彫金のオススメ彫刻台とオススメしない万力・バイス。

彫金に使用する彫刻台・万力の解説
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こんにちは彫金師の上谷です。

今回はYOUTUBEでいただいた質問に回答する内容になります。

YOUTUBE動画へのコメント
彫金の万力について

質問内容は彫刻台や万力はどのようなものを使えばいいかという質問。

筆者の経験した中でのみの答えになりますが、一時期いろんなものを買って試していたので安価なものから現在筆者が使っている10万円オーバーの彫刻台まで色々と解説していきます。

初心者の方が彫金の知識を増やすために役立つ電子書籍を用意しています。

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目次

彫刻台と万力・バイスについて

▼動画で見たい方はこちらからご覧ください。

高評価よろしくお願いします。動画に関する感想や質問は動画のコメント欄へお書きください。

彫金(和彫り)で金属に模様を彫り入れる場合、彫る対象をしっかりと固定するというのが非常に重要です。

これは筆者が独学だろうが何だろうが関係なくマストなので、ここをちゃんとできないと彫金は100%上達しません。

彫金のやり方というのは色々あるので筆者はめったに「絶対」「100%」という表現をしませんが、これは100%です。

彫金の基本的な練習に関してはこちらの電子書籍を参考にしてください。

YOUTUBE動画で一緒に活用いただく内容になっています。

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彫金を始めるなら彫刻台と万力どっちがいい?

仕事の場合彫るもののサイズによって使い分けるので、一概に「これがいい」とは言えませんが彫金初心者がこれから練習を始めるのであれば間違いなく彫刻台です。

しかしちゃんとした彫刻台はそれなりのお値段がするので、とりあえず始めるのであれば安価な万力(バイス)をオススメします。

彫金は始める際の初期投資が結構かかります。

しかし専門の高額な工具を揃えなければ出来ないという事はありません。

高価な工具を買ってすぐに使わなくなったらもったいないですからね。

HARPの彫刻台

画像は筆者が一番最初に勘で購入した彫刻台です。

この彫刻台の後にもいろんな万力・バイスを購入して使いましたが、引っ越しをしても工房を移転してもこの彫刻台は捨てずにとっており、現在でも仕事で使ったりイベントの出展時に持って行ったりと現役で使用しています。(※20年近く使ってます。)

