最近は金属を使ってアクセサリーを自分でハンドメイドすることが流行っています。
本記事ではハンドメイドアクセサリーの中でも趣味の範囲で楽しめる金属アクセサリーの金属の種類と作り方を紹介します。
ハンドメイド商品のショッピングサイトが増えてきているので副業している方もたくさんいらっしゃいます。
「これからアクセサリー作りに挑戦してみたいけどどんなものがあるか知りたい。」という方の参考になれば幸いです。
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趣味で楽しむハンドメイドアクセサリーの金属の種類と作り方
こんにちは彫金師の上谷といいます。
普段は「読む彫金教室」という事で真鍮アクセサリーやシルバーアクセサリーの作り方をブログで紹介しています。
真鍮やシルバーなどの金属を使用したアクセサリーは
- どんな金属を使用するか?
- どんな作り方をするか?
- どんなアクセサリーにするか?
これらの内容によって難易度が大きく変わってきます。
2番目の「どんな作り方をするか?」で難易度が変わるのは解説するまでもないと思うので「当然でしょwww」と笑われてしまいそうですが、これらの項目について詳しく解説していきます。
ハンドメイドアクセサリーにどんな金属を使用するか?

ハンドメイドアクセサリーに使われる金属にはどんなものがあるの??
ハンドメイドアクセサリーで使用される金属でよく使われるものは大まかに4つ
- 真鍮
- 14kgf(14金ゴールドフィルド)
- シルバー(銀)
- アルミ
それぞれの金属には特性があるので作り方や保管などの気を付けた方がいいポイント、ハンドメイドの難易度も大きく違ってきます。
ではそれぞれ解説していきましょう。
真鍮
ホームセンターなどでも手に入りやすい真鍮はハンドメイドアクセサリーで一番使われています。
多少の慣れが必要だとしても他の金属と比べると加工が簡単なこともあり非常に人気のある金属です。
ハンドメイド用のパーツを小売りしている業者も多いので、パーツを買って組み合わせるぐらいのアクセサリー作りであれば、小物作り用のペンチが2本あれば明日からでも始めることが可能です。
メッキをかけていない真鍮のアクセサリーは保管をちゃんとしないと青サビ(緑青)が出てきてしまうので、お手入れに少し手間がかかります。
真鍮のアクセサリーの作り方はこちらの記事をはじめ数種類あります。
14kgf(14金ゴールドフィルド)

数年前から流行り始めた金属で、真鍮の表面に14金を圧着させた素材です。
安価でありながら14金の気品があるのでプチプラアクセサリーの素材として現在も非常に人気があります。
パーツ屋さんで販売されている各太さのワイヤーとパーツを組み合わせて使用するハンドメイド素材。
ゴールドフィルドもペンチが何本かあれば気軽にアクセサリー作りに取り掛かることが出来るので難易度はそこまで高くありません。
ハーキマーダイヤモンドとゴールドフィルドを組み合わせたアクセサリーが、ハンドメイドの一つのジャンルとして確立されているほどです。
天然石と組み合わせやすいので副業を狙うのであれば14kgfがオススメ。
アレルギーフリーの素材として期待されていますが製作方法によってはアレルギーフリーの特性はなくなるので一概には言えません。
※「どんな作り方をするか?」の項目で後述します。
シルバー(銀)

クロムハーツなどに代表されるストリートアクセサリーや「The KISS」のようなキレイ目のアクセサリーにまで幅広く使用される金属。
ハンドメイドで使用するには少し敷居が高く感じるかもしれませんが、「彫金」ではなく「ロストワックス製法」で作るのであればハンドメイドアクセサリーとしてもそこまで難しく考える必要はありません。
そして今回紹介する4つの金属の中では一番アレルギー反応が出る可能性が低い素材です。
(注意:アレルギーがまったく出ないわけではありません。)
ただ今回紹介する金属の中では一番材料費が高いので金銭的なハードルが高いかもしれません。(※2020年9月現在値上がりし続けています。)
最近は多くのブランドで最終仕上げにロジウムメッキをかけることが多いので、お手入れが必要ないと考えている方も増えてきていますが、黒住が気になる方は1週間に1回拭くぐらいのお手入れは必要です。
近年のシルバーは合金技術が高いので通常サビが出てくるようなことはありませんが、アンティークシルバーなどは合金(強度を上げるために混ぜられている金属)の具合によっては汚れが浮いてくることがあります。
※シルバーアクセサリーの錆に関しては別の記事で解説しています。
ハンドメイドの流行に合わせて小売りを始める業者が増えてきたので昔より手に入りやすくなっているので購入することは難しくなくなっています。
シルバー製品は燻すことで雰囲気のあるアクセサリーを作れます。
最近は塗るだけで簡単に黒くすることが出来る薬品も出ているので興味のある方は試してみましょう。
アルミ

