おすすめできない悪質な彫金教室の講師の話を聞いて、それはほぼ独学だと解説する。

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YOUTUBEの動画で変な彫金教室の講師の話を伺ったので動画にしてみました。

当然ですがコメント主様を批判する意図は一切ありません。

コメントをもとに動画を製作させていただく旨許可を頂いております。

個人的に今回お話を伺った彫金の講師は、お金をもらって人に教えるにはかなり問題があると感じましたので注意喚起の意味で動画にしております。

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目次

オススメできない彫金教室、デタラメと堂々巡りの指導。

冒頭で言った通り今回の動画とブログの記事内容は「お話で伺った彫金教室の講師の言っていること・指導内容がおかしいと」いう事を指摘する内容であり、コメント主の方を批判する意図は一切ありません。

▼動画で見たい方はこちらからご覧ください。

高評価よろしくお願いします。動画に関する感想や質問は動画のコメント欄へお書きください。

結論から言うと、正直なところこの講師は「彫金がうまく出来ないように誘導している」としか筆者には感じられない指導内容でした。

おかしな点となぜおかしいかという理由を解説していきます。

かなり悪質なインチキ彫金教室だなぁというのが個人的な感想です。

同じ内容で指導している彫金教室には行かないように気を付けましょう。

動画や本記事の感想はYOUTUBE動画のコメント欄にご記入ください。

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初心者に彫金のタガネを作らせるのはあり得ない

タガネ研ぎはただのお手入れとは違います

近年の日本の技術軽視の悪い面の一つとして「研ぎ」=「簡単なお手入れ」だと考えている方が少なくありません。

100円均一の包丁研ぎは筆者の家でも使用しますしかなり便利ですが、プロの料理人が行う包丁の研ぎと違うという事はわかると思います。

「タガネを研げることはすごいんだ。」とドヤ顔をしたいわけではないのですが、包丁研ぎでも「研ぎ」は明確に技術の一つの分野として確立されているものなので、ちゃんと研ぐことと100円均一の研ぎ機でガリガリやることはイコールではありません。

100均包丁研ぎでガリガリやれば切れ味は上がるでしょうが、プロレベルの用途を考えた研ぎのクオリティと一緒にはなりません。

これを彫金に置き換えた時、彫金をやったことがない人間・初心者にいきなり研ぎが出来ると感じるでしょうか?

タガネの形状も形状による彫り味の違いも分からない人間には間違いなくちゃんと研げないと断言できます。

つまりタガネを使用する感覚が全くない方が研ぐのは意味がありません。

(※後述していますが研ぎの経験として蓄積されない、されにくいので意味がないという事です。)

お金を払って技術(情報)を購入するはずの彫金教室でこの指導は、明らかに効率が悪すぎるうえに明確に上達を妨げます。(上達の妨げになる理由は後述しています。)

特にフリーハンドでのタガネ研ぎは自分で彫れない人間には出来ない

彫金タガネの研ぎ方に関しては筆者もフリーハンドでのタガネ研ぎとホルダーを使用したタガネ研ぎの方法二つの動画をアップしています。

「知りたい」というリクエストがあったので動画にしたのであって、誰にでもできるわけではありません。

2本の動画のうちのタガネホルダーを使ったタガネ研ぎ・成形であればホルダーを使って押さえるだけなのでフリーハンドで研ぐことに比べれば初心者でもできます。

▼動画で見たい方はこちらからご覧ください。

高評価よろしくお願いします。動画に関する感想や質問は動画のコメント欄へお書きください。

ただどの程度の角度の刃を作るとどのように金属面に入るかの知識が無い状態(または考えない)で行うと、これはあくまで「最低限刃を入れるためのタガネ」になります。

次の項で記述していますがタガネの製作は「こういった彫りのために必要」という考えを持って作る必要があるので、最低限刃が入るだけのタガネを作るのは学習の上では全く意味がありません。それどころがハッキリ言って初心者には悪影響です。

お金とってるんだからタガネ用意しておいてあげれば?

