初心者にもわかるリューターと先端工具(ビット)の使い方とコツ

リューター
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こんにちはIMULTA彫金師の上谷です。

今回は彫金で使用するリューターの先端工具の中でも削る系の先端工具をはじめ研磨するために必要な先端工具に関して解説しています。

「リューター・先端工具が何かとかもうわかってるからwww」って人は目次の「ロールサンダー」の項目から読んでください。(これをクリックしても飛べます。)

初めてリューターを使用する方、リューターの購入を検討されている方であれば確実に参考になる内容になっています。

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目次

リューターの削る系先端工具、ロールサンダーとシリコンポイント

リューター
リューター

このブログでは彫金(金属に模様を彫る事)と合わせて研磨、鍛金などなど全般的に彫金の工程に関して書いています。

筆者は全て手作業でやっていますが電動工具のリューターも使っています。

リューターってなに??

リューターは電動で先端が回転し彫金作業(彫金以外も含める作業)を効率的に進めることができる工具です。

上記のプロクソンのようなハンディタイプと筆者が使用しているMr.Meister HP-300のような据え置きタイプがあります。

ハンディタイプのリューター

リューターの中でも安価に購入ができ持ち運びに便利。ただパワーが少し弱めなので金属加工には不向き。金属加工ができないわけではない。

据え置きタイプのリューター

強力なトルク・馬力を持っており金属加工など負荷の強い作業でもオーバーヒートしにくい。価格が高め。安いものはオーバーヒートしやすく復旧に時間がかかる。

据え置きタイプのリューターはフットペダルを付けることによって足元の踏み込みで回転数を調整することもできるので非常に便利、ミシンみたいなものだと考えると想像しやすいです。

リューターのフットコントローラー
リューターのフットコントローラー

このブログで紹介する先端工具は紹介しているリューター(HP-300)以外では使えない、または付け替えのチャックコレットが別途必要になる可能性がありますのでご了承ください。

リューター自体に関してはこちらをご覧ください。

【2021年版】彫金に使用するリューターと先端工具を選ぶときのポイント。

また今回紹介するルーターは4万円ぐらいしますが「お金を出さずに手作業で金属を削りたい。」という方はこちらをご覧ください。

金属を削るために買っておくべき工具、用途別

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リューターの先端工具って何ぞや??

先端工具って何??

リューターは先端に別売りの工具を付けて使います。これが先端工具です。

リューターは「ルーター」って呼ぶ人もいるんでどっちも正解です。

先端工具は【ビット】と呼ばれます。【ポイント、ポインター】って呼ぶ人もいます

ロールサンダーを付けたリューター
ロールサンダーを付けたリューター

多種多様なものがあって用途によって付け替えて使います。

私のような彫金を独学でやっているような人間が初めて工具屋さんにリューターの先端工具を買いに行くと

どれを何に使っていいかマジでわかんねぇ…。

前知識なしで工具屋に行くと間違いなくこうなります。

リューターの先端工具(ビット)以外はなんとなく形状と、そばに書いてあるポップのようなものが貼ってあるのでわかるのですが、先端工具は膨大な数があるのでポップも少なくてわかりにくいものが多いです。

聞きづらい方もいると思いますがお店の人にしっかりと聞いて買うようにしましょう。

勘で買うと「買ってみたけど使い道がない。」という事が起きます。※独学あるある

彫金に使用するリューターと先端工具を選ぶときのポイント。

↑こちらの記事でも解説しましたがどんな工程に使う物が必要か??というのを確認してから買うのが無駄遣いを抑える方法です。

研磨用先端工具タンポポ
研磨用先端工具タンポポ

金属加工はリューターの使い方で作業時間が大きく変わる。

どの先端工具を使っても変わらないでしょ?と感じる人もいると思いますが、大きく変わります。

同じ種類の先端工具でもどこの会社のものか?または素材が何かによって違いが大きいです。

使っているリューターとの相性もあると思いますが、せっかく買ってきた先端工具が数回の作業で使い物にならなくなることも普通にあります。

ウザがられてもしっかりと用途などをしっかりと聞きましょう。(超重要)

筆者はそれが出来なかったので必要のない先端工具にたくさんお金を使いました。

リューターの用途別使い方と先端工具(ビット)の選び方

リューターの先端工具
リューターの先端工具

削る・磨く・穴を開けるなど用途に合わせて選びます。

ではとりあえず彫金をできるようにするにはどの先端工具を使ったらいいのか?

