天然石(マラカイト)を使った変則的な作り方のシルバーアクセサリー

マラカイトを使ったシルバーアクセサリー
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こんにちは彫金師の上谷です。

今回は天然石のマラカイトを使ったシルバーアクセアsリーを紹介します。

普段は作り方として紹介していますが、今回のアクセサリーの作り方はかなり変則的なので、大まかな解説にします。

天然石を使ったアクセサリーを作って見たい方の参考になれば幸いです。

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目次

天然石(マラカイト)を使った変則的な作り方のシルバーアクセサリー

今回製作したシルバーアクセサリー(ネックレス)はこちら

マラカイトを使ったシルバーアクセサリー
マラカイトを使ったシルバーアクセサリー

パッと見てわかる通りかなり変わった作りになっています。

ロウ付けの回数が多いので同じように作ろうとしたらちょっとめんどくさいかもしれません。

立体的なものを作る時はワックスで作った方がいいんじゃないの??

正直これだったらワックスで作った方が簡単かもしれませんね。

お客さんに立派なマラカイトをいただいたので作りたくなりました。

お客さんも南アフリカに出張した時に現地の方にもらったそうで、「ルース(裸石)を持っていても使い道がないから何か作ったら?」という事で頂きました。

まずはマラカイトについて少し解説します。

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パワーストーンとしてのマラカイトとアクセサリー作りでの使い勝手について

マラカイトは心身の邪気払いになるとも豊穣のお守りになるともいわれているパワーストーンで、調べる本によってその効果が随分と違います。

ただ手に入りやすい天然石という事もあって世界のあっちこっちで色んな用途で使われてきた天然石です。

クレオパトラが化粧に使っていたというのは結構有名ですよね。

古くは古代エジプトから宝石として使われていたようで、以前紹介したカーネリアンやラピスラズリ(瑠璃)と組み合わせて使われていたりと結構パワフルな配色で使われていました。

東西の美術史の中でも顔料として使われていて岩絵の具になると「岩緑青」という名前になります。

和名は「孔雀石」。

6月25日の誕生日石です。

マラカイトとのご縁

私はなぜか昔からマラカイトとご縁がありまして、現在使っている彫金机は中古オフィス家具店で買ったオフィス事務机なんですが、なぜか引き出しの中に入っていたのがマラカイト。

今回紹介するシルバーアクセサリーに使っているマラカイトはお客さんからの頂き物と不思議なご縁があります。

そんなわけで以前からシルバーアクセサリーに使う機会が多めです。

ではアクセサリー作りに置いての使い勝手について解説していきましょう。

マラカイトのアクセサリー作りでの使い勝手

個人的にはオススメですが、数字的には扱いが難しい石に入るかもしれません。

モース硬度は3.5~4、非常にもろいです。

ペリドットと同じぐらいの硬さで、「へき開」もあります。

なので油断するとパカッと割れます。

ただ私は今まで割ってしまったことがないので、そこまで扱いが難しいとは考えていません。

表面は傷つきやすいので磨く時などは慎重に仕上げないとあっという間に傷が入るのは事実ですね。

先端工具でオススメしているシリコンポイントはモース硬度6以上であれば傷が入らないとなってますが今回はモース硬度が6以下なので注意が必要です。

マラカイトのおすすめポイント

  • 手に入りやすい
  • お値段手ごろ
  • 派手

サイズや磨きのクオリティにこだわらなければお値段が手ごろで手に入りやすい非常に身近な天然石です。

何よりおすすめなのが派手だという事。

好みによって違ってもきますが、「天然石を使ってアクセサリーを作って見たいなぁ。」という時は派手な天然石を使うのが「作った感」があってオススメです。

マラカイトの場合はそこそこ大きくてもそこまで値段が跳ね上がらないので、天然石を使ってみるにはうってつけかもしれません。

この場合「傷つきやすい」というのも慎重に製作をする姿勢を身につける練習にピッタリです。

今回のシルバーアクセサリーの製作ポイント

銀板に覆輪を付けてサイズを確認
銀板に覆輪を付けてサイズを確認

今回のペンダントトップ製作の一番のポイントは「ロウ付け」です。

まず簡単な製作工程から

  • シルバーを切り出す
  • 矢坊主でポッコリさせる
  • 覆輪を作る
  • パーツを作る
  • 模様を彫り入れる
  • パーツをロウ付けする
  • マラカイトを留める

