【初心者向けシルバーアクセサリーの作り方】ロストワックスの種類と使い方について解説

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目次

初心者向け ロストワックスの種類と特徴を徹底解説(色・形状・用途)

切ったチューブワックスとケースに保管されている切断前のチューブワックス
チューブワックス

実際に作業をする前に見ておくといい動画はこちら↑

今回はこちらのチューブワックスを使って指輪を作っていきます。

作る指輪はこちら

モデリングワックスで製作したポッコリとした指輪
ポッコリとした指輪

こんな感じでポッコリとしたシンプルな指輪を作ります。

…チューブワックスって何??

チューブワックスとは主に指輪を作る時に使用される筒状のワックスです。

それでは最初にロストワックス製法・ワックスモデリングで使用されるワックスについて紹介していきましょう。

彫金されたエングレービングシルバーリングが並んでいる
彫金されたエングレービングシルバーリングが並んでいる

シルバーアクセサリー作りやジュエリー制作で使用されるワックスとは

彫金で使うワックス
彫金で使うワックス

ワックスはその名前の通り「ロウ(蝋)」です。※蝋燭みたいな感じです。

ワックスモデリングはこのようなワックス(蝋)を削ったり溶かして盛ったりしながらアクセサリーやジュエリーの原型を作ります。

モデリングワックスの種類と形状について

ワックス(青)
ワックス(青)

モデリングワックスは基本的に「青・紫・緑」の3種類があり、それぞれの色で特性が違うので自分の好みに合ったものを買って使用します。

ワックスの種類の表記(箱書き)
ワックスの種類の表記(箱書き)

ワックスの箱にはこんな感じで「柔らかさ(柔軟性)」などの項目とワックスの種類が書かれています。

縦の項目がそれぞれのワックスの特性

  • 柔らかさ(Flexibility)
  • 手彫りでの彫り具合(Hand Carvability)
  • 硬さ(Hardness)
  • 機械での高速削りだしに向いているか(High-Speed CNC)
  • 粘度(Viscosity)

これらが表記されています。

いくつかの項目は微妙にかぶっている感じがすると思いますがそれぞれ解説していきます。

柔らかさ

そのままワックスの柔らかさを表していて「粘度」と微妙にかぶっています。

この場合の柔らかさは柔軟性という意味で厚みの無い造形をした時に柔軟性がないグリーンワックスなどはパキパキと割れてしまう事が多々あります。

逆にブルーワックスは薄く作っても割れずに多少曲げることが可能なくらい柔軟性が高いので初心者向けと言われています。(※ガッと曲げる時は火で軽くあぶりながら曲げましょう)

手彫りでの彫り具合

スパチュラやデザインナイフ・タガネを使って手作業で彫る時の具合をあらわした項目です。

手作業で模様を彫りこむ時はある程度の硬さが必要になるのでそれぞれワックスでも向き不向きがあります。

硬さが必要ならグリーンワックスが一番いいんじゃないの??

確かに硬さが重要になるのですが同時に「粘り(粘度)」が重要になってきます。

グリーンワックスは粘度があまりないので、厚みがあまりない薄いワックスに模様を彫っている時の負荷に負けて割れてしまう事があります。

金属加工の仕事をしている人などは「靭性(じんせい)の違い」というとわかりやすいと思います。

よほどぐりぐりやらなければ割れることはありませんが、金属を彫っている時の感覚でやると割れます。

硬さ

これはそのまま硬さを数値であらわした項目。

「青・紫・緑」の中ではグリーンワックスが一番硬いです。

「一番硬いグリーンワックスがプロ向け!!」っていう人もいますが全然関係ありません。

硬さがそこまで重要なら金属造形して原型を作ればいいだけ。

グリーンワックスの一番の魅力は最後の項目で紹介する「粘度」です。

機械での高速削りだしに向いているか(ハンドメイドでは不要の知識なので読み飛ばし推奨)

この項目を分かりやすい言葉で書くとこういうことになります。

CNCとは「Computer Numericak Control」の略で旋盤などの機械(フライス盤など)のコンピューターデジタル制御の事を言います。

ワックスは「蝋(ロウ)」なので熱に弱く高速回転した工具の刃との摩擦熱で溶けてきてしまうので「硬くて溶けても粘度が低い物」または「硬くて柔らかさ(柔軟性)が無いもの」が向いています。

