こんにちはIMULTAの彫金師、上谷です。
15年働いてきてIMULTAのというブランドを独立開業しております。
「読む彫金教室」の一環で彫金の機械工具のリューターを使う上で用いる先端工具について紹介しています。
という訳で今回も造形に便利なリューターの先端工具に関して書いていきます。
リューターも安い買い物ではありませんので買う前の参考になれば幸いです。
アクセサリー作りに使用できるリューターの基本的な使用方法と先端工具(ビット)について知りたい方はこちらをご覧ください。

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リューターの先端工具について書く、ソロバン編。筋目・溝を入れていく先端工具
工具紹介「スチールバー No.414」
今回紹介するのはこちらの先端工具です。
ソロバンの玉に似てるので基本的に私は「ソロバン」と呼んでいます、「円盤」なんて呼んでるところもありましたね。
ちなみにBusch(ブッシュ)はこの先端工具を作ってるドイツの会社さんの名前なので商品名ではありません。
彫金工具屋さんに行って先端工具を売ってたらスチールバーは大体この会社のものです。一時期「パンサー」という会社かブランドの先端工具(ビット)を見ましたが最近はあまり見ないですね。
このブログを書くにあたって正確な商品名を調べなきゃな~と思って調べたら
商品名は「スチールバー No.414」
商品名というか型番しかなかったか、そりゃアチコチで呼び方変わるわ。
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使い方
- 石留
- 金属造形(切削)
用途はこの二つです。
そもそも使い始めたのは宝石をチョコ留め(宝石の留め方の一種)する時に宝石をはめ込む穴の内側に軽く溝を付けたくて使いました。
ただせっかく買ったのに用途が一つしかないのではもったいないので、あれこれ使っていたら最終的に金属造形(切削)に使った方が便利だという事がわかりました。
実際チョコ留めの時は使わなくても大丈夫です。
この工具を作っているBusch社の公式Youtubeチャンネル(←最近検索しても出てこないので削除されているかもしれません。)でも使い方としては共有連マス留めの照り返しを作るために使用されています。

金属に正確な筋を入れていく事ができるので当然ワックス造形でも楽々使えます。
※ワックスを削る時はリューターの回転数を上げすぎると熱を持ったワックスが溶けて、目詰まりを起こすので回転数は低めにしましょう。溶けたワックスが詰まって固まってしまうとあとのお手入れがめんどくさいです。
リューターの金属造形の時の使い方、ポイント
金属造形(切削)の場合は切削油は必須です。
補助の脂を使わないとあっという間に切れ味が落ちて使い物にならなくなるので必ず使いましょう。
色々切削オイルを買って試してきましたがラスペネが保管が簡単で一番使い勝手がいいです。
元々は防錆油なので金属の保護にも役に立ちます。
このサイズのラスペネを1個買っておけば一生持つかもしれません。
金属造形の時は回転数は高めにして軽く撫でるように筋を入れていきます。
金属の場合はワックスと違い、回転数を低くして深く差し込むと抵抗が強くなりすぎて手元が回転に持っていかれてブレやすくなります。
アメリカのカーエングレービングの装飾方法の一つとしてスチールバーを当てた時の跡を全体に満遍なくつける方法があるので、使い始めにやってみると工具がどれくらい金属に食いつくかが把握できると思います。
これは装飾技法のひとつですが手元の感覚を養うのに最適なのでうまくなりたい人はやった方がいいと思います。
幅広いサイズのものがあります。
ただ1㎜のものはほぼ石留め専用で金属造形で使うには細かすぎるので、趣味レベルの人だとまず使わないはずです。
1.5mmのビットと3mmのサイズのビットを1本ずつ持っておけばとりあえず困ることはないと思います。
石留に使う予定がないのであれば3㎜1本だけで十分です。
使用するリューター
ちなみに私が使っているリューターはこちら。
以前の投稿でも書いていますがこの「Mr.Meister300」のひとつ前のモデルに「Mr.Meister200」というのがあります。
筆者も趣味レベルで彫金をやっていた時に 「Mr.Meister200」を使っていましたが、オーバーヒートしやすいのとオーバーヒートからの復旧に時間がかかるので一万円ちょっと追加して「Mr.Meister300」を買った方がおすすめです。
まとめ
かなり専門性の高い先端工具なので趣味レベルでは正直そこまで必要にならないはずです。
作業中の熱が特に集中しやすい工具のためラスペネは必須です。

IMULTA(@imulta_jewelry)でした。
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