全体の工程の中でもリューターを使う工程と使わない工程があります。

自分がどのような作業で、リューターをどのように使いたいかに合わせて選んでいくことが重要です。

このブログで言う【模様を彫るという意味に限った彫金】ではリューターはほとんど使いません。

彫金を施すまでの金属造形と、彫った後(仕上げ彫りじゃなくて造形での彫りの後)に少しだけリューターを使うぐらい仕上げ彫りの角が丸まる(ダレる)ので仕上げ彫りの後は基本的に磨くにしても布にピカールとかコンパウンドをつけて手で磨きます。

先端工具で使ったとしても研磨ブラシで軽く表面を掃除する程度です。

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金属の表面を削るロールサンダー

ロールサンダー#1000
ロールサンダー#1000

サンダーは雷の方じゃなくてヤスリの方、紙やすりがサランラップみたいに巻き付いている先端工具です。

使い方は削りたい金属の表面にペーパーロールサンダーを押し当てて削ります。

紙やすりが高速で回転しているので、結構な速度で削れますが紙やすり側もヤスリ面が摩耗してあっという間に使えなくなります。

ある程度使ったら表面を剥いて新しい面を出して削っていくので、使っているうちにだんだんと細くなっていきます。

紙やすりの番手、数字が小さい方が面が粗くなるのでだんだんと番手を大きくして最低でも#1000までかけてから研磨するときれいに仕上がります。(写真のものは1000番)

リューターの使い方にまだ慣れていない時は、このロールサンダーが一番使いやすいです。

理由は#120の粗さのロールサンダーを除いてグリグリ当てても削り過ぎるという事がほぼないからです。

アルミのロウ付けなどを行って汚くなった金属の表面を整える作業に一番向いているのでアルミでDIYをしたい方には特におすすめです。

ただあくまで紙やすりなので#120(粗め)以外は微調整に使う程度で、例えば金属の厚みを0.2mm以上削りたい時には#120以外は向いていません。

高評価よろしくお願いします。動画に関する感想や質問は動画のコメント欄へお書きください。

ロールサンダーは金属工具の加工に不向き

金属の工具の加工についてですが、タガネなどの工具の形を「大きく」変える加工にロールサンダーを使うのは完全に時間の無駄です。

最後の仕上げで磨く段階でちょっと使う程度。

炭素鋼やハイス鋼を素材にした工具を造形していくには完全に削る力が足りないうえに、ムキになってロールサンダーをあてていると加工する金属に無駄な熱を与えることになるので工具の状態が悪くなります。

また無駄な負荷をリューターに与えるとリューター本体かハンドピースの故障のもとになるのでお勧めできません。

ちょっと専門的な話で

最後に焼き入れして硬くすればいいじゃん。

と言う方がいるかもしれませんが、ちゃんと熱処理して焼き入れ・焼きなましができる人間はそもそも時間の無駄になることがわかっているので、仕上げ以外の金属造形にロールサンダーは使いません。

研磨機を使って手早く形を決めましょう。

この研磨機は安価で超硬タガネを研ぐことができるのでオススメです。

研磨に使用するホイールは別売りです。

販売店によってはセットで販売していると思うので確認してから購入しましょう。

ツボ万
ツボ万ディスク

初心者にオススメなリューターの先端工具 マンドレールの使い方

マンドレール
マンドレール

ここまで書いてきた通り、リューターの扱いに慣れないうちはロールサンダーで均一に力を加えることが難しいのできれいに磨こうとしても金属の表面を波打たせてしまう可能性があります。(※ほかの先端工具でも同様)