「最低限刃を入れるためのタガネ」でいいのであれば、お金を取ってるんだから用意しておいてあげるのが普通でしょう。

面倒ならば市販品を支給すればいいだけです。

そもそもこの方は「研ぎ」ではなく「彫り」を勉強しに来ているのですから、最初に研ぎをやらせること自体がおかしいですよね。

彫金のタガネ研ぎ・成形は最低限一定の太さで線を彫れるようになってから行うもの

タガネ研ぎやタガネの成形は最低限一定の太さで線を彫れるようになってから行うものです。※あくまで最低限

ある程度思い通りに彫れるようになってからでないとちゃんとしたタガネとして研げているか、狙った通りに成形できているかがわかりません。

つまり「タガネ研ぎやタガネの成形は最後に彫って確認するまでがセットなので彫りが出来ない人間がする意味がありませんし、なまじやったとしても結果を自分で判断できない以上研ぎを行った経験として蓄積されません。

筆者のように長い年月をかけて繰り返して行って覚えるのであれば別ですが、それであればわざわざお金を払って彫金教室に通う必要はないはずです。

この講師は最初に「自分用のタガネを作る」という事で作らせているようで「いかにもな感じ」を出しています。

ただいただいたコメントを見る限り、うまく出来ていないタガネを作った時に発生する問題点の全て躓いているようなので、残念ながらちゃんとしたタガネの製作は指導していないようです。

指導料を貰っていて、この指導の仕方はかなり悪質です。

出来損ないの道具で初心者を練習させる彫金教室

人生で最初に作るタガネは誰が作っても「出来損ない」です。

言い方は悪いのですが出来損ないの道具で初心者が練習してうまくなると思いますか?

もしその講師が最後に完璧に研ぎあげて手直しをしていないのであれば【初心者に出来損ないのタガネで練習をさせる講師】という事になります。

残念ながら筆者にはうまくいかないように誘導しているとしか考えられません。

後述していますが、刃先の入る(金属面に食い込む)感覚がないという時点で間違いなく研ぎ直しをしていないと断言できます。

過去の「彫金独学の本」を紹介した動画でも解説している通り、筆者は最初にタガネ研ぎに挑戦したため非常に苦労しました。

むしろ最初にタガネ研ぎに挑戦した事こそが、独学初期に彫金が上達しなかった最大の原因であるという確信があります。

彫金が上達しない原因を絞れなくなる

彫金に限らず何かを上達させるにはうまくいかない原因を確認して修正する必要があります。

筆者が考える彫金の独学が難しいと言われるポイントは「道具側の問題点」と「人間側(技術)の問題点」を絞ることが難しいという点だと考えています。

つまりこの場合、うまくいかないのはタガネが悪いのか人間側の技術的問題なのかという問題です。

仮に講師がちゃんとしたタガネを常に用意しているのであれば人間側の技術的問題であると考えられるので、姿勢が悪いのか叩き方が悪いのか持ち方が悪いのかといったトライ&エラーで問題点を洗い出すことで修正が可能です。

しかし道具も技術も問題がある状態ではなかなか絞り切れません。

特に初心者であれば技術的な問題があるのは当然なので道具的な問題を教室側で解決しておくべきでしょう。

そうでなければ何のためにお金を払っているかわかりません。

お金を頂戴して指導するのであれば、それを指摘して修正するべきだと考えますが、この講師は最初から独学と同じような状態(もしくはもっと悪い状態)に誘導していますね。

直接見て指導せず、基本姿勢すらちゃんと教えていない彫金教室

基本の姿勢すら教えていないのはかなり悪質

彫金教室に始めて来た方はおそらくほとんどの方が彫金の知識が全くない状態でしょう。(初めてではなくいくつかの教室を渡り歩いているような猛者もいるかもしれませんが)

お金を払ってちゃんと習おうと考えている方に基本の姿勢すらちゃんと教えないというのはかなり悪質だと考えます。おそらく教室に通うという事で本などを買わないという方もいるでしょう。

