こんにちはIMULTA彫金師の上谷です
今回の読む彫金教室は彫金の先端工具(ビット)のお話の第2回「穴を開ける」
リューターを利用して金属板や天然石に穴を開ける時に使うドリルの先端工具についての紹介します。
リューターを買ったもののどんな先端工具を使えばいいか分からないという方は「わかんないけど買ってみるか!!!!」と一か八かで散在する前に参考にしていただけると幸いです。
今回の「穴を開ける」以外に「削る」「磨く」といった用途に使うための先端工具も紹介していますので一覧記事からご覧ください。
アクセサリー作りに使用するリューターの基本的な使い方と先端工具(ビット)について知りたい方はこちらをご覧ください。
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リューターの先端工具のドリルを使って金属などに穴をあける
さて冒頭で書きましたが今回の読む彫金教室は、リューターを使って穴を開ける時に使う先端工具(ドリル)に関して書いていきます。
何に穴を開けたいかによって使い方が色々と変わってきますが、彫金なので基本的に金属への穴あけが中心になります。
一時期ハーキマーダイヤモンドが流行った時に天然石の穴開けを頼まれたりもしたので天然石の穴あけに関してもチラッと書きます。
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金属にドリルで穴を開ける
彫金で使用するリューターに使用するドリルの先端工具にもどのような素材で作られたドリルかによって性能が大きく違います。
基本的にシルバーや真鍮に穴をあける程度であればスチール製のドリルに切削補助になる油を使えば問題なく穴が開きます。
安価なものはメンテナンスが前提になっているなど、それぞれの特徴を解説します。
スチールドリル
当たり前ですが穴を開けるのは基本的にドリルを使います。
ただドリルも色々ありますので、出来るだけわかりやすく書いていきます。
まずは基本的に安価で販売されているスチール製のドリル
大体1本200~300円ぐらいでシーフォースなどの工具屋で変えるドリル、安価なタイプのドリルは自分でドリルの刃を研ぎ直すなどちゃんとお手入れができない人には使いにくいです。
今までのブログでも書いている通り、タガネでも何でも工具は長く使うにはちゃんと自分で手入れをする必要があります。
メンテナンスに必要な道具も出てくるので、安価なものは自分でメンテナンスをする前提で安くなっていると思った方がいいです。
メンテナンスがちゃんとできるなら安価で数が揃えられるからお買い得です。
ただ「趣味でたまに使いたい。」ぐらいの人は、あまりお手入れが必要にならない、ちょっと高価なタイプのものをオススメします。
安価なドリルの使用・お手入れに必要なもの
- 切削油
- 砥石
- ピンバイス
ドリルのメンテナンスは最低限これらが必要になります、使用しない場合すぐに使えなくなると考えたほうが無難です。
金属加工の作業を長時間行うと工具の作業面が熱をもってしまい、この熱が工具を傷める原因になります。
切削油はこの熱を逃がす効果があるので、あるとないとでは金属に対する工具の食いつきが桁違いに変わります。
自分で研ぎなおせばまた使えますが、研ぎができる人はちゃんと油使います。
モデリングワックスの加工の場合、金工用ドリルの側面を使って削ると切削作業がスムーズになるのでお勧めです。(あまりぎゅうぎゅうと押し付けるとドリルが熱を持ってワックスが溶けるので余裕を持って行ってください。)
砥石とピンバイスはドリルを研ぐのに必要になりますが、多分このブログを読む方でドリルを研ぐ人はいないと思うので割愛します。
ハイス鋼ドリル
ハイス鋼=ハイスピードスチールの略称、熱に強く焼き戻りがほぼないので穴あけ作業が早くなります。
焼き戻りは熱が加わって金属が柔らかくなることを言います。
硬くて切削力も安価なものに比べれば段違いに高いです。
しかし焼き戻りがほぼないというだけで、油なしでガンガン使うとあっという間に切れ味がヘタってくるので、油は使った方がいいです。
お値段は安価なドリルの2倍ぐらい、ただその分の性能はあるのでお勧めできます。
