こんにちは彫金師の上谷です。
彫金を始めて15年たちまして現在はIMULTA(イムルタ)という自分のブランドを立ち上げて彫金師をやっています。
今回は彫金ハウツーの道具を説明する回。
彫金に置いてシリコンポイントは非常に便利な道具の一つです。
リューターの先端に付けて使用するシリコンポイントについて今回は紹介します。
リューターというのはこれの事です↓

今後ハンドメイドアクセサリーの副業を検討されている方はクレジット決済が必要になるので、squareを用意しておきましょう。
初心者の方が彫金の知識を増やすために役立つ電子書籍を用意しています。

売り上げは当ブログとYOUTUBEチャンネルの運営維持、伝統工芸の取材費に当てさせていただきます。
アクセサリー作りに便利、彫金のシリコンポイント
▼動画で見たい方はこちらからご覧ください。

今回はリューターに着けて使用する先端工具の一つ、シリコンポイントの使い勝手について説明します。
筆者がシリコンポイントを頻繁に使うようになったのは彫金の独学を始めてだいぶ経ってからでしたが「最初から使って置けばよかった…。」となる程度には便利です。
もしシルバーアクセサリーの作り方を独学でやっている方であれば、まずはシリコンポイントの使い方に慣れるのがいいと思います。
リューターとシリコンポイント
そもそもシリコンポイントって何?という方のために簡単に説明します。
まず近年のシルバーアクセサリー作り、ジュエリー制作にはリューターという電動の工具が使われます。

電動ドリルも先端のドリル部分をカチャカチャ付け替えて使いますよね、それと一緒でリューターも先端の工具を付け替えて使います。
シリコンポインターはその名の通りシリコンで出来た先端工具の1つです。
リューター自体は新品で大体37000円~45000円くらい。
ちゃんとやるとなるとこれぐらいのクラスのものが必要になります。
そんなにホイホイ買える金額ではないはずなんですが、最近はハンドメイドブームで彫金を始めてすぐやめる人もいるのでヤフーオークションとかでも多分買えます。
フリーマーケットサイトやアプリの場合壊れているリューターを売りつける人もいると思うので、正規品を買うのをオススメします。保証期間とかちゃんとあるし。
リューターを初めて買った方が、その中古品がちゃんと動いているかどうかの判断はつかないと思います。
2019.9.12追記。
このブログをご覧いただいた方にこのリューターでも使えたと教えていただいたので共有させていただきます。
プロクソン(PROXXON) ハンディマルチルーター No.28473
これは少し古いタイプのようで20000円ぐらいの最新型も出ているようですが、
ご連絡いただいた方がお使いになったのはこのタイプという事でしたので、一緒にご紹介させていただきます。
シリコンポイントの用途
まずはシリコンポイントをどんな時に使うかというと
- 削る
- 磨く
この2つです。
用途は二つしかありませんがシリコン自体の種類は
- 荒仕上げ
- 中仕上げ
- 最終仕上げ
このように3種類あるのでそれぞれ説明していきます。
今回はEVE社製のシリコンポイントを使います。個人的にはとてもコスパがいいのでおススメです。

荒仕上げに使用するシリコンポイント
まず最初にご覧いただくのは
「荒仕上げ」のシリコンポイント
過去の投稿でも紹介した白いシリコンポイントです。(※後述しますが画像のものはマンドレールと別に販売されている付け替え用のシリコンポイントです。)

これはシリコンで出来ていますが、金属(銅、真鍮、洋白、シルバー、ゴールド)でもガンガン削れます。
ただこの荒仕上げのシリコンポイント自体も凄い勢いで減って(小さくなって)いきます。
減った分のシリコンは粉になって飛び散るのでシリコンポイントを使った作業中マスクは必須です。
極端な話、この荒仕上げで大まかな金属造形も出来ます。やろうと思えば。(※やめとけ)
摩擦熱で手元がめちゃめちゃ熱くなります。
すさまじいスピードで減っていくので10個ぐらい買っておいたほうがいいです。
1個当たり60円ぐらいなので大した出費にはなりません。
先端だけだと意味がないので取り付け用のマンドレールも買っておきましょう。
↑こういう最初からマンドレールと一体化しているタイプもあるのでどっちを使うかはお好みです。
一体型のシリコンポイントは側面(上部?)が使いやすかったりするのでどちらが優れているという事はありません。
中仕上げのシリコンポイント
次に使うのは中仕上げのシリコンポイント。
↑私が普段使ってるのがこの砲弾型。
この中仕上げの黒いシリコンポイントも結構な勢いで減っていきます。
特に先端部分は細かい部分にも挿し込めるのでよく使いますが、すぐに減って丸くなります。
砲弾型のシリコンポイントは先端が減って丸まってくると使いにくいと言う人もいますが

