こんにちは彫金師の上谷です。
彫金を始めて15年たちまして現在はIMULTA(イムルタ)という自分のブランドを立ち上げて彫金師をやっています。
今回は彫金ハウツーの道具を説明する回。
彫金に置いてシリコンポイントは非常に便利な道具の一つです。
リューターの先端に付けて使用するシリコンポイントについて今回は紹介します。
リューターというのはこれの事です↓
アクセサリー作りに便利!!彫金のシリコンポイント
今回はリューターに着けて使用する先端工具の一つ、シリコンポイントの使い勝手について説明します。
私はシリコンポイントを頻繁に使うようになったのは彫金の独学を始めてだいぶ経ってからでしたが「最初から使って置けばよかった…。」となる程度には便利です。
もしシルバーアクセサリーの作り方を独学でやっている方であれば、まずはシリコンポイントの使い方に慣れるのがいいと思います。
リューターとシリコンポイント
そもそもシリコンポイントって何?という方のために簡単に説明します。
まず近年のシルバーアクセサリー作り、ジュエリー制作にはリューターという電動の工具が使われます。
ミシンみたいに足でスイッチを踏んで動かす機械工具で、取り敢えずDIYで使う電動ドリルみたいなものを思い浮かべていただければ大丈夫です。

電動ドリルも先端のドリル部分をカチャカチャ付け替えて使いますよね、それと一緒でリューターも先端の工具を付け替えて使います。
シリコンポインターはその名の通りシリコンで出来た先端工具の1つです。
リューター自体は新品で大体37000円~45000円くらい。
ちゃんとやるとなるとこれぐらいのクラスのものが必要になります。
そんなにホイホイ買える金額ではないはずなんですが、最近はハンドメイドブームで彫金を始めてすぐやめる人もいるのでヤフーオークションとかでも多分買えます。
まぁ壊れてるのを売りつける人もいると思うので正規品を買うのをオススメします。保証期間とかちゃんとあるし。
2019.9.12追記。
このブログをご覧いただいた方にこのリューターでも使えたと教えていただいたので共有させていただきます。
プロクソン(PROXXON) ハンディマルチルーター No.28473
これは少し古いタイプのようで20000円ぐらいの最新型も出ているようですが、
ご連絡いただいた方がお使いになったのはこのタイプという事でしたので、一緒にご紹介させていただきます。
シリコンポイントの用途
まずはシリコンポイントをどんな時に使うかというと
- 削る
- 磨く
この2つです。
用途は二つしかありませんがシリコン自体の種類は
- 荒仕上げ
- 中仕上げ
- 最終仕上げ
このように3種類あるのでそれぞれ説明していきます。
今回はEVE社製のシリコンポイントを使います。個人的にはとてもコスパがいいのでおススメです^ ^
荒仕上げ
まず最初にご覧いただくのは
「荒仕上げ」のシリコンポイント
過去の投稿でも紹介した白いシリコンポイントです。