彫金で金属面を彫る時は大前提として姿勢が非常に重要であり、その姿勢というのは日常生活ではまずすることがない姿勢なので指摘されないとうまくいかないでしょう。

今ではYOUTUBEがあるので実際に彫っている姿をいくらでも見る事が出来ますが、筆者が独学を始めた頃は完全に本が頼りでした。

彫り終わった線だけを見てアドバイスはできるはずがない

見ないでアドバイス

コメントを拝見する限りちゃんと生徒のことを見ていないようですね。

「タガネを持つ腕の肘を上げる」などの超基本の姿勢すら教えていない上に彫っているところを見ずに彫り終わった後に彫り跡を見てアドバイスしているようです。

彫っているところを見る事すらせずに問題点を指摘するのはもはや超能力ですね。

彫った跡を見るだけという事は、彫っている時の彫り方に問題があるか、道具に問題があるかすらわからないはずですから彫金師としてどうこうという次元を超えています。

「初心者がやってしまう失敗あるある」を言うにしても基本姿勢の指摘すらしてないので、個人的にはちゃんと教える気がないから適当なことを言っているんだろうなという印象です。

それなら彫っているところを見る必要がありませんからね。

筆者はコメントから質問者の問題点を指摘して改善していますが、明らかに姿勢に問題がある状態だったので指摘できただけです。(電化製品に例えるとコンセントささってますか?レベル)

逆に言うとこの講師は簡単な数行の質問でわかる問題点の指摘すらもしていないという事です。

指摘できなかった or 指摘しなかった、どちらにしても人を指導すべきではないですね。

指摘できなかったのだとしたら、そんな人間が彫り跡を見るだけでアドバイスできるはずがありません。

もし彫り跡だけを見て完璧にアドバイス・指導ができるという方は彫金教室名など明記したうえでYOUTUBE動画のコメント欄にご連絡ください。

当方でまっすぐ彫れない原因を用意した直線を彫った銅板を用意して画像でお送りします。

※答えは「姿勢が悪いなど」

当然ですが解答の選択肢などは用意いたしません。

初心者が「なんでまっすぐ彫れないんでしょうか?」という質問をする時に選択肢は出てきませんし要因は一つではない時もありますからね。

▼動画で見たい方はこちらからご覧ください。

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タガネを持つ手を金属面についてはいけないのは彫金の基本

タガネを持つ手を彫金対象につく

彫金では彫る金属面、彫る対象またはそのまわりに手をついてはいけません。

仕事をする上では彫る位置がずれないように薬指をついたり覆うように手をつくことはあります。

しかし今回は「初心者が基本を身に着けるための練習方法」についての話なのでタガネを持つ手は絶対についてはいけません。

この講師は「最初に彫りを経験する時にタガネの角度の感覚を確認するためだけならば手を着いてもいいでしょう。」と言っていますが、これは逆に上達しなくなります。

なぜならタガネを持つ手を彫金対象やその周りに着くと間違いなくついた手に重心を置くようになるので、実際に指輪などに彫る時に重心を置く場所が無くなって全く彫れなくなります。

手に重心を置く彫り方に慣れた後に正しい姿勢の重心に直すのは非常に大変なので、おそらく矯正が出来ない方の方が多いでしょう。

最初こそ彫りの姿勢や重心をどこに置くかが重要になるので、この指導は全くのデタラメです。

明らかに間違った感覚を身に着けさせようとしています。

また「角度の感覚を確認するため」というのは意味が分かりません。

そもそもタガネはちゃんと研げているものであれば、刃が入る角度になったら刃先が金属面に食い込むのでわざわざ手をついて角度を確認する必要はありません。

刃先と指の二点で保持できる

上の図のようにきちんと研げているのであれば食い込んだ刃先と指の二点でタガネの角度を保持することができます。

手を添えないとタガネが入っていく感覚がわからないという事はきちんとタガネが研げていないか、刃先の角度に関係なく金属面に叩き込んでいるだけです。

指導が堂々巡りになっていて明らかに彫金の上達を妨げている

▼動画で見たい方はこちらからご覧ください。

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おそらく意図的に彫金が上達しない仕組みを作っている

ここまで読んできて「おや?」と思った方もいらっしゃるかと思いますが、この講師が言っていることは堂々巡りになっていて彫金が上達しない流れが出来ています。

刃の入る角度がわからないうちは手を添える→角度がわからない人間に最初にタガネの研ぎ(成形)をやらせる。タガネの刃はどのような角度にするかが一番重要です。

※これは完全に意味不明。

そもそも「こういう角度で刃が入るように作ろう、研ごう。」などを考えてタガネは成形するものなので、刃の入る角度の感覚がない方は作るたびに刃先の角度が変わってしまうはずです。タガネを作っても余計に角度がわからなくなります。

