石留めを行う時などはケガいて目的の場所に印をつけます。
ケガキ針を使うなどは何でもいいのですが今回はシルバーアクセサリーを製作する際の印をつける方法について紹介します。
ワックスで製作するにしろ地金から製作するにしてもきっちり作る場合は下書きとしてケガくのは重要です。
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ケガキ作業のやり方
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ワックスを使ってとにかく自由に造形がしたいという方はケガキ作業に興味が無いと思いますが、下書きを入れることによって全体のバランスをとりながら造形するのが楽になるので最低限知識として覚えておくとお得です。
ケガく作業に使用する道具はケガキ針を使ったりケガキペンを使ったりというのが一般的。
筆者の場合は石留め作業の前にケガくことが多いのでケガキで頻繁に使用しているのは上の写真の右のふたつ、カニコンパスとスプリングコンパスです。

縫い針をピンバイスに取り付けてケガキ針として使ってもいいのでとにかく希望の位置に傷をつける事が出来れば何でもいいと思います。
垂直な線を引きたい時にスプリングコンパスでケガくと便利
スプリングコンパスは開いた後にネジを締めて開き具合をキープすることができるのでそれを利用して垂直の線を引くことができます。
- 直線を引きます。
- スプリングコンパスで直線の両端から線を引きます。
- 上下で交差した点をつなぐように線を引くと元ある線に垂直な線を引くことができます。
そこまできっちり作る必要があるかはデザイン次第ですが直角な線を引いて切り出したいときなどに有効です。
アクセサリー作りでケガキ作業をするタイミング
アクセサリー作りでケガキ作業をするタイミングは色々あり下記のようになります。
- 最初に糸鋸で切り出す目安となる線(ケガキ線)を引く時
- 全体的な大まかな位置を決める時
- 石留めする石の位置を決める時
どの作業も「ケガキをやらなくても出来る」というのは間違いありませんが、ケガキ作業に慣れておくとバランスをとりながら作業しやすくなるのでオススメです。
糸鋸で切り出す目安となる線(ケガキ線)を引く時

地金から切り出して指輪を作る時などサイズを決めて銀板を切る時はケガいてから糸鋸で切る必要があります。
ケガいた線ピッタリに切るかどうかは好みなので人それぞれですが、ケガいた線よりも内側(残しておきたい部分)に刃が向かないようにする必要はあります。
最終的にヤスリで削ったりで帳尻を合わせる方法もあるものの、寸法通り作ればキレイに仕上がる事は言うまでもありません。
上の画像のように透かし彫りをする場合、糸鋸を通す箇所にドリルで穴を開ける作業をします。
ポンチを打ってドリルのすわりをよくしてもいいですが、ケガいたついでにカニコンパスなどで強めに印をつければポンチ代わりにもなります。(※丁寧にポンチを2度打ちした方がキレイにできます。)
作業対象の金属に厚みがあるのであればオートポンチが便利です。
ただ市販のオートポンチはそこそこ硬い(バネが強い)ので厚みがない場合は歪みの原因になるので、本当に厚みがある時だけです。(厚み2mm未満はやらない方がいいです。)
行う場合は自己責任でやってください。
筆者の場合は作業する対象がアクセサリーだけではないので使用していますが、いかついストリート系や石座にする前提の厚みのある金属ではない場合オススメしません。
全体的に大まかな位置を決めるとき、大きなものを作る時は特に。

上の画像のようなティアラを製作するなど大きなものを製作する際は最初にあちこちケガいて印をつけておくと製作しやすくなります。
地金・ワックスどちらの場合でも製作中に鍛金で叩いて形を変えたり、ワックスを削る・盛るなどして形を変えていくので印をつけておかないとバランスをとるのが難しくなります。

地金を打ち出したり曲げたりの工程を進める上でケガキ無しは正直苦しいです。

特にこのティアラの場合はデザインして製作途中にデザインが変更になったので(右上部分が無くなった)、印が無い場合は勘でバランスをとることになります。
地味な作業ですが「あの時やっていれば…。」とならないように製作の最初にケガいておくことをオススメします。
石留めの意志の位置を決めるとき

石留めをする場合はケガキが特に重要になります。
単純に穴の位置がずれると石が留まらなかったり、留める場所が限られている場合は宝石を入れるスペースが無くなってしまうため、最初にきちんとケガいて下書きしておきます。
カボションカットの天然石ではなくカット石を留めるときにスプリングコンパスを使ってケガいていきます。
スプリングコンパスは開き具合をネジで調節できるので天然石と爪の大きさを考慮した幅に合わせて調節します。
あとはくるくると回しながら位置を合わせていきます。
ケガキ作業のやり方まとめ
アクセサリー作りの中でも地味な作業になるのでウキウキで行う方はいないと思いますが、やっておくと作業が楽になる事は間違いありません。
特に石留め(覆輪留め以外)に挑戦してみたいという方は必須になるので是非使ってみてください。
IMULTAでした。
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印や下書きを入れながらの作業は、作業する面積が限られていたりキッチリとしたものを作る時にポイントになるので、今回紹介したもの以外の道具を知りたい方はこちらをご覧ください。

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