ティアラ製作過程、ロウ付け前

こんにちは毎度おなじみIMULTA(イムルタ)の上谷です。

このブログで彫金のハウツー・やり方について書いてます。

今回は彫金をやってて躓いたポイントと解決のコツについて書いていきます。

では始まり始まり~

彫金の躓くポイント

それでは躓くポイントを書いていきたいと思います。

ただその前に彫金でジュエリーを製作するにあたってどんな工程があるかを説明してからにします。

「そんなの知ってるしwww」って方は読み飛ばしてください^^

最初に工程説明。

まず製作の工程

  1. シルバー・ゴールドなどの金属板から切り出す。
  2. 成形する
  3. ロウ付けする
  4. 磨く

簡単にザックリとこんな感じ。

さらにいろいろやりたくなると

  • 彫る
  • 宝石を留める

と言った工程が増えます。

一応基本工程には番号ふってますが作りたい形に依って色々と変わってくるのでご了承ください。

これから紹介するのは私が彫金を独学でやってきてできなかったり悩んだポイントです。

 

金属板から切り出すときの躓く&解決ポイント

まずは金属板や角材・棒材などから切り出すときの躓くポイント。

  1. 真っすぐ切れない
  2. 糸鋸がパキパキ折れる
  3. なんか引っかかる…。

彫金では糸鋸で貴金属を切っていきます。

↑こんなのに糸鋸の刃を(別売り)を張って使います。

 

では躓くポイントその1

①真っすぐ切れない

真っすぐ切っているつもりがグネグネと曲がって切ってしまう。

私の最初の頃はこれで引っ掛かりました。

基本的に材料の切り出しはある程度の余裕をもって切るので、正直なところ下書きの線ピッタリに切り出す必要はないっちゃないです、あるっちゃあるけど^^;

では狙ったとおりのに切るのはどうしたらよいかというと

切る時の目線の高さを変えましょう。

詳しくは過去の投稿をご覧ください。

糸鋸を使う時は高さを考える~143

多少練習は必要になりますが、多分これでかなり解消するはずです。

人によって体格が違うので適した高さが変わってきます。

大体は胸の高さ~口の高さの間が一般的だと思いますが、目の高さが一番やりやすいという方もいました。

要するに糸鋸で切る時にグネグネ曲がってしまう人は糸鋸を使う位置が低いので

自分が思っているよりも高い位置でやるのをオススメします。

 

②糸鋸がパキパキ折れる

糸鋸には大体16種類ぐらいの太さの種類があります。

パキパキ折れてしまう人はそもそも使っている糸鋸の太さが合っていない、または管理が雑で糸鋸が劣化してしまっていると考えられます。

彫金工具の保管に関して~176

細い糸鋸ほど使いこなすのに技術がいります。

よほど細かく透かし模様を入れる必要がある時でない限り一番細い太さのものは使いません。

特に0/5番以下の太さの糸鋸の刃はそれ自体の強度がないので糸鋸の柄にセットする時の張り具合からして変わってきます。

極細の糸鋸との刃は多少緩く張った方がいいです。

基本的に刃が折れる折れないは技術の話なのですが、

コツは

ゆっくり切る

凄く単純な事でそんなことで解消するわけがないと思うでしょう^^;

何度かジュエリーを作って彫金の作業に少し慣れてくると、先の工程がわかっているという事もあってさっさと終わらせたくなります。

または「素早く糸鋸を動かすことが正しいんだZEッ!!ヒャッハー!!」みたいになります。

少なくとも私はなってました^^;

一度ゆっくり切ってみてどのぐらいの太さの糸鋸の刃が、どのくらいの張りで、どの程度金属を切れるかを確認してみると

無駄な力が抜けた作業ができるようになるので糸鋸が折れることが減ってきます。

これを確認した後だとあまり力を入れなくてもうまいこと切れるようになるので、ゆっくりやっても意外と作業スピード落ちないです。

※こうまで丁寧に書くと糸鋸の刃を折るのがいけないことのように見えますが、あくまで糸鋸の刃は消耗品なのでシャーペンの芯感覚で使う物です。

 

③なんか引っかかる…

この症状が出る人と出ない人がいると思いますが、切っていると真っすぐ切っているのに少しずつ引っかかる時があります。

 

原因は糸鋸を真っすぐに動かせていないこと。

上下に動かしているときに斜めに動かしてしまうとこの引っ掛かりが起きます。

解決方法は

  • 作業する位置の変更
  • 糸鋸の動かし方で上に持ち上げるのを意識すること。

 

