最近は副業感覚でハンドメイドが流行っている中で、自分で着けるにしろ販売するにしろ金属アレルギーについて気にする方は多いと思います。
以前ハンドメイドに使用する金属の特性(作るうえでの特性)について紹介したところ
作ったアクセサリーの金属アレルギーはどうなの??
このような質問を受けたので解説していきます。
順序だてて解説していく中で少し難しい言葉が出てきますが、全体をわかりやすくするためなのでご了承ください。
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ハンドメイドアクセサリーに使用する金属のアレルギーと予防
まず結論から言うと金属アレルギーが100%起きない金属はありません。
このブログを読んでいる方はご存じかもしれませんが筆者自身「自家感作性皮膚炎」というのを持病で持っているので、人生で何度も皮膚科にかかっています。
近年ではアレルギーフリー(アレルギー反応が出ない、出にくい)の金属素材とうたって販売されているアクセサリーがたくさんあります。
ただ冒頭で書いたようにどの人間に対してもアレルギー反応を起こさない素材というのは無く、全て【症状が出にくい】というのが実際のところです。
では過去にハンドメイドで使用する金属で紹介したものの中から、それぞれ金属アレルギーに関してはどんなものかというのを解説していきます。
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寄付するゴールドフィルドと金属アレルギー
これは以前の記事で
ハンドメイドで副業するならゴールドフィルドが一番おすすめです。
このように書いたのでその記事で一緒にアレルギーに関しても簡単に触れました。
ゴールドフィルドは数年前からのハンドメイドブームに乗って流行り始めた素材で、どこかのネット記事で「アレルギーフリーの素材として注目されている!!」なんて紹介のされていたこともありますが、これはウソです。
後述しますが【金(ゴールド)】がアレルギー反応が出にくい素材というのは事実です。
ゴールドフィルドとは何か??
ゴールドフィルドは真鍮を芯の素材として金を圧着させたもの。
14金を圧着させていれば14kgf、16金を圧着させていれば16kgfです。
ゴールドフィルドを紹介する時によく比較に出されるのが金メッキ、厚みと強度の違いこそあれゴールドフィルドも金メッキも金で表面を覆うという点では違いがありません。
強度の面で金メッキよりもはるかに勝るので表面の金が剥がれにくいというのが特徴です。
合金は何種類かの金属を合わせた素材。
そもそもゴールド自体が【アレルギー症状が出にくい】というものの、それは純金の24金を基準にした話です。
また金属の標準酸化還元電位をもとにした腐食に対する強さをもとに考えます。
つまり他の金属との合金である以上、ゴールド以外の金属成分がアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
ゴールドを使用したジュエリーでも「18金以上でないとアレルギーが出ちゃう。」という方がいるのはこれが大いに関係しているからです。※18金でもアレルギー反応が出ることはあります。
「18金以下だとダメなの。」という方は気取っているわけではなく、アレルギーの関係で体質的に着けられないという方が少なくありません。
ロウ付けしたゴールドフィルドの場合は完全にアレルギーフリーではなくなる
前提として14金や16金で覆っている時点でゴールドフィルドはアレルギー反応が起きにくい素材ではありません。(※アレルギー反応が出やすい素材でもない。)
ロウ材部分がアレルギー反応を起こす原因になる可能性がある。
「ロウ材」という接着剤の役割をするものを使って行うのですが、このロウ材というのは純金ではありませんのでアレルギー反応を引き起こす可能性が高まります。
ロウ付けで変色したゴールドフィルドは金が剥がれてしまっている可能性が高い
このブログではゴールドフィルドとシルバーのように異素材のロウ付け方法を紹介している記事があります。
問題なくロウ付け出来ているように見えてもロウ付けした後に変色している場合は、表面のゴールドが傷んでいると考えられるので使用しているうちに衣服などとの摩擦ではがれてしまう可能性が高いです。
結果アレルギー反応を引き起こす可能性があります。
真鍮アクセサリーの金属アレルギー
真鍮は銅と亜鉛の合金なのでアレルギーが出やすい金属と言えます。
特に銅がアレルギー反応の出やすい金属というのをご存じの方は多いと思いますが、実は亜鉛の方がアレルギー反応が出やすい金属です。
真鍮アクセサリーの緑青。
真鍮アクセサリーを着用していると緑青(青サビ)が出てきます。
昔は毒性があるとされていた緑青ですが、現在は緑青に毒性がないという事は厚生省が発表しており肌に付着したからと言って健康を害することはないようです。
とはいえそんな発表があるからと言って金属アレルギーが無くなるわけではないので注意は必要。
緑青は重曹で落とすことが出来るので気になる方はこちらの記事を参考にしてください。
シルバーアクセサリーと金属アレルギー
シルバーアクセサリーは真鍮や銅のアクセサリーに比べてアレルギー反応は出にくいアイテム。
ここまで紹介した中だと金が剥がれていないゴールドフィルドの次にアレルギー反応が出にくい素材です。
世の中でシルバーアクセサリーにはsilver925という素材がよく使われています。
これは92.5%がシルバーでそれ以外が銅やそれ以外の割金です。
ニッケルフリーのシルバーアクセサリー
シルバーアクセサリーの素材の中でニッケルを使用していない「ニッケルフリー」のシルバーが使用されているアクセサリーがあります。
ただそれでも銅は含まれているので100%反応が出ないという事はありえません。
アルミとアレルギー反応
以前