今回はロウ付けが失敗する5つの原因を紹介&解説します。
非常に基本的なポイント4点を作業をする上で注意するポイント5点です。
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彫金のロウ付けが失敗する5つの原因
▼動画で見たい方はこちらからご覧ください。

今回は上記のロウ付け失敗の原因について解説します。
ロウ付けは火を使うので火事になる可能性があります。
ご自身で安全管理が出来ない方はロウ付けを行わないでください。火事になります。
安全対策に関してはこちらをご覧ください。

文章でもまとめているのでご覧ください。

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寄付するフラックスをちゃんと塗っていない、塗れていない

彫金だけではなくロウ付けでフラックスを塗ることは非常に重要です。
たまにフラックスを少なくする事を勧めているような方がいますが、失敗の確率が上がるだけなのでオススメできません。
フラックスをたくさん塗ったところで、ロウ付けの後でディクセル溶液につけ込めばフラックスは取れるので、数か所ロウ付けする程度であればフラックスの量を気にする意味はありません。

ロウ付け箇所が多くなって細かくロウ付けする必要があったり、ロウが流れてほしくないデザインがあるものを製作するのでなければフラックスの量を気にする必要はないと思います。
ろう付けしたい箇所が離れている、隙間が空き過ぎている。

ロウ付けをする場所はピッタリと合わさっている必要があります。
隙間を埋めるようなロウ付けもありますが、基本的に隙間がない状態にしてから行います。


溶けたロウ材は毛管現象で隙間に流れるので、ぴったり合わせておいた方が流れやすくなります。
木槌などで叩いて合わせるのもいいですが、ペンチを使ってグニグニと捻って合わせましょう。
後から木槌で叩いて整形すれば一緒です。
今回のYOUTUBE動画・本記事では見やすいように幅広のリングでロウ付けしていますが、このブログを見ている方の中には華奢なリングをロウ付けしたいという方もいらっしゃると思います。
やり方としては丸カンのロウ付けと感覚が似ているので変にリングだ丸カンだと意識せずに試してみましょう。

火力が強くなりすぎている。母材を熱し過ぎている

これは彫金など工業系のロウ付けではなくアクセサリーを作る場合のロウ付けに多いであろう失敗として、加熱する対象(母材)が小さいのでとにかく強い火力でくっつけようとすると母材を加熱しすぎる可能性があります。
また「母材(リングやペンダントトップなど)が溶けてしまう」という事もありますが、溶けたロウ材が自分の流れてほしい方向と関係ない方向に流れてしまいます。

上の画像は実際に真鍮リングの左側だけをカンカンに熱してロウ材を置いた時の流れ方です。(※動画参照)
これは以前アップした動画(下記)の内容と重複しますが、母材をカンカンに熱した場合のロウ材の流れを載せています。


過去の動画ではロウ材の流れやすい状態としてよい意味で紹介しています。
しかし逆に熱し過ぎると自分の考えた方向とは違う方向に流れてしまう事が少なくありません。
これをご覧いただくととにかく高火力でロウ付けするのがあまり良くないという事がわかりやすいかと思います。
ロウ付け箇所に汚れがついている

ロウ付けする箇所に油汚れなどがついているとロウ付けしにくくなります。
糸鋸作業で切削油を使って切った場合はロウ付け前に軽くきれいにしてからロウ付けに取り掛かった方が無難です。(※切削油はあくまで一例です。)
実際にロウが流れるのを抑止する薬品というのがあります。
それと近しい状態になっている可能性があるのであればちゃんときれいにしてから行ったほうがいいに決まっています。
最低限キレイにする方法としてはダイソーなどで販売されている除光液をオススメします。(※アセトンが含まれているもの)
松脂などで固定して彫ったもの、鍛造したものをその後ロウ付けするのであれば汚れを一度焼き飛ばすかラッカー薄め液(シンナー)で全体的に除去してからロウ付けすることをオススメします。
ブログでは安全性の高いアセトンを紹介しておきます。
ラッカー薄め液もAmazonや近所のホームセンターで購入できますが使用する場合は必ず換気しながら使用してください。(マスク必須、換気必須)
ロウ付けをやりにくい段取りで行っている。

うまくいかない時は単純にやりにくい段取りでロウ付けを行っている可能性があります。
動画内ではオーバーレイを例に出して解説していますが、実際に単純な指輪のロウ付けでもロウ付け箇所を上に向けないといけないという事はないので、指輪を正面に置いてロウ付け箇所の下にロウ材を置けば簡単にロウ付け出来ます。
動画では解説用に上を向けているだけです。
当然ロウ付けする際にロウ付け箇所を上を向けた方がいいものもあります。
つまり作業しやすい段取りというのがデザインやサイズによって変わってきます。
例えばロウ付けは温度が上がりやすい状況を作ってから行ったほうが作業時間の短縮になります。
ロウ付け台に接地面が大きい状態で母材を置いてロウ付けを行おうとすると、火を当てた母材の温度がロウ付け台に吸われてしまうので、母材自体の温度がなかなか上がらずにロウ付けに時間がかかります。
特に大きいものをロウ付けする場合は手順を変えるだけで作業効率とクオリティが全く違ってきます。

上の画像のティアラのようなサイズのロウ付けなどが良い例になります。
手間をかけるのが悪いわけではない
動画内では手間をかけるのが悪いことのように聞こえてしまうかもしれませんが、実際はやりやすい状況にすることが重要だという意味で言っています。
鋼線を使ってロウ付け対象を固定したり、爪を立てる際に一つ一つ穴を開ける、溝を作るといった作業がこれにあたります。
しかしアレコレと事前の作業をしてロウ付けしやすくなるのであれば問題ありませんが、余計なことをしていて実は逆に作業しにくくなっているという事もあるのでロウ付けを行う前に段取りを一度検討してみましょう。
▼動画で見たい方はこちらからご覧ください。

まとめ
今回は彫金のロウ付けで失敗の原因になる5つのことを解説しました。
実際にはデザインやサイズ、ロウ付けの順番などで色々と変わってきます。
しかし初心者のうち、何か所かロウ付けをする程度であればこの5点に気を付けるだけでロウ付けの成功率が格段にアップするはずです。
特に「フラックスをちゃんと塗る」事が最初は一番重要です。
文中で動画内の画像を使用していますが実際の作業を流しながら解説しているので、ぜひ動画をご覧ください。(単純にわかりやすい)

前回の記事のロウ付けのやり方を一緒にご覧になるとより分かりやすくなっています。

単純なロウ付けを実際に真鍮アクセサリーを作りながら行うと「私はこの段取りの方がやりやすい」という発想が出やすくなるので以下の記事で紹介している製作方法も参考にしてみてください。
一番シンプルな方法として真鍮の槌目リングの作り方はこちらをご覧ください。

少し手順が必要になるオーバーレイのロウ付け方法が含まれている製作方法はこちらをご覧ください。

IMULTAでした。
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