高速機械切削に向いているかの項目なので趣味レベルで作るのであればこの項目は無視しても問題ありません。

一応リューターを使用する時に少し気になる人もいるかもしれないので補足
  • ジルコニアのロータリーバーやワックス用のラウンドカットの先端工具(刃が三枚のやつ)を使う。
  • 切削面が熱を持たないように休み休み作業する。

この二つに気を付ければリューターを使用した切削作業中にワックスが溶けだすことはありません。

私は地金加工用のラウンドカットの先端工具もワックス加工で普通に使ってます。

ワックスモデリングに使う工具

次は非常に重要な粘度についてです。

粘度

ワックスペンを使い、青いモデリングワックスを溶かしている彫金作業の様子。ジュエリー制作におけるロストワックス製法の原型制作工程。

ワックスモデリングをする時に削ったワックスの粉溶かして必要な場所に盛ったり削り過ぎてしまった場所の修理を行います。

ワックスモデリングで溶かしたり盛りつける作業に使用する工具

  • アルコールランプで熱したスパチュラ
  • ワックスペン

アルコールランプとスパチュラで自由自在にワックスを扱う人もいますが、そこまでできるようになるにはかなりの練習が必要になります。(あと燃料用アルコールは結構減るのが早いので地味にお金かかります。)

ワックスペンを持っていると作業がドえらい楽になるので買っておきましょう。

この粘度というのは溶かした時のトロトロ具合をさします。

グリーンワックスは粘度が低いので「盛る」作業に非常に向いていて、逆にブルーワックスはトロトロになった時にある程度温度を上げても糸を引くぐらいの粘度があるため扱いが難しくなります。

それぞれのワックスが溶ける最低限の温度でいじった場合も糸は引きます。最終的には慣れ。

「青・紫・緑」の順で溶けやすくなっていますが溶ける温度にそこまで大きな差はありません。

油断すると溶けたワックスが垂れて火傷するので気を付けましょう。

最初はどれでもいいからとにかくモデリングワックスを触ってみる

結局どれが初心者向けなの??

ワックスモデリングをこれから始める方で、「青・紫・緑」のワックスのどれが初心者向けかというのが気になると思いますが、筆者は初心者にはどのワックスを使ってもそんなに変わらないと考えています。

一応ブルーワックスが初心者向けと言われていますが取りあえず買って触ってみるのがオススメです。

それでも強いてどれがいいかというと、一応個人的には紫が一番いいと思ってます。

それよりも初めて買うのであれば「どの色のワックスにするか」よりも「どの形のものを買うか」を重視した方がいいです。

次の「ワックスの種類(形状)とそれぞれのワックスの用途」でも書きますが、最初はこのスライスされたタイプのワックスを買うのが絶対に一番楽しいです

では続いてワックスの種類と用途について紹介します。

ワックスの種類(形状)とそれぞれのワックスの用途

市販されているワックスには色々な形状のものがあります。

  • ブロックワックス 
  • スライスワックス
  • スプルーワックス
  • チューブワックス
  • シートワックス

ブロックワックス

ワックス(青)
ワックス(青)

大きいブロック状のワックスを自分で切り出して造形します。

大きなものを自分の感覚で作れるので、でかいペンダントトップとかデカいスカルとか、とにかくデカいものを作ることに向いています。

薄く切ったりすればいくらでも好きな形にできるので、ブロックタイプを買う事は間違いではありませんが、繊細なアクセサリーを作りたい人には「でかい塊から切り出す」という工程が増えるのであまり向いてないと思います。

イベントとかでどんなワックスがいいか聞かれた時にブロックタイプはやめとけって言ってるよね。

筆者は初心者にブロックタイプのワックスを勧めない事にはちょっとした理由があります。

筆者が初心者にブロックタイプのワックスを勧めない理由。(大した理由ではありません。)

  1. 工具屋さんでワックスを買ってワクワクしながら帰ります。
  2. 帰ってからワックスを切り出します。
  3. 思ってたよりも切るのが大変です。 ※「真っすぐ切れない」などストレスが溜まります。
  4. ブロックワックスを切り出すだけでちょっと疲れます。
  5. 細かな造形に入る前にワクワクが薄れます。