工業製品の素材として一番使われているであろうアルミ、加工しやすいという点ではハンドメイドに非常に向いています。
最近の若い方はご存じないかもしれませんが一昔前(20年ぐらい前)にアルミ缶を溶かして型に流してアクセサリーにするというのがちょっとだけ流行りました。
今でもYoutubeで動画を挙げている人がいます。
ただハンドメイドレベルでは強度的に心配な部分が出てくるので、自分用にアクセサリーを作るのであれば問題ないと思いますが、副業で他者に販売する場合はオススメできません。
あと酸に弱いのでつけた後はちゃんとお手入れしないとすぐに錆びます。
材料費がとても安いので透かし彫りの練習をしたい方にはいいかもしれません。
簡単なペンダントトップの作り方はこちらの記事で紹介しています。
ではそれぞれの金属の特性について書いたので次は「どんな作り方をするか?」について解説します。
どんな作り方をするか? 趣味レベルのハンドメイドアクセサリーの作り方と、本格的な技術を用いる彫金
一言で「ハンドメイド」と言っても工具をあまり使わず気軽にアクセサリー作りを楽しみたい方もいれば、本格的な技術を用いた彫金を趣味でやりたい人もいると思います。
難易度が大きく変わってくるので「これからハンドメイドを始めたい。」という方には、どんな作り方をするかは特に重要です。
当サイトでは色々と難易度を調整した製作方法を紹介している中で、いわゆる「趣味レベルのハンドメイド」と「本格的な彫金技術」というのを技術と必要になる工具で分けています。
- 火を使わない・必要な工具を限定して少なくしている。
- 火を使う・必要な工具や薬品がたくさんある。
この二つのポイントを当サイトではアクセサリーの作り方を紹介するうえで基準にしています。
・火を使わない・必要な工具を限定して少なくしているハンドメイド。(難易度低め)
ハンドメイド・彫金どちらの場合でも火を使うとなると難易度が跳ね上がります。
彫金の技法のひとつで「ロウ付け」という技術があります。
この作業をするにはガスバーナーを使用する必要があるので火事にならないように耐火レンガを用意するなど必要な道具が多くなってしまいます。

気軽に楽しむには用意するものが多すぎるかも…。
趣味としてアクセサリー作りを楽しみたい方向けには、この工程(ロウ付け)を省いて工具も出来るだけ少なくなるように絞って紹介しています。
工具の数を極端に絞ったもので言うと冒頭で紹介したペンチ2本で作れるアクセサリーが代表的なものになります。
火を使う・必要な工具や薬品がたくさんある彫金。(難易度高め)
本格的な彫金をやりたい方向けには、ロウ付け作業を含めた作り方を紹介しています。
ロウ付けを行う場合工具の他にフラックスやディクセルなど専用の薬品が必要になるので、本格的な彫金を楽しみたい人向けの記事です。
- ゴールドフィルドのロウ付けは難易度高め
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ハンドメイド素材として大人気のゴールドフィルドは、金メッキと違いロウ付けすることが可能です。
しかし理屈の上で可能ですが、表面の金を傷めずに出来るわけではありませんし、難易度も非常に高いのでオススメは出来ません。
何度も繰り返しロウ付けすると表面の金が取れてただの真鍮になります。
ゴールドフィルドそれ自体はアレルギーフリーの素材として期待されていますが、ロウ付けした場合「ロウ材」を使用している部分とロウ付けで傷んだゴールドフィルドの表面は金がはがれやすくなっているので、むき出しになった真鍮部分からアレルギー反応が出る可能性があります。
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ゴールドフィルドのロウ付けをやってみたい方はこちらの記事をご覧ください。
表面の金をキープしたままロウ付けするのは初心者にはまず無理ですが、「とりあえずくっつけばいい」ぐらいであれば頑張れば出来ます。
- アルミのロウ付けは難易度高め
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アルミはロウ付けに「アルミロウ(アルミ硬ロウ)」というロウ材を使用します。
アルミは素材自体が溶けやすい事とロウ材との融点の差がそれほどないのでろう付けが難しくなります。
どんなアクセサリーにするか?
どの金属を使うかという事と一緒にどのようなアクセサリーにするかで難易度が変わります。
- 市販のパーツを使ったアクセサリーにする
- 全てオリジナルで作る
他にも天然石を使うなどありますが今回はわかりやすくこの二つに分けます。
市販のパーツを使ったアクセサリーにする
市販のパーツを使用するとハンドメイドを非常に簡単に楽しむことが出来ます。
真鍮やゴールドフィルドの場合色んなパーツが売られているので、趣味で楽しむ分には十分で使いきれないぐらい揃っています。
工具をたくさん揃える前にこの方法で作ってみて、自分がアクセサリー作りに向いているか試してみてください。
全てオリジナルで作る。本格的なアクセサリー作り。
全てのパーツをハンドメイドで作ります。
ここまでやるのは一般的なハンドメイドとは認識がずれてくると思いますが、オリジナルのアクセサリーが作れるので副業というよりブランディングを目指すことが出来ます。
しかし必要な工具・技術・資金共に圧倒的に難易度が高くなります。
副業にする場合確認しておいた方がいい事をまとめました。
非常に基本的な内容なので「そんなことわかっている。」という方もいるとは思いますが、プロでも金属加工・製作工程に入る前に気を付けている事なので「これから始めたい」という方に間違いなく参考になります。
趣味でアクセサリーのハンドメイドを楽しむ時のオススメの素材と方法

