こんにちはIMULTA彫金師(イムルタ )の上谷です。
今回の読む彫金教室は毛彫りタガネの彫り方練習、爪を立てる編。
石(宝石)を留めるのは興味ないよって方はあんまり役に立たない内容になってます。
基本的な毛彫りタガネの彫り方を工夫すれば宝石を留めることが出来るようになるので興味のある方は是非見て行ってください。
初心者の方が彫金の知識を増やすために役立つ電子書籍を用意しています。
毛彫りタガネの彫り方その3
今回の読む彫金教室は毛彫りタガネを使って宝石を留める爪を立てる方法とその彫り方の練習方法を紹介します。
少し練習が必要になりますがしばらく練習すれば出来るようになるので興味のある方は是非道具を揃えてやってみてください。
お手持ちのアクセサリー・ジュエリーに自分の好みで石をプラスできるようになります。
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毛彫タガネを使った爪立て
彫金で石を留めるのは「石留め」「彫り留め」と呼びます。今回はこの中でも爪を立てる事だけについて書きます。
他の方法もありますがそれはまた別の記事で紹介します。
ではまず今回の練習で必要になる道具の紹介から始めます。
石留に必要な道具
- 毛彫タガネ
- 魚子タガネ
- ルーペ
以上の3点になります。
前回の毛彫タガネの彫り方練習の直線彫りで練習に使った金属板を使うと楽かもしれません。
他にも彫金台とかヒートクレイなどが必要になりますが過去に記事で紹介しているので割愛します。
爪立ての練習方法
毛彫りタガネで爪を立てる時は基本的に留める石のフチまで彫り進めて爪を立てます。
前回彫った直線をボーダーラインに見立ててその線ギリギリに爪を立てます。(正式)
というのが正式っぽい練習方法をですが、オススメしません。
どんな感じかわからずに練習しても出来なくてストレスが溜まるので
まずは
・毛彫タガネを細ーく彫り入れて真っ直ぐ彫る
→叩きながらタガネを立てる。
とりあえずこれを練習します、多分10回ぐらいやれば
- どのくらい毛彫タガネを立てたら
- どのぐらい進まなくなって
- どのぐらいの爪が出来る。
これらがわかるようになりますので、横線に向かって彫るのはその後でいいです。
上の3つが分かっていればすぐに出来るようになります。
上の写真では少しずらしたり、前後で爪を立てたりしてますが順番を間違えると彫れない位置が出てきます。
例えば
- 爪立てる
- そのすぐ手前にもう一個立てたい
- さっきの爪が邪魔で彫れない
こうなります。爪の形や爪の向きにこだわらなければどうとでもなりますけどね。
今回爪になるのは今までの練習では彫り飛ばしてゴミになっていた金属片(彫り粉)の部分です。
今回は爪留めの説明ではないですが金属部分の装飾として使われるので魚子タガネで丸める方法も書いておきます。
このように持ちます。
ちなみにタガネと持ち手は別個に売ってます。
爪を丸める
爪を立ててそのままにしておくと危ないので丸めます。
爪は尖っていた方がかっこいいからデザインで残しておきたい?
お好きに。
人に怪我させないように部屋から持ち出さない方がいいですよ。尖った爪刺さると超痛いですよ^^
石を留める時は爪を宝石側に軽く倒して丸めます。
あまり強くやると爪が折れて、そのままの勢いで宝石を魚子タガネで突き刺す事になります。
爪を倒した後の丸め方
これは人によって色々方法があります。
爪の丸め方その1(練習ならこの方法を推奨)
今回の方法では立てた爪の足元が先端よりも広がっているので軽く先端を魚子で抑えてから足元をぐるっと魚子タガネでこそいでまとめる方法。
これが1番綺麗にできて1番難易度が高いです。ジュエリーに使われます。
超気をつけて
魚子タガネをクリクリやって足元こそぐ時に慣れないうちは爪を丸ごとえぐってしまうことがあります。
その時反対側の近い所に手を添えてたりすると勢いそのままにセルフブラッディースクライドする事になるので気をつけましょう。私はスクライドらなかったですが、手のすぐ側を「ボッ」てなって玉ヒュンでした。
爪の丸め方その2
どんな方法でもいけるのが上から魚子タガネで軽く叩いて先端だけ丸くする方法。
これは昔々の刀の鞘(さや)の装飾などに使われています。
この方法の場合立てた爪の長さも装飾の一部だったりするので丸めきりません、彫り留めではまず使わないです(デザインによるけどね)。
パワフルに叩きすぎると爪ごと下の金属に魚子タガネがめり込みます。「始めから魚子で打ったのとかわらないじゃーん。」ってなります。ソフトタッチでどうぞ。
※ちっちゃいハンマーを軽く落として叩く感じ、ここでも「持ち上げる叩き方」を使います。
爪の丸め方その3
爪を上から真ん中ぐらいまで押しつぶすように魚子タガネで丸める。
これは爪全体の金属部分も使って複数の石を留める時。
押しつぶすと言うとちょっと語弊があるんですが、爪と宝石以外に金属部分が見えないように留める時と言った方がいいですかね?綺麗に仕上がるのは結構難しいです。
ただこれは「皿もみ」という宝石をはめ込む穴を開ける時の技術が成功失敗のほとんどを占めているので、魚子か・爪が・毛彫がって話とはちょっと違います。
そもそもこの方法の時は毛彫タガネの登場率低め。
魚子タガネをグリグリしすぎて金属部分に魚子の跡が残ったら失敗です。
爪の立て方と丸め方は以上です、ルーペは細かい部分を見る時に要所要所使ってください、10倍ルーペで十分です。
ケガにはくれぐれも注意しましょう。
爪立ては簡単に練習できますが魚子タガネで爪を丸める工程はかなり神経を使う上に不用意に手をそばに添えたり、雑に強い力でやると破損、怪我につながります。くれぐれも注意してください。
私は責任を取れませんのであまりオススメしません。
今は趣味でもゆくゆくは仕事にしたいという方は怪我をしないように気をつけて練習してください^ ^
ちょっと長くなってしまったので毛彫りタガネの「筋彫り」に関してはまたの機会に書きたいと思います。
IMULTA(@imulta_jewelry)でした。
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