人によっては気にしないと思いますが、初心者の頃は作業工程を少なくした方が気軽に作れるし楽しく作業ができるのは間違いないので、目的の形に近くできるだけ作業工程を省略できる形状のワックスを購入しましょう。

スライスワックス

スライスされたワックス
スライスされたワックス

ペンダントトップを作りたい系初心者ととりあえずワックスに触ってみたい系初心者には一押しのスライスワックス。

ブロックワックスと違ってある程度自分で切る手間が省けます。

スライスワックスであれば最悪糸鋸は無くても大丈夫です。(※あった方がいいけど)

カットされているサイズもちょうどいいので作業しやすいです。

またある程度のサイズで切られた塊のワックスがあった方がワックスペンでこそぎ取ってもる作業に使いやすいのもオススメ。

スプルーワックス

スプールワックス
スプールワックス

ひも状のワックスで、巻き付けたり植物のツタを表現したり単独で使用することも可能ですが、他のものと組み合わせて使用することが多いワックスです。

太さにはかなり種類があるので太いモノであればシンプルなリングなどの原型はあっという間に作ることが出来る優れもの。

とても柔らかく、細いものは保管状態が悪いと机の中でくっついて一つになってたりするので注意が必要です(※特に真夏)。また空気に触れている状態で放置してカピカピになってしまうと柔らかさを失ってポロポロと崩れて使い物にならなくなるので箱がない人は100均のチャック袋にでも入れておきましょう。

スプルーワックスの中でも色々と形があるので購入する時は箱の裏に書いてある断面図を参考にして購入します。(上の画像が箱の裏面)

チューブワックス

チューブワックス
チューブワックス

指輪の造形に使用するワックス。

今回の指輪の作り方の材料はこのチューブワックスのみです。

小分けにカットされたものも売っているので自分で切り出すのがめんどくさい人は、カット済みのチューブワックスを購入しましょう。

切り出した時に出るワックスの粉が作業途中の「ヤベ、削りすぎちった。ちょっと盛って直したい。」に使えるので現状ワックスの粉など「盛る用の端材」がない人は切ってないチューブワックスを購入することをオススメします。

シートワックス(パラフィンワックス)

シートワックス
シートワックス

シート状のワックスで厚さが色々あります。

ドライヤーで軽く温めるだけで簡単に造形できるのでロストワックス製法の本だと花の形したアクセサリーを作るためのワックスとしてよく登場します。

実店舗で購入すると曲がらないようにダンボールを当て紙にしてくれるますが、トートバッグに雑に突っ込んだりしてると帰り道で折れてることもあるので注意が必要です。(※実体験)

デザインナイフで必要な分を切って使用します。

シートワックスもかなり柔らかいので、雑に保管してるとどっかにベタッとくっついたりするので注意。

粘度を抑えると作業しやすくなるのでベビーパウダーを表面にまぶしてから作業するとサクサク作業できます。

最初は切った力でシートワックスのふちがベロンと反り返ることも少なくないので慣れるまではちょっとストレスがたまります。

保管にはクッキングシートとチャック袋を使って乾燥しないようにしましょう。

※乾燥したら使えないわけではないというわけではありません。

作り方はこちらの記事をご覧ください。

IMULTAでした。

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実際に作業をする前に見ておくといい動画はこちら↑

ワックスを盛る方法はこちらからご覧ください。

ワックス造形で透かし彫りをする場合は糸鋸の知識が大事なのでこちらの記事をご覧ください。

金属を切り出して真鍮・シルバーアクセサリーを作ってみたい方はこちらの記事をご覧ください。

またどんな作業をするかで必要な作業台の内容が変わってきます。

高額な彫金専用の作業台が必要がどうかで言うと正直筆者は「絶対必要とは言えない」と考えているので、始める前にしたの記事をご覧になって本当に彫金専用の作業台が必要になるか確認してみて下さい。

ほとんどの場合は普通のオフィス机で事足りるはずです。

IMULTAでした。

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この記事を書いた人

上谷 俊介のアバター 上谷 俊介 彫金師

彫金萬代表、彫金ブランド「IMULTA」を運営しています。

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