作業する位置というのは体の中心の位置で作業をしているのを左右どちらかにずらすという事です。

右利きの方なら右手の正面に作業位置が来るような感じです。

どのぐらいずらしたらベストかは人によって違うのでご自身で確認してください^^

 

④次に糸鋸の動かし方。

一般的な使い方として糸鋸は下ろした時、下に動かしたときに切れます。

ただ下ろす動きをゴールにすると動きにブレができるので

そのあとの上に上げきるまでをゴールにした方がブレが少なくなります。

これはキックボクシングのローキックの蹴り方とかと一緒ですね。

 

単純に滑りが悪いときもあるのでその時はラスペネなどの切削油をさしてみてください。

 

成形する時の躓き&解決ポイント

成形(形を作っていく)は叩いて形を作ったり、ヤスリなどで削ったりといった工程になります。

物によってはロウ付けが先になることもありますし。

 

成形→ロウ付け→成形→ロウ付け。のように繰り返す事もあります。

今回は成形でも叩いて成形する鍛金などについても書きます。

 

ただ成形に関してめちゃ単純です。

作業に合った工具を使う

これに尽きます、マジで。

なんでも技術でできるというのは勘違いで、成形作業はうまくいかない場合は適した工具を使っていない可能性が高いです。

過去の投稿でも様々な工具を使ったうえで紹介している工具大好きな私だから断言できます。

 

例えば指輪を作る時は

切り出したシルバーをなまして(熱して急冷すること)サイズ棒に沿わせて叩いて丸めていくわけですが、

1.5mm以下の厚みの板であればリング成形のヤットコを使った方が圧倒的に早くてキレイです。

 

ではこれを踏まえたうえで工具がない時にうまくやるにはどうしたら良いか。

リングの成形も2㎜厚以上になれば叩いて成形するのが当たり前、

叩いても曲がらない…そんな時は。

そもそも叩く位置が違っている可能性が高いです。

当然叩き方すら間違っていることもあるんですが、基本的に叩く位置が正しければ叩き方が多少間違っていても曲がります。

リングで言うと曲がった時にサイズ棒に接する部分めがけて叩くといい感じに曲がっていきます。

机とかに着けると力が逃げるので空中でやった方がいいと思います。

独学でやる方が固定に工具をそこまで揃える事はないと思いますが、万力やバイスで力が逃げないように固定されているのであれば机についてようが何についてても問題ないです。

工具がない場合は完全に技術頼りになる工程なので解決方法はひたすら練習することです。

 

成形に関してはリューターの先端工具をめちゃめちゃ使うので色々試してみてください。

彫金で使うリューターの先端工具

 

工具が劣化してる

たまにしか使わない人は違いますが継続して作業してると工具が痛んで劣化します。

仮にドリルで言えば何度も穴を開けていると切れ味が落ちていくので研ぎ直して使う必要があります。

ヤスリや他の先端工具の切れ味が落ちないようにするために切削油を使うのがオススメです。

ちなみに糸鋸の刃も折らずにずっと使っていると切れ味が落ちます。

 

硬くて叩いてもなかなか形が変わらない。

上で紹介した叩き方に問題がない時は、十中八九「なまし」(熱して急冷すること)が足りないです。

ガスバーナーでカンカンに熱した後に水にぶち込みましょう。

 

 

ロウ付けする時の躓き&解決ポイント

  1. ロウ材が溶けない
  2. フラックスがブクブク沸騰して置いたロウ材が動く
  3. 狙ったところに流れない
  4. 隙間ができる

多分このくらいです。

彫金・ロウ付けのやり方 前編

彫金・ロウ付けのやり方 後編

前に投稿でも書いていますが簡単に書くと

①ロウ材が溶けない

ほぼ間違いなくフラックスがちゃんと塗れてません。ちゃんとした濃度のフラックスを塗りましょう。

火力が足りない可能性もありますがそんなに火を強くしなくてもロウ材は溶けます。

 

②フラックスがブクブク沸騰して置いたロウ材が動く。

①とは逆にフラックスを塗りすぎているかフラックスの濃度が高いです。

または最初にフラックスの水分を飛ばす時に近すぎる位置で強い火を当てると無駄に沸騰します。

近い位置で当てるなら弱い火から当てて、強い火力のままなら遠い位置で乾かすイメージで火を当ててから近づるとそんなにブクブク沸騰しません。

もしくはロウ材を乗せる前にフラックスの水分を飛ばしておくと楽です。

 