砲弾型のシリコンポイントの先端が丸くなって使いにくいんだったら、ヤスリに当ててもう一回尖らせればいいじゃん。
というのが筆者の持論です。
多分彫金作業でシリコンポイントを多用する人はみんなやってると思います。
ヤスリを動かして削るんじゃなくてヤスリの刃の上でシリコンポイントを回転させると秒で尖ります。
これは黒と青の2種類があって、黒がちょっと荒いです^ ^
青は仕上げ用ってなってるんですが最終仕上げとごっちゃになってややこしいので私は中仕上げと呼んでます。
荒仕上げで削った面の傷の数を減らして磨いていく時に黒→青の順番で使います。
黒のシリコンポイントは意外と削る力が強いです。
油断すると思っいたより削れて表面が波々になってしまうので気をつけて下さい。
特になました(熱を加えた後に急冷して柔らかくした)後のシルバーは結構削れやすく表面が波打ちやすいので要注意。
削ると磨くの境目
黒ポイントまでは「削る」感覚のほうが強いので青のシリコンポイントからようやく「磨く」感覚になります。
ただ磨く工程で使う青もグリグリやると表面が波打ってしまうので優しく当てましょう。
平面を崩したくない時とかは手前から奥にサッサッと撫でるように当てるといい。
と言われた事がありますが、本当かどうかは微妙です。
慣れです。
一応この投稿はシリコンポイントについて説明しているので出てきませんが、いざしっかりと平面をとるってなったら私は砥石を使います。


余談ですがシリコンは研磨の際にガッツリ貴金属に当てると表面が黒くなるので、荒仕上げ(白)と中仕上げ(青)の見分けがつかなくなる形の物(砲弾型)もあるので気をつけたほうがいいです。
特に青とのシリコンポイントと黒のシリコンピントは見分けがつきにくくなります。


上の画像は左から荒仕上→黒→青→最終仕上げ、使っているうちに全部黒くなるのでわかるようにしておくと作業が効率化できます。


最終仕上げのシリコンポイント
さぁ最後は最終仕上げのピンクです。
これは本当にキラキラに磨ける上に減りがおそいのがメリットです。
シルバーアクセの端々をちょちょっと磨くだけでもワンランク上がった感じになると思います。
シリコンポイント以外の先端工具もそうですが、仕上げる時に当てる順番がしっかりあるので1つ1つの仕上がり具合を確認しながら使っていくとコスパもいいし作業が効率化されます。
全ての作業ををシリコンポイントでやるのは無謀ですが、そこまで高いものでもないので一旦使ってみてはいかがでしょうか?
お試しセットは1個「サテン仕上げ」のものも入っています。
これは使ってみないと説明しづらいので、まずは使ってみてください。
そのうちサンプル画像とかとってupする予定です。
※余談
EVE社のシリコンポイントは硬度6以上の宝石であれば直接あたっても傷が付かないそうです。
シーフォース(工具屋)に買いに行った時にPOPで書いてありました。
いざ当てて傷が入ったらシャレにならないので私は当てた事はありませんが、気になる方は店の方に聞いてみてください。
最初に書きましたがシリコン系の工具は知らない間に粉じんが舞い上がっているのでマスクは絶対に付けましょう。
リューターを使ったアクセサリーの磨き方、研磨に使用する先端工具に関してはこちらでも紹介しています。


まとめ
シリコンポイントは使う順番などを理解して使いまわせば、研磨剤や消耗しやすい先端工具のコスト削減に役立つとてもコスパのいい先端工具です。
使う慣れるまでは時間がかかりますが、端々をちょっと磨くだけでも雰囲気を演出できるなど色々な使い方ができるのでとても便利です。
高いものではないのでシルバーアクセサリーの作り方を勉強している方はまずは使ってみましょう。
IMULTA(@imulta_jewelry)でした。
\IMULTAの読む彫金教室のサポートをお願いします/
いただいた支援は当ブログとYOUTUBEの運営・伝統工芸の取材費に当てさせていただきます。
これからハンドメイドを始めようという方は真鍮以外のゴールドフィルドやシルバーを使用するうえで、金属の特性上のメリット・デメリットをまとめたこちらの電子書籍をご覧ください。


kindleアンリミテッドに無料体験で読めます。
kindleアンリミテッドの無料体験はこちらから


今後ハンドメイドアクセサリーの副業を検討されている方はクレジット決済が必要になるので、squareを用意しておきましょう。
初心者の方が彫金の知識を増やすために役立つ電子書籍を用意しています。


売り上げは当ブログとYOUTUBEチャンネルの運営維持、伝統工芸の取材費に当てさせていただきます。
\IMULTAのオンラインショップはこちら/
\YouTubeチャンネルはこちら/


\Twitchチャンネルはこちら/







