた方がいいと思います。
ちなみにイギリスの陸軍の勲章で「ミリタリークロス」(敵軍に対して積極的に行動した人に与えられる勲章)というのもありますがアイアンクロスと一緒にすると多分どつかれるので気を付けましょうね。
お守りとしてのクロス
発祥には色々ありますが現在ではお守り的な意味合いの強いクロス。
場所によっては神様への感謝として教会にクロスを奉納したりします。
奉納するのはクロスだけでなく様々な素材のもの(シルバーアクセサリーだけでなく真鍮アクセサリーだったり、教会によっては木製のもの)を奉納するのですがどのような形のものを奉納するかで意味合いが変わってきます。
タマタ・ミラグロ
現在ギリシャのタマタや南米でも残るミラグロ(スペイン語で奇跡)という風習があります。
手の形のアクセサリーや金槌の形、ハートの形など自分の願い事に合わせた形のアクセサリーを奉納します。
例えば足の骨折が早く治ってほしかったら足の形をしたシルバーアクセサリーを奉納するといった風習です。
クロスの奉納は日々の生への感謝や自身の信仰心の敬虔さの証明、敬虔な信者として生きるという神との契約の意味合いで使われると言われています。
アクセサリー・ジュエリーの発祥に関してはまた別に書きますが基本的にアクセサリージュエリーは宗教的な偉い人(司祭とか)が身に着けていた装飾品がもとになっています。(諸説あり)
クロスモチーフまとめ
今回はメンズシルバーアクセサリーでよく使われるクロスについて紹介しました。
元々は宗教的な意味合いの強いデザインですが、現在では一般的なファッションアイテムとして定着しています。
使用しているシルバーの厚みなどで雰囲気が大きく変わってくるためメンズ・レディース共に多く使われているのでシルバーアクセサリー初心者でも身に着けやすいと思います。
ただ文中で紹介したように物によってはTPOを考えて見つける必要があるタイプのクロスもあるので気を付けましょう。
IMULTA(@imulta_jewelry)でした。
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