彫金腕時計

彫金の松脂やヒートクレイなどの固定アイテムについて書く~127

今日は松脂とかに関して書いていきたいと思います。

工具に関しても書いていこうかなぁなんて一個前のブログで書いたのでその第一弾です。

とはいえ誰が興味あんの?って感じのジャンルですねwww

では始まり始まり~

彫金で固定するときに使うもの

松脂

蹴り彫り・ヤニ台
蹴り彫り・ヤニ台

まずは絶対的に使うのが松脂(まつやに)、写真の周りの黒い部分が松脂です。

これは使えなかったらお話にならないですね、逆に自由自在に使えれば無敵です。

形を変えて当て金的な使い方をしたり色々と用途を変えて結構使いまわします。

砲弾型にした松脂
砲弾型にした松脂
彫金台にセットした松脂
彫金台にセットした松脂

ただ薬品で溶かして除去したりもするのでロスが多い素材ですね、、定期的に購入してます。

彫金で模様を彫り入れていく時、中が空洞のものは松脂を詰めていきます。

松脂
松脂

細かく砕いて鍋にのっけて弱火で熱していくとトロトロになるので自由自在に形を変えられます。

市販されている松脂はすぐに使える状態になっているものもありますが、基本的に用途によって粘度の調節をする必要があるので結局は自分で松煙・地の粉・松脂・植物油を混ぜてコトコトやります。

↑こんな感じ完成品が市販されてます。

松煙と地の粉は色味とつやつや具合を調節するときに使っているので私はあまり使いませんが、これはどのような仕事をするかによって違うのでめっちゃ使う方もいると思います多分、知らんけど。

基本的に植物油、私はオリーブオイルをすごい使います。

機械油でも硬さの調節は出来ますがちょっとシャバシャバしすぎているのと、機械油は熱の上昇を防ぐ効果があるのであまり使わないです。逆に使い終わった後の松脂とか固定アイテムの剥離の時に機械油を使ったりします。私は剥離する時はドリルオイルをメインで使っています。

全部をトロトロにして使わない場合は貼り付けたい部分だけを温めます、温めるのは何を使っても自由ですが基本はガスバーナーです。

自由というか彫金の本にはバーナーって書いてあります。

バーナーであぶる時は空気を控えめにして炎がボワーッとユラユラ出る状態にします。シュゴーッと炎が出る状態だと熱が集中しすぎて焦げます。

ただ作業の後剥がしやすくするためにちょこちょこ焦がしておいたりもします。

上の砲弾型にした松ヤニの写真をよく見るとブツブツ、ボコボコしているところがあると思いますが全部わざと焦がしたところです。

表裏から叩いて成形していく【打ち出し】をやる時に面積が大きいものは剥がすのがめんどくさいので、

接着力が落ちる焦げ面を作って効率的にはがせるようにしています。

伝統的な方法とは違うと思いますが結構効果的な方法だと考えています。

 

細かく形を作っていく必要がある時はアイロンの先端でチマチマやります。アイロン超便利。

アイロンとクッキングシート
アイロンとクッキングシート

形作った後は自然冷却で冷えて固まるのを待ちます。

平面で使ってその上で蹴り彫りや打ち出しで使うなら氷とかで急冷して硬さを調節してもいいんですが、zippoのように中に詰める系の作業の時は金属自体、または松脂が縮んで変形するので急冷はしない方がいいと思います。変形して中で剥がれたら詰めた意味がないですからね。

急冷して「パキッ」て音がしたら中で剥がれた証拠なのでやり直しになります。

松脂は使い慣れるまではかなりめんどくさく感じる固定アイテムです。

ただ自分で粘度や剥がせる具合を調整できるようになると強度や汎用性の総合力においてぶっちぎりで便利な道具です。

モデリングコンパウンド

モデリングコンパウンド
モデリングコンパウンド

前回のブログにも書きましたがモデリングコンパウンドを詰める場合もあります。

利点は冷えるとカッチカチになるので彫金で彫った時の力が逃げないので彫金との相性はいいです。

熱するとトロトロになるので単純な固定にはちょうどいいのですが熱された部分のみが柔らかくなるので全体的にトロトロにして使いたいときは一定の温度(60度)で保管する必要があります。炊飯器の保温が便利。

炊飯器に60℃のお湯を張ってジップロックに入れたモデリングコンパウンドを放り込んでおくと取り出した時にすぐ使えて便利です。

ただ取り出すと比較的早く硬くなるのでスピードが要求されます。

冷えると粘性がなくなるので松脂と同じように固定して使うと一瞬で割れて外れます。

そのため固定対象を軽く覆うような感じで固定する必要があるのですが薄いとパキパキ割れるのでいくらか慣れが必要です。破壊して取り外すのは向いてますがめちゃくちゃ飛び散るのでマスクをしましょう。

