彫金師の上谷です。
今回は彫金模様を施したエングレービングリングの紹介です。
うちのブランド「IMULTA」では基本的に手作業の彫金で製作したものを販売しており、今回の商品は欧米で伝統的に用いられるアカンサス模様を取り入れています。
\IMULTAのオンラインショップはこちら/
アカンサス模様を全体に彫り上げたエングレービングのシルバーリング
アカンサス模様を一周彫り入れしたシルバーリング。
アカンサスは(acanthus)はアザミに似た植物、古くはギリシア時代の建築装飾にも使われていた大昔からある伝統的な文様の一種で葉っぱをデザイン化した柄になります。
このように書くと非常に古臭い模様だと感じる方もいるかもしれませんが、「モダンデザインの父」と言われたウィリアム・モリスが独自にアレンジしたアカンサス柄の壁紙のように定期的にデザインがリニューアルされながら継承されてきた模様です。
つまり古いとか新しいといった判断基準では測れないデザインであり、伝統的でありながらあらゆるアレンジが認められる稀有な文様だと言えます。
エングレービングでは非常にポピュラーな文様であれば葉先をどのように変化させるかで平面的なデザイン性だけでなく奥行きも生み出すことができるので絵画的な表現から視覚効果を利用した彫り方も可能です。
指輪という限られた空間を生かしたエングレービング
彫金模様やエングレービングを施す際に、彫る面積に対してどのように彫るかでどのように見えるかが大きく変わります。
彫刻する葉っぱの葉先を折り返したり奥行きを見せるようにうねるような配置にして彫る事も可能です。
このリングでは平面的に見せるエングレービングと奥行きのある彫り方の両方が用いられており、指輪をつけた際の面積が広い表側は葉先を折り返す奥行きが出る彫り方を組み合わせ、裏側に来る細くなる部分には平面的に模様がすっきりと見えるように彫金しています。
模様を黒くする「燻し」を入れた状態の場合、黒くなった線に目線が誘導されるので平面的に見えやすくなります。
しかし上記の画像のように燻しの無い状態だと全体的に視線が行くので少しの凹凸の組み合わせて模様に立体感が出ているのが画像でも感じられます。
どちらの見え方が優れているという事はなく好みの問題になりますが、模様の立体感が感じられる彫金がIMULTAの特徴です。
普段使いの服装に合わせやすいエングレービングの装飾
彫金した模様を黒く燻しているシルバーリングは人に少し悪目立ちするように感じるかもしれません。
筆者自身はこれらの模様の美しさを表現するために彫っているのでネガティブに感じることは一切ありませんが、普段使いに難しいと感じる方もいらっしゃるでしょう。
しかし燻しのない仕上げであれば非常に自然な表情でコーディネートすることが可能です。
どんなファッションをされているかは人それぞれですが、上記の画像を見てエングレービングリングが悪目立ちすると感じる方はいないでしょう。
シンプルなエングレービングアイテムを楽しみたい方にオススメのリングです。
IMULTAのシルバーリングは手作業で彫り入れを行っています。
ご購入はこちら
ケルト美術の組紐模様をアレンジしたシルバーリングをご覧になりたい方はこちらから
\IMULTAのオンラインショップはこちら/
\YouTubeチャンネルはこちら/
\Twitchチャンネルはこちら/