③狙ったところに流れない。

火を当てている位置が違う可能性が高いです。一番熱くなった場所にロウ材は流れるので当てる位置を変えてどう流れるかを確認した方がいいです。もしくはフラックスがちゃんと塗れていない。

自己流の練習方法ですが乗せているロウ材が一番熱くなるように火を当てて、ロウ材が流れずに球体になればちゃんとロウ材が一番熱くなるように狙えているという事になります。通常のロウ付けは母材(くっつけたい金属)を熱する作業なのでこんなことはしませんが練習にはなります。

 

④隙間ができる

・ロウ付けする母材の面のすり合わせが甘い

面を合わせ直すかロウ材を増やす事で解消できます。ロウ材で隙間を埋める場合は3分ロウを使うのをオススメします。※3分ロウはこんもりと溶けるので乗せる量が多すぎると隙間を埋めた後の処理の方が大変になります。

・熱しすぎてロウ材が沸騰して気泡が入っている

溶けた後に「ちゃんと溶けてるかな~。」と執拗に熱するとなります。ガスがもったいないのでほどほどに。

・熱しすぎて溶けたロウ材にひかれて母材が一緒に溶けている

熱しすぎると溶けたロウ材にひかれて母材自体が一緒に溶けて落ち窪みます。リングのロウ付けの場合はすり合わせた面が溶けるのでほどほどにしましょう。必要量よりもロウ材が過剰に多いときに発生します。

慣れないうちは一回ロウ付けをして上手く付かなかったからともう一回同じ場所をロウ付けする時、複数の場所を同時にロウ付けをする場合にやりがちです。

磨く(研磨する)時の躓き&解決ポイント

  1. 歪む
  2. 最後まで磨いたはずがいまいち傷が残ってる

そもそもどこまで仕上げるかが人それぞれなので、研磨はあまり躓くことが少ないと思います。

リューターの先端工具をかける順番。

基本的に目の粗いものから順番にかけていって最後に研磨剤でしっかりと磨けば鏡面仕上げになります。

その中でも今回は上記の2つについて

①歪む

貴金属を磨く時はしっかりと熱と圧力をかけるのですが過剰に熱を与えたり研磨剤を使いすぎると歪みます。細いものを磨く時なんかは裏に布を当てて熱と圧力を逃がして磨きます。基本的に細かったり薄かったりするものはササッとやって磨き終わるように仕上げます。

②最後まで磨いたはずがいまいち傷が残ってる

粗い目のものから細かいものの目に変えながら磨いていくとキレイになりますが、ジュエリーの形状によっては場所によって磨きやすいところと磨きにくいところがあります。その結果全体的に均一に磨いたとしても磨き具合にムラができ、場合によっては研磨の作業によって傷が入ることがあります。

細かく溝が入り込んでいるような部分はシリコンポイントの先端で磨くなどして傷が残らないようにします。

また研磨剤も含まれている油分の量で目の粗さに差があります。油分の少ない研磨剤は「磨く」よりも「削る」に近い感覚で使用するものなので油分の少ない研磨剤を厚みのないものに使用すると削れて歪む、または穴が開く可能性があります。

さらに細かく書くと炭で研いだり、小さくした砥石で研いだりと色々な工程がありますが基本的な部分は上記の2点になります。

 

まとめ

・糸鋸は使用する時の位置や高さに気を付けたうえで、ゆっくりと作業するのがオススメ。

・成形作業は適した工具を使用するのがすべて。

・ロウ付けは作業的なテクニックよりもとにかくフラックスを濃度や量を考えてちゃんと塗る。

・研磨は適切な研磨剤でササッと仕上げられるように仕上げてから磨く。

今回紹介した内容を簡単にまとめるこのようになります。

作るものの構造によって色々と変わってくるのですべてに対応できる内容ではありませんが、

初心者のうちは今回紹介した方法ですべて解決できるはずです。

 

ちょっと文章だらけになっちゃったのでそのうち写真も添えるようにしておきます。

ちょっとメディアライブラリの調子が悪いもんで。

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IMULTA彫金師の上谷

IMULTAというブランドを展開している彫金師の上谷(ウエタニ)のブログです。彫金のハウツーとかお手入れの方法とか嫁さんのあるあるとか勝手気ままに書き連ねてます。気になる事があったら気楽に聞いてください。答えられる事は丁寧に答えます。わかんないことはわかんない。気が向いたら読んでみてください。