結局ハンドメイドにオススメの金属はどれなの?
一番気軽に楽しめるという意味ではゴールドフィルド一択です。
ハンドメイドを楽しむのにオススメ金属1位は14kgf(ゴールドフィルド)
オススメする一番の理由は、ゴールドフィルドの場合ワイヤーアート感覚でペンチ2本から始めることが出来るという事です。
ハンドメイドで楽しめるように加工された天然石も豊富なのでセンス次第ではとてもオシャレなアクセサリーを自作することが出来ます。
前の項目でロウ付けなどの問題点を挙げましたがロウ付けしない方法を選べばいいだけなので、技術的にも始めるハードルが低いです。
・ゴールドフィルドがハンドメイド初心者にオススメの理由
- 材料費が安い
- 工具があまり必要ない
- 技術的にハードルが低い
- 市販されているパーツの種類が豊富
- キレイな状態をキープしやすい
一番簡単な方法で言うと穴の開いた天然石にピアスのポストを挿し込むだけで完成します。
パールも一緒ではありますがまずは一番簡単な方法で作ってから自分が進みたい方向性を決めましょう。
ハーキマーダイヤモンドの穴あけを中心にしたページですが興味のある方はこちらをご覧ください。
サムネイルのようなピアスが作れます。
ハンドメイドで使用する金属オススメ2位、真鍮。
オススメ1位のゴールドフィルドと同じように、どちらも材料費があまりかからないというのがおすすめポイントです。
そして真鍮の場合はハンドメイド用のパーツがめちゃくちゃ豊富にあり、Amazonで検索するだけでも山ほど出てきます。
ネットでパーツを買うとたまに変なのが出てきますがそれに気を付ければ問題ありません。
お手入れの方法がわからない場合は少し戸惑うかもしれませんが、アクセサリー作りを続けていけばもっと欲が出て本格的な彫金技術などを習ってみたくなるかもしれません。
真鍮でアクセサリーの製作をしているとその経験を活かして彫金のジュエリー製作に移行しやすくなります。
「そこまでは必要ないよ」という方には関係のない話かもしれませんがハンドメイドを続けることで、さらなる発展を臨めるのが真鍮ハンドメイドの良いところです。
真鍮をハンドメイド初心者にオススメする理由
- 材料費が安い
- 市販されているパーツの種類が豊富
- 続けていくうちの本格的なジュエリー製作が出来るようになる可能性がある
こちらの記事では指輪やピアス・ネックレスの作り方、少し難易度の高いオーバーレイのネックレスの作り方などを紹介しています。
気軽に楽しみたい人はシルバーとアルミはあまりオススメできないかも…
当サイトではシルバーアクセサリーの製作方法も紹介していますが「気軽に楽しみたい」という事であればシルバーはあまりオススメできないかもしれません。
シルバーの項目でも書いた通り今回紹介している他の金属に比べて材料費が高いです。
市販のパーツがたくさんあるのは真鍮と一緒ですがそれぞれのパーツの値段が安くはない事と製作者側で加工する前提のパーツもたくさんあります。
ハンドメイドで「出来たアクセサリー」を楽しみたいというよりも「アクセサリーを作る工程」を楽しめる人であれば問題ありません。
アルミは市販のパーツがほとんどないのでアクセサリー製作は全くオススメできません。
有名ブランドでアルミのアクセサリーはありますが「強度とかどうしてるんだろう?」という疑問が残るのでこれから始める方はやめた方が無難です。
有名ブランドなどで販売されている物はおそらくアルマイト加工をして強度を上げた商品だと考えられますが、合金の具合によって強度に違いがあるとはいえ「アルミは元々強度がない」というのは重要なポイントになります。
シルバーのアクセサリー作りをやってみたい方はこちらの記事をご覧ください。
【シルバーアクセサリーの作り方】ロストワックスで初心者向けの簡単な指輪を作る!
必要な作業工程と工具を極力少なくした内容になっているのでハンドメイド初心者にもチャレンジしやすいと思います。
少し難易度の高いロウ付けなどを使った彫金でのやり方を知りたい方はこちらをご覧ください。
ハンドメイドで銀色のアクセサリーが欲しいのであればメッキ業者を探しましょう!!
もし銀色のものが欲しいのであれば真鍮で作ったアクセサリーをメッキ業者に出してロジウムメッキしてもらいましょう。
銀メッキもありますが、銀メッキは本当の銀と同じように表面が汚れやすいのでロジウムメッキの方がオススメです。
メッキ業者さんもハンドメイドブームにあわせて個人向けのお仕事を受けている所が増えています。
ただ業者さんによって納期が大きく違う事もあるので「すぐやって!!」とか無理を言わないように気を付けてください。
※たまに業者さんの受付でめっちゃゴネてる人がいます。
業者によっては簡単なものは1時間ぐらいでやってくれることもありますし絶対に2日はかかるところもあります。
手間のかかるメッキの場合、納期に1週間以上かかる事もあるので自分の都合に合う業者を探しておくとスムーズです。
ハンドメイドで使用する道具はとりあえず100均で揃える!!

アクセサリー作りに必要な道具はどこで買えばいいの??
ハンドメイド用の道具はまずは100均で揃えましょう。(揃えられるものは)
100均にはないものもありますが、専門的な工具は高額なものも多いので100均で買えるものは100均で買うのがオススメです。
どの程度のものが必要になってくるかは人それぞれ。
ただ100均にあるものを組み合わせることでかなり使いまわすこともが出来るので、何でもかんでも専門店の工具を購入するのはやめておきましょう。
実際の仕事でも消耗品は100均のものを多く使います。
※ヤスリとかは専門工具を使ってますが初心者は100均のものを使って感じをつかむのもいいと思います。
- 除光液
- 爪楊枝
- 割り箸
- 綿棒
- ラップ
- クッキングシート
- ヤスリ
- 小物作り用のペンチ
- ブロワー
紙やすりなどはホームセンターで買うことが出来るので1枚100円しません。
こちらの記事では100均のアイテムの紹介と用途を解説しています。
【アクセサリー作りとお手入れに使える!】プロも使う100均の道具9選
【趣味で楽しむハンドメイドアクセサリー】金属の種類とオススメポイントまとめ
・ハンドメイドアクセサリーの製作難易度が大きく変わってくる条件は3つ。
- どんな金属を使用するか?
- どんな作り方をするか?
- どんなアクセサリーにするか?
・使用するおすすめ金属
- 1位 14kgf(ゴールドフィルド)
- 2位 真鍮
シルバーは材料費が高い
アルミは市販のパーツがない
金属を使用するアクセサリーで色味にこだわりたいのであればメッキ業者を探しましょう。
いないとは思いますがアルミで作って色味にこだわりたい方はアルマイト加工を受けてくれる業者を探すといいと思います。
アクセサリー作りの道具は専門的な工具ばかりを揃えるとお金がかかるので、100均で揃えられるものは100均で買いましょう。
これからハンドメイド始める方の参考になれば幸いです。
ハンドメイド初心者が陥りがちな事をまとめてみました。
IMULTA(@imulta_jewelry)でした。
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