これはシリコンで出来ていますが、金属(銅、真鍮、洋白、シルバー、ゴールド)でもガンガン削れます。
ただこの荒仕上げのシリコンポイント自体も凄い勢いで減って(小さくなって)いきます。
例えるなら消しゴムがすごい勢いで減る感じ。
減った分のシリコンは粉になって飛び散るのでシリコンポイントを使った作業中マスクは必須です。
極端な話、この荒仕上げで大まかな金属造形も出来ます。やろうと思えば。
摩擦熱で手元がめちゃめちゃ熱くなりますけどね^^;
すさまじいスピードで減っていくんで10個ぐらい買っておいたほうがいいです。
先端だけだと意味がないので取り付け用のマンドレールも買っておきましょう。
※マンドレール=取り付け用の芯棒、ココで紹介しているマンドレールは先端をねじのように外してシリコンを挟み込んだ後に締めなおします。
↑こういう最初からマンドレールと一体化しているタイプもあるのでどっちを使うかはお好みですね^^
中仕上げ
次に使うのは中仕上げのシリコンポイント。
↑私が普段使ってるのがこの砲弾型。
この中仕上げの黒いシリコンポイントも結構な勢いで減っていきます。
特に先端部分は細かい部分にも挿し込めるのでよく使いますが、すぐに減って丸くなります。
砲弾型のシリコンポイントは先端が減って丸まってくると使いにくいと言う人もいますが
そしたらヤスリに当ててもう一回尖らせればいいじゃん!!
というのが私の持論です。
多分彫金作業でシリコンポイントを多用する人はみんなやってると思います^^
ヤスリを動かして削るんじゃなくてヤスリの上でシリコンポイントを回転させると秒で尖ります。
これは黒と青の2種類があって、黒がちょっと荒いです^ ^
青は仕上げ用ってなってるんですが最終仕上げとごっちゃになってややこしいので私は中仕上げと呼んでます。
荒仕上げで削った面の傷の数を減らして磨いていく時に黒→青の順番で使います。
ただ黒は意外と削る力が強いので油断すると思ったより削れて表面が波々になってしまうので気をつけて下さい。
特になました(熱を加えた後に急冷して柔らかくした)後のシルバーは結構削れるので要注意。
削ると磨くの境目
黒ポイントまでは「削る」感覚のほうが強いので青のシリコンポイントからようやく「磨く」感覚になります。
ただ磨く工程で使う青もグリグリやると表面が波打ってしまうので優しく当てましょう。
平面を崩したくない時とかは手前から奥にサッサッと撫でるように当てるといい。
と言われた事がありますが、本当かどうかは微妙です。
慣れです。
一応この投稿はシリコンポイントについて説明しているので出てきませんが、いざしっかりと平面をとるってなったら私は砥石を使います。

余談ですがシリコンはガッツリ貴金属に当てると黒くなるので荒仕上げ(白)と中仕上げ(青)の見分けがつかなくなる形の物(砲弾型)もあるので気をつけたほうがいいです。

最終仕上げ
さぁ最後は最終仕上げのピンクです。
これは本当にキラキラに磨ける上に減りがおそいのがメリットです。
シルバーアクセの端々をちょちょっと磨くだけでもワンランク上がった感じになると思います。
シリコンポイント以外の先端工具もそうですが、仕上げる時に当てる順番がしっかりあるので1つ1つの仕上がり具合を確認しながら使っていくとコスパもいいし作業が効率化されます。
全ての作業ををシリコンポイントでやるのは無謀ですがそこまで高いものでもないので一旦使ってみてはいかがでしょうか?
お試しセットは1個「サテン仕上げ」のものも入っています。
これは使ってみないと説明しづらいので、まずは使ってみてください。
そのうちサンプル画像とかとってupする予定です ^^
※余談
EVE社のシリコンポイントは硬度6以上の宝石であれば直接あたっても傷が付かないそうです。
シーフォースに買いに行った時にPOPで書いてありました。
いざ当てて傷が入ったらシャレにならないので私は当てた事はありませんが、気になる方は店の方に聞いてみてください。
最初に書きましたがシリコン系の工具は知らない間に粉じんが舞い上がっているのでマスクは絶対に付けましょう。
リューターを使ったアクセサリーの磨き方、研磨に使用する先端工具に関してはこちらでも紹介しています。
まとめ
シリコンポイントは使う順番などを理解して使いまわせば、研磨剤や消耗しやすい先端工具のコスト削減に役立つとてもコスパのいい先端工具です。
使う慣れるまでは時間がかかりますが、端々をちょっと磨くだけでも雰囲気を演出できるなど色々な使い方ができるのでとても便利です。
高いものではないのでシルバーアクセサリーの作り方を勉強している方はまずは使ってみましょう。
IMULTA(@imulta_jewelry)でした。
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