周りを研磨ディスクなどで整えるなどは割愛しています。

今回はポイントのロウ付けについてと他の工程を少々。

マラカイトの裏を抜く

マラカイトの裏を抜く
マラカイトの裏を抜く

カット石ではないので必要ないっちゃないのですが、軽量化のため石の裏側を丸く切り抜きます。

ロウ付けする母材を熱を回りやすいようにしておくとロウ付けしやすいのでオススメです。

ロウ付け前に加熱するシルバーを軽量化する場合、「とにかく高火力やっときゃいいや!!」でロウ付けをするとシルバーが溶けます。

立体的なものを作る時のポイントロウ付け。

シルバーに透かしを入れる
シルバーに透かしを入れる

立体的であれこれとパーツがついている物はどの順番で作業するか、どのタイミングでロウ付けをするかで作業時間が大きく変わります。

例えば上の画像はマラカイトを留めるための覆輪をロウ付けしてから透かしを糸鋸で入れていきます。

人によっては透かしを入れてからロウ付けするという順番になる事もあるはずです。知らんけど。

私の場合は透かしを入れてからバランスを取るのがめんどくさいのと作業時間の無駄に感じたので先に覆輪を付けました。

立体的なものに透かしを入れる時は普通~太目の糸鋸の刃を使うのがオススメです。

葉脈を彫り入れてからロウ付け

葉っぱ―のパーツをロウ付けする前に彫り入れ
葉っぱ―のパーツをロウ付けする前に彫り入れ

彫りは最終仕上げとして入れることが多いので彫金模様を入れた後にロウ付けをする事はあまりありませんが、今回はあくまで造形の一つの作業パターンとして使っているので彫り入れの後にロウ付けしています。

もちろん折角彫った葉脈にロウ材が流れたら台無しなのでそこらへんは加減してロウ付けします。

ちなみに彫った後の照り返しがロウ付けの熱で荒れるという考え方もありますが、短時間でササッとロウ付けすれば全く問題ありません。

パーツ作り&ロウ付け

石留用のバーツを作る
石留用のバーツを作る

マラカイトの石留に使うパーツを作ります。

今回のマラカイトは実質覆輪留めで留まっているので、この葉っぱのパーツは「留め」の意味としては無くても支障ありませんが装飾として付けています。

この時葉っぱをポッコリとさせるのも矢坊主。

しっかり目にロウ付けする

しっかり目のロウ付け
しっかり目のロウ付け
動かす前提のロウ付け
動かす前提のロウ付け

動かす前提でロウ付けするので多少動かしたぐらいではガタが来ないようにしっかりとロウ付けをします。

最終的にこの葉っぱのパーツは先っぽをロウ付けして完全に動かないようにするのでかなり頑丈に仕上がります。

ただ葉っぱの表面に彫りも入れるので、あまり繊細なロウ付けにすると作業中にとれてしまうのでうまい事ロウ付けできるように繰り返した方がいいです。(※1発で終わるのがベストではあります。)

最後に丸カンを付けて完成です。

ロウ材を使い分けることで色々なパーツを付けることが可能

銀ロウの種類

  • 3分ロウ
  • 5分ロウ
  • 7分ロウ
  • 早ロウ

ロウ材にはいくつかの種類があるので使い分けることで色々なパーツをロウ付けすることが出来ます。

ロウ材はそれぞれ溶ける温度が違うので、その温度の違いを利用して使い分けるというのが基本的な考え方です。

とはいえそれぞれのロウ材の溶ける温度の差は20℃ぐらいしかないのでそこまで大きな違いはありません。

「とにかく強い火力で熱すればいいんですよ!!」的考え方は、ロウ付けがうまくいかない最も大きな原因の一つです。

それよりも火を当てる向きやロウ材の大きさなどを工夫することで使い分けることが出来ます。

それぞれのロウ材の特性はこちらの記事で紹介しています。

天然石(マラカイト)を使った変則的な作り方のシルバーアクセサリーまとめ

今回はマラカイトを使って立体的に作ったシルバーネックレスを紹介しました。

繰り返しロウ付けをする事で色んな作り方が出来るようになります。

市販のものや自作のパーツを使って立体的なものを作ってみたい方は

  • 熱が回りやすいように軽量化するなど加工する
  • ロウ材を使い分ける

この2点を工夫するとやりやすくなると思います。

ロウ付けをやる時は火事にならないように気を付けてください。

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火の扱いに慣れるために初心者向けの銀線を使ったシルバーリングの作り方も紹介しています。

銀線で作るシルバーアクセサリー

IMULTAでした。

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この記事を書いた人

上谷 俊介のアバター 上谷 俊介 彫金師

彫金萬代表、彫金ブランド「IMULTA」を運営しています。

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