逆にハイス鋼はお手入れが難しいので一般の方だと使い捨てぐらいの感覚になると思います。
基本的に彫金工具屋さんにハイス鋼製の先端工具はドリルしか置いてありません。
超硬ドリル
一番のおすすめのドリルがこの超硬ドリルです。
というか全部これでいいんじゃないかと思うレベルで使っています。
なんでこれを一番使うかというと宝石を留める穴の調整で一番適しているからですね^^
ただめちゃくちゃ硬いのでお手入れはほとんどいりません。
ちょいちょいメンテナンスしますが、基本的に一般の方はお手入れは無理。
お値段と利便性は一長一短です。
めちゃくちゃ切れ味がいいので油断すると結構深いケガをします。
リューターで使用する先端工具によるケガは治っても跡が残りやすいのでくれぐれも気を付けてください。
楽しく読める程度のケガについてはこちらの記事で紹介しています。
天然石に穴を開けるダイヤモンドドリル
天然石用というわけではありませんが、天然石に穴を開ける時は石の硬さ(モース硬度)を気にしないといけないので諸々気にしたうえで使うのがダイヤモンドドリル。
モース硬度7以上の天然石には基本的にダイヤモンド砥粒がついている物じゃないと穴が開きません。
専用の機械使えばそんなことないんでしょうけど、私は持ってないし持ってないもののことはよくわからないので気になる方は調べてみてください。
基本的に熱を逃がしまくりながら穴あけしないとあっという間に先端についているダイヤモンド砥粒(この砥粒がついているおかげで色んなものが削れます。)が剥がれてただの棒になるので
水の中でやります。
一本2800円ぐらいするので折れたらマジ絶叫なんですけど、あまり丁寧に力を入れないで使ってると砥粒だけ剥がれてこれまた使い物にならなくなるので開ける時は気合を入れて一気に開けます。
お値段的にはドリルの中ではめちゃ高いんですが研ぎなおしとかできるタイプじゃないんで基本的に使い捨て。
金属に穴をあける作業には水か油が重要
「ドリルとか工具は熱を逃がさなきゃいけない。」というのを知ったのは昔フジテレビでやっていた「ほこ×たて」を見てた時に、多分覚えてる方もいると思いますが「絶対に穴が開かない金属vs絶対に穴を開けるドリル」みたいなのやってましたよね。
あれでドリルで穴開ける時、切削面に大量に水をかけてましたよね。
おそらく研磨剤も混ざった水でしょう。
当ブログの他の記事でもクドクド書いていますが「ラスペネ」は必ず買っておきましょう。
良かったらラスペネを使わずにドリルを使用し続けた時とラスペネを使って使用し続けた時の違いを比べてみてください。
- 穴の開けやすさ
- ドリルの切れ味の保持具合
この2点において驚くほどの違いを感じるはずです。
ちなみに伝統的な彫金でもテレピン油(松脂からとれる油)を切削補助として使用します。
実際に透かし彫りなどを行う際にドリルは頻繁に使用します。
どのように使用するかは動画をご覧ください。
リューターの先端工具ドリル穴あけ編まとめ
・基本的に作業面・切削面の熱を逃がしながら作業をする事で効率的に穴を開けることが出来ます。
・ドリルには何種類かあってその特性に合わせて使い分けます。
・高価なものを使うかどうかはを自分でメンテナンス出来るかどうかによっても判断が分かれるので自分がどのように使用したいかを考えて購入してみてください。
リューターを使って金属・天然石に穴を開ける時に使用するドリルの紹介は以上です。
一般的なDIYなどでダイヤモンドドリルは使わないと思いますが、ハンドメイドでアクセサリーを作る時にちょっといいドリルを持っているとかなり作業がはかどります。
どんなものに対して使用するかで使い分けるために、とりあえず全種類試してみるのをオススメします^^
金属面を削る先端工具に関してはこちらをご覧ください。
また穴開けをする際には金属の表面をケガいて印をつける作業も重要になります。
天然石の穴あけではなく金属やプラバン・樹脂などに穴を開けたい方はケガ作業にも慣れておくと「ここに穴を開けたい。」というポイントからずれにくくなるのでオススメです。
IMULTA(@imulta_jewelry)でした。
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