色々と試しているので断言できますが、この彫刻台は間違いなく良い工具です。

3万円しないぐらいだったはずですが、現在はネット上を検索しても出てこないので生産終了したのかもしれません。

間違いなく練習を続けるという確信があるのであれば彫刻台をオススメします。

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最低限、彫金を行うのであれば万力かバイス

最低限彫金を行うのであれば万力やバイスでも構いません。

ただあくまで最低限であることをご了承ください。

彫金するものをしっかりと固定できればいいのでネットで購入できる万力でも問題ありません。

細かなものを固定したい場合は過去に紹介したヒートクレイなどを使用しましょう。

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彫金で使用する万力を選ぶ時のポイント

彫金で使用する万力を選ぶ場合ポイントになるのは万力の開口部の大きさと挟んだ部分が回転する(向きを変えられる)かです。

開口部は70mmもあれば十分。

彫金は刃を入れる向きを頻繁に変えるので、挟んだものの向きを変えられるというのは必須です。

一方向だけからしか彫らないのであれば構いませんが、ちゃんと練習するのであれば向きを変える必要があります。

彫金をしたいなら絶対に買ってはいけない万力

向きと角度を変えられる万力

上の画像のような一部がボールのようになっていて、向きを変えられるとともに角度も変えられる万力は「彫金をやるのであれば」絶対に買ってはいけません。

彫金作業に向かない万力
彫金に向かないバイス

このタイプのバイス(フリーアングルバイス)はタガネを金づちで叩いた時に力が逃げるので「彫金には」全く向いていません。

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フリーアングルバイスが彫金に向いていない理由

フリーアングルバイスは他の万力やバイスと同じように机の天板を挟み込んで固定します。

図を見てわかるように彫金対象自体を固定する位置がかなり高い位置にくるので、タガネを叩いた時にバイスを固定した部分が支点となって力が逃げます。

弱い力であろうと強い力であろうとタガネを叩いた時の力が彫る対象にしっかりと伝わる事が重要な彫金においてここが致命的に向いていません。

非常に細く浅い線を彫るのであれば当然叩く力は小さくなります。

この時力が逃げる状態ではまともに彫り進める事が出来ないので全く練習になりません。

また強い力で大きなものを彫る場合でもバイスの固定部分とボール部分が支点になって力が逃げるので彫りたい方向に十分に力が伝わりません。

フリーアングルバイス自体を快適に使用するためには向きを変える際に動かすボール部分に定期的に油をさす必要があるのですが、油を差すと余計に力が逃げます。

つまり彫金に使用するにはフリーアングルバイスは構造的に向ていないという事です。

また使っているうちにボールを締める部分が摩耗してくるので、すぐにがっちりとした固定が出来なくなります。

この製品は彫金をすることを視野に入れていないと思うので仕方ありません。

彫金の上達の妨げになるレベルで彫りに向いていないので購入しないようにしましょう。信じられない方は安いものなら3000円程度で購入できたはずなので購入してお試しください。大いに後悔してください。

はじめは傾けて彫る方法は考えなくていい。

万力のポイント
彫金初心者の練習について

彫金を始めたばかりであれば彫る対象を傾けて彫る練習を考える必要はないので、万力・バイスが傾けられるかどうかは考える必要はありません。

フリーアングルバイスは一見便利そうに見えますがすぐに購入したことを後悔するはずです。

また平面でまともに彫れないうちに曲面や傾けた面を彫る練習をすると彫る時に無駄な力を入れる癖がつくのでオススメしません。

無駄な力(悪い癖)

  • 彫りの進行方向に力を入れる、進行方向に寄りかかっているような状態
  • 彫る対象にタガネを無駄に押し付ける力
  • 彫りを安定させるため以外の無駄な力み

どうしても初めから傾いた面や局面に彫りたいのであれば止めませんが、オススメはしません。

角度が変えられるバイスは安価で便利そうなので購入される方も少なくないと思います。

筆者の個人的な考えとしてはちゃんとした彫刻台に変えただけで一気に上達する可能性があります。

あくまで十分な練習をしているのであればという前提になりますが、力が逃げない彫刻台はそれだけで圧倒的に彫りやすく、弱い力でも余すところなく彫り(タガネ)に力を伝えてくれるので腕が上がったと感じる人もいるでしょう。

タガネを弱く叩いた時にしっかりと力が伝わるのは彫金の練習でめちゃくちゃ重要です。

専門工具で本当に汎用性が高いものや専門性の高い工具はどれも高額です。

その高額なものと同じ機能を安価なもので完全に置き換えられるというのはまずありえません。

特に彫りの深さを自分で調節できるようになると彫りのクオリティが一気に上がります。

しかし強弱をキチンと表現するには特に弱い力が彫る対象に十分に伝わる必要があるので彫刻台が適当なものだと練習の効果もなくなってしまいます。

まとめ

彫金に向いている彫刻台

彫金の初心者が最初に購入するのであれば開口部が70mm程度開いて(それ以下でも自分が彫りたいものを挟めるのであれば問題ない)、台が360度回転する・向きを変えられる万力をオススメします。

質問された方はすでに「彫金をするのであれば絶対に買ってはいけないバイス」を買ってしまっていたようでコメント欄で「使いにくい」と仰っていました。

本当に使いにくいかどうか確認したい方は買ってみてはいかがでしょうか?

筆者はちゃんとした彫刻台を購入することをオススメします。

IMULTAでした。

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彫刻台の効果は特に強い力で彫る時と特に弱い力で彫る時に発揮されます。

アクセサリーに模様を彫り入れるなど趣味の範囲での彫金で強く叩くような彫り方をすることはまずありえないので、毛彫りタガネの練習で極端に細い線を彫る時などが一番わかりやすいと思います。

興味のある方は毛彫りタガネの直線彫りの練習でお試しください。

彫金を独学するのであれば最初にどのような彫刻台・万力を使うかで習得速度が大きく違ってきます。

万力やバイスは近隣にあるホームセンターで実物を見て判断することが出来ます。

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この記事を書いた人

上谷 俊介のアバター 上谷 俊介 彫金師

彫金萬代表、彫金ブランド「IMULTA」を運営しています。

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