金属の表面をきれいにならしたい時は小さく切った紙ヤスリをつまむ先端工具のマンドレールが、初心者には一番お勧めです。

マンドレールを買って100円で買える紙やすりを切って挟んで使った方が慣れないうちは効率がいいです。

マンドレールは先端工具の芯の部分の棒の名称です。

細く切った紙やすり
細く切った紙やすり

市販されている紙やすりをハサミでチョキチョキ切って挟みやすくします。

紙やすりを挟んだマンドレール
紙やすりを挟んだマンドレール

紙やすりを挟んだら巻きつけて使います。

細かい作業には不向きですが全体の凹凸をなくして均したい時はとても便利です。

マンドレール自体は非常に安い先端工具なので使い方を覚えて応用できるようになると非常にコスパがいいのでオススメです。

リューターを使って効率的に金属を削る&磨くシリコンポイント

▼動画で見たい方はこちらからご覧ください。

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シリコンポインター
シリコンポイント

名前の通りシリコンでできており、柔らかくて弾力性があるので使いやすい先端工具です。

先に紹介したロールサンダーよりもシリコンポイントの方が使いやすいのですが、一か所に力がかかりやすいので均等に削る・磨くには慣れが必要になります。

ただアクセサリーやジュエリーを研磨するうえで、どの順番で研磨をかけていくかを考えながら作業できないと逆に時間がかかります。

シルバーなどの金属を削る効率などで言うと、荒仕上のシリコンポイントを使えば上記のロールサンダーの何倍も作業が早くなります。

荒仕上のシリコンポイント
荒仕上のシリコンポイント
荒仕上のシリコンポイント
荒仕上のシリコンポイント

最終仕上げに使うシリコンポイントは金属面にグイグイ当ててもあまり減りませんが、画像で紹介している荒仕上げのシリコンポイントはすごい勢いで減っていくので(とは言っても一個60円ぐらい)、初めはガンガン使い捨てるぐらいの感覚で使いこむのをオススメします。

※減る=消しゴムのように使った分だけ減っていきます。

商品名はシリコンポリッシュ。

ポリッシュは磨くって意味ですが、これは鬼のように削れるのでいくら当てても光りません。

油断すると指とか爪ががっつり削れるので気をつけましょう、きつめの擦り傷みたいのができます。

削ると同時にシリコンポイントもカスになって舞うので作業中はマスク必須です。

リューターの先端工具(ビット)は使っていると熱くなる

高速で回転する紙やすりやシリコンポイントをシルバーなど貴金属の表面に押し付けて作業をするので、長時間押し付けていると持っている金属は摩擦熱で熱々になります。

手の皮が厚くなるまではとてもじゃないけど持ってられないです。

※たまに手の皮が厚いことをドヤッてくる人がいますが、別に手の皮を厚くする必要はありません。

リューターの使い方でアクセサリーがアツアツになる作業第1位が磨く(研磨)作業です。

それもある程度の種類の先端工具を使えば最小限に抑えることが出来るます。

研磨に使用する先端工具はこちらの記事で紹介しています。

リューターで金属を削るときは効率的に作業をしないとジュエリーが傷む

例えばロールサンダーでバカみたいに時間をかけて摩擦熱で手が熱い熱いと言ってる時間は無駄ですし、意味のない熱を与えるのはあまりよくないので作業は効率的にやった方がいいのは言うまでもありません。

白い荒仕上のやつが一番便利ですね(写真のシリコンポイント)、ドイツのEVE社製のシリコンポイントです。

何がいいかと言うとシリコン部分だけを付け替えて使うこともできるので廃棄するときも簡単。

他のマンドレール(リューターに差し込む金属の棒の部分)と一体化しているもの(松風のシリコンポイントなど)は使い終わった後ただの金属の棒になります。

一体化しているシリコンポイントも利点はありますが使いまわしのきくEVE社のシリコンポリッシュをオススメします。

このドイツのEVE社のシリコンポリッシュが世界で一番使われています。

ただ松風社製のやつは一体化している構造上、非常に薄いタイプのシリコンポイントがあり薄型のシリコンポイントは非常に使いやすいです。

薄いとクニャクニャ曲がるので側面を使って磨いたりもできるなど使い勝手に優れています。

シリコンポイントについては別の記事で詳しく書いています。

アクセサリー作りに便利!!彫金のシリコンポイント

透かし彫りで切り抜いた模様を整えるやり方は動画をご覧ください。

高評価よろしくお願いします。動画に関する感想や質問は動画のコメント欄へお書きください。

リューターの削る系先端工具、ロールサンダーとシリコンまとめ

彫金でリューターを使う時に一口で金属を「削る」といっても色々な先端工具が出てきます。

今回紹介したロールサンダーとシリコンポリッシュは比較的初心者でも使いやすくきれいに仕上げられるものとして紹介しています。

必要に応じて買い足していくのがベストですが、とにかく何を買ったらいいかわからないという方は使いやすいものから揃え始めると苦手意識が芽生えなくていいと思います。

金属の先端工具「スチールバー」に関しては種類が多岐にわたり、使いやすい・使いにくいの前に「何に使うのか」を考えて選ぶ必要があるので購入前に予習しておくと無駄遣いが減るはずです。

それらの先端工具に関してはほかの記事でそれぞれ紹介しています。

先端工具で金属をもっとガンガン効率よく削りたいという方はこちらの記事をご覧ください。

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細かな隙間をリューターで磨きたい方は研磨ディスクの使用をオススメします。

IMULTA(@imulta_jewelry)でした。

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この記事を書いた人

上谷 俊介のアバター 上谷 俊介 彫金師

彫金萬代表、彫金ブランド「IMULTA」を運営しています。

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