片切タガネ彫り方練習「鋤彫り」、読む彫金教室

彫金パネル
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こんにちはIMULTA彫金師の上谷です。

過去に投稿してきたタガネの練習方法が基本になるので、今までのを十分にできるようになったら全部彫れます。

今回は彫金タガネを使った彫り方の中でも地道な作業にある「鋤彫り」、おそらく趣味レベルでは必要にならない技術なので、読んでも参考にならないかもしれません。

というのも今回紹介する方法は物凄い地味でコツコツした作業なのでお仕事としてやる方以外には多分モチベーションが上がらないと思います。

一般的なエングレーブ加工とも違いますが立体的なものを彫るためには必須になる作業の一つ。

そんな注意書きを読んでもまだ読んでみたい人はどうぞお読みください。

初心者の方が彫金の知識を増やすために役立つ電子書籍を用意しています。

目次

鋤彫り(彫り落とし)

今回は鋤彫り(すきぼり)です。別名では「彫り落とし」、むしろ私はこっちで呼んでいます。

あれこれ本を読んでいたら「鋤彫り」の名称があったので今回はこちらで紹介します、多分これが正式名称だと思うので。

彫金の基本的な練習に関してはこちらの電子書籍を参考にしてください。

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what’s 鋤彫り

鋤彫りは模様周りの金属を彫り落して高さを下げていく彫り方を指します。

模様周りの金属部分を彫って無くし、物理的に模様が高い位置に来るので模様が目立つようになります。

高肉彫り(高彫り)なんかにも使われますね、これは技術云々ではなく完全に根気の作業になります。

ひったすら彫る、面積広いと「我慢大会かな?」ってレベルで黙々と彫り下げる。試されます色々と、、

どのくらい彫り下げるの?

どのくらい彫り下げるかは人次第&デザイン次第です。

大事なのは均一に彫り下げて模様が目立って見えるようにすることです。

0.2㎜彫り下げる場合と0.4㎜彫り下げる場合だと労力が全然違います。

0.8㎜の厚みがあるもので目いっぱい彫り下げるとかなり立体的に見えるようになるので、

大げさでなく平面から飛び出しているように見えます。

しかしかなり時間がかかります。

手作業でひと彫りひと彫り彫っていくので広い面積を彫り下げる場合などは想像を絶する労力がかかります。

高さを出したいだけであればワックスで立体的なモチーフを作ってロウ付けした方が手っ取り早いのでそちらをオススメします。

鋤彫りの利点

基本的に鋤彫りは無垢の素材(立体的なものがあったら中が空洞ではなくミッチリと詰まった素材)に使います。

彫金の中でも完全な彫刻作品を作るような感覚です。つなぎ目などが一切ない状態になるので頑丈な仕上がりになりますしロウ目(ロウ付けしたときのロウがついている部分)などの変色もなくなります。

How to 鋤彫り

鋤彫りはその名前の通り鋤のように表面を彫り取っていく彫り方なのでできるだけ片切タガネは平面で刃幅いっぱいに使って彫っていきます。当然狭いところは刃先などを使って彫ります。

真横に刃をペタッとつけて彫るのは意外と難易度が高いので少し傾けて彫って、その時の刃の深さを基準に彫ると後々全体を整えやすいです。

「片切タガネの彫り方練習その5」にしていますがきれいに平面に彫れるのであれば、どのタガネを使っても問題ないです。

・コツ

鋤彫りは平面になるように彫っていくので技術的に優れているかどうかよりも、「どの順番で彫っていくか、どの順番で彫ったらキレイにできるか。」という丁寧な彫り方が重要になります。

例えば彫りを入れる順番でも跡が残りやすい彫り方の順番そうでない順番があります。

最終的に平面にする場合、平面にならしたタガネで叩いて彫った跡をならしていく事もしますが、練習の段階としてはタガネのみでどのくらい平面に彫れるかを試してみるのがいいと思います。

・今回のメリット

今回の鋤彫りの練習をするとタガネの刃を入れた後に金属面と平行に彫るのがうまくなります。

最終的に曲面に彫る時は金属面に対してどのような角度で彫っているかわかっているかどうかが大事になります。

銅や真鍮の場合そこまで重要ではないですが、硬いステンレスだと刃を深く入れすぎるとあっという間に刃が欠けますし、柔らかい金などを彫る時は深く入りすぎると抉ったような跡になるうえに修正できませんので基本が身につく彫り方とも言えます。

IMULTA(@imulta_jewelry)でした。

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この記事を書いた人

上谷 俊介のアバター 上谷 俊介 彫金師

彫金萬代表、彫金ブランド「IMULTA」を運営しています。

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