「自分用のタガネ」と言って作らせているのでタガネの刃が欠けたり切れ味が落ちたら自分で研ぎ直させるはずです。

おそらく言われた方もそういうものだと思って研ぐでしょう。

その時初心者が全く同じ角度で研ぎ直せるはずがありません。

もしくは「今回の角度では思った通りに彫れなかったからもう少し角度を変えよう」という考え方(発想)が初心者にはないはずなので研ぐことで改善することはないでしょう。

つまり「初心者が研ぎ直して刃先の角度が変わったタガネ」を使う事でまた刃の入る角度がわからなくなり、練習した後にまた研いでタガネの刃先の角度が変わるので、またわからなくなるという堂々巡りです。

さらに間違った姿勢・重心で練習させることでさらにうまくいかない要素を重ねています。

先述したように明確に間違った姿勢の彫り方をしても指摘せずに放置しているので、意図的にやっているのではないかという印象を受けます。

明らかにお金を貰って人に指導する内容ではありません。ハッキリ言って独学よりひどいですね。

前編・後編を合わせてみていただくと、この彫金教室はツッコミどころだらけでオススメできないどころの話ではありません。

  1. 基本姿勢を教えていない。
  2. 彫っているところを実際に見ないので間違った姿勢で彫っていることを指摘しない。
  3. 最初に手を着いてよいと誤った彫り方を教えている。
  4. 初心者に「自分用のタガネ」と言ってタガネを作らせたあと講師が仕上げをしていない。(後半の動画参照)
  5. 使いにくいタガネで練習させる。
  6. 彫り跡だけを見てアドバイスという超能力で指導している。
  7. 独学よりもさらに改善点を絞れない状態にしている。

これを見る限り意図せずにやっているとは思えませんね。

どう考えても意図的に上達しないようにしています。

彫金を人に習う上で一番のメリットはちゃんとしたタガネで練習ができる事

筆者が独学で彫金をやってきた中で一番苦労したのはタガネの成形である事は過去にも書いておりますが、その経験から鑑みるに人に指導してもらうのであれば何が一番のメリットに感じるかというと「ちゃんとしたタガネで練習できる事」です。

ちゃんと研がれた彫りやすいタガネで初めから練習していれば、比較にならないほど技術の習得が早まっただろうという確信があります。

彫金独学の難しいポイントはうまく彫れない時にタガネ・金づちなど道具側に問題があるか姿勢・叩き方などの技術側に問題があるかという事をなかなか絞れない事だというのは先述した通り。

さらに言うと道具側に問題があった時にどう修正すれば改善するかという事がわからないという事です。

技術的なことは彫金の書籍を読めばある程度「姿勢が悪かったのかな?」など試すことができますが、道具側の修正に関しては情報があまりないのでとっかかりがなく改善が非常に困難です。

現在はYOUTUBEがあるので昔よりは楽だと思います。

つまり道具側の問題点が全くない状態にして技術の習得に集中できることが彫金教室のメリットだと考えます。

ところが今回コメントでうかがった彫金教室は、初心者にタガネを作らせた上に文章を読む限り講師が仕上げで研いでもいないようです。

筆者の感覚だとこの彫金教室にお金を払うメリットは一切ありません。

現在では筆者が以外にも彫金の練習方法を紹介している方はいるのでYOUTUBEを見れば練習方法はわかりますからね。

▼動画で見たい方はこちらからご覧ください。

高評価よろしくお願いします。動画に関する感想や質問は動画のコメント欄へお書きください。

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彫金の基本的な情報やタガネを使った彫り方種類と独学のやり方などは以下の記事をご覧ください。

実際に真鍮を使用してハンドメイドアクセサリーに挑戦してみたい方はこちらの記事をご覧ください。

基本的な彫金の技法を用いて真鍮の槌目リングの作り方を解説しています。

簡単に手順のみを確認できる動画と製作の注意点も含めて解説した動画を用意しています。

彫金技法を用いた真鍮アクセサリーの作り方の基本を網羅した内容です。

彫金の独学方法や基本的な知識はこちらをごらんください。

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この記事を書いた人

上谷 俊介のアバター 上谷 俊介 彫金師

彫金萬代表、彫金ブランド「IMULTA」を運営しています。

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