写真のモデリングコンパウンドは細かく分けて保管しています。この方が使いやすい。

モデリングコンパウンドを大きな塊にしてリングホルダーのようにしている人もいるみたいですね。

 

ヒートクレイ

ヒートクレイに固定したペンダントトップ
ヒートクレイに固定したペンダントトップ

色はグレーで、一番使いやすい固定アイテムです。

私のヒートクレイは柔らかくするときにバーナーでキツめに炙るので結構黒くなっています。

熱してもそこまでトロトロにはならないので雑に扱っても大丈夫です、油断したら火傷しますけどね。固定アイテムの中では一番安全です。

冷えると粘性が全くなくなります。松脂やモデリングコンパウンドと違って急冷してもあまり変形・縮まないのでかなり便利です。

ただ硬く破損しにくくなるので破壊して取り外すのにはちょっと向いていないです。

これも後から何かを混ぜて粘性を調節するようなことはできません。

 

固定アイテムの剥離・除去

基本的に固定アイテムの剥離・除去は

  1. 熱を与える
  2. 破壊する
  3. 薬品で溶かす

このどれかになります。(他に忘れてたらあとで書き足します。)

1の熱を与える方法が一番基本になります、軽く火を当ててポロっと外れるように固定するのがベストです。

次に指輪なんかをガッツリ留めていて宝石がついているとなると火を当てるのはまずいので2の破壊、固定している周りの部分の松脂やモデリングコンパウンドを割ります。

加熱する方法は上記の固定アイテム全てで使用できます。

ただヒートクレイは破壊・薬品の除去には向いていないので作業の工程を考えて破壊工程が必要な時はヒートクレイは使いません。

破壊できないわけではないので「私はヒートクレイで全部やりたいんだっ!!」という方はどうぞご自由に。

無駄に作業時間を増やして疲れて「あ~疲れた、ちょっと休憩しよう。」つって無駄に二時間ぐらいかけて「あ~、この時間でもう一個仕事終わらせられたな…。」ってなるがいい。

ヒートクレイだけは破壊と薬品に向いてません、薬品で溶けないことはないですが松脂などに比べるとやたら時間がかかるので薬品で溶かす前提ならそもそもヒートクレイを選択する必要がなくなります。

一番溶けやすいのは松脂とモデリングコンパウンドのどちらかというのは松脂をどのぐらいの年度に調整しているかによって変わってくるので一概には言えません。

松脂とモデリングコンパウンドを溶かすのにアセトン、酢酸アミールという薬品を使います(またはシンナー)が、ヒートクレイは溶けにくいです。

中が空洞のものは松脂を詰めて作業が終わったら熱してある程度掻き出したら後はアセトンに沈めます。

あんまり漬け込むと金属の表面を傷める時もあるので気をつけましょう。

彫りの表面が荒れて全部やり直しってことになる可能性があります。彫った部分全部ハツるのはキツイですよ、、

あると便利な小物

固定と除去に使う小物
固定と除去に使う小物

固定する時と除去する時ですが写真の割りばし・綿棒・爪楊枝が大活躍します。

もうこれ無かったらできん。

100均やホームセンターで売っているものでとんでもない性能を発揮するものもあるので是非お試しください。

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彫金は最後の仕上げ彫りで終われば一番なんですが洗浄が必要な場合が出てきますので細かいところは薬品を染み込ませた綿棒や爪楊枝で洗ってから最後に洗浄機にかけます。

今回紹介している固定アイテムも最後の細かいところに入り込んだ松脂を掻き出すのに爪楊枝は大活躍します。

少し先端を濡らしてから揉んで箒状にします。

完全に私のオリジナルですが便利なので気になった方は試してみてください。

 

超注意!!

トロトロの松脂で火傷するとシャレにならないレベルの火傷になるのでやる人は超気を付けてくださいね、自己責任でお願いします。

筆者(上谷)とIMULTAの関係者は一切責任を取りません。

というか責任ある行動をとれない方は火事を起こしたりするので彫金はしない方がいいです。

文面だと嫌な感じに見えますが、家が燃えたり大やけどしてから後悔しても遅いと思いますのでご理解ください。

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IMULTA彫金師の上谷

IMULTAというブランドを展開している彫金師の上谷(ウエタニ)のブログです。彫金のハウツーとかお手入れの方法とか嫁さんのあるあるとか勝手気ままに書き連ねてます。気になる事があったら気楽に聞いてください。答えられる事は丁寧に答えます。わかんないことはわかんない。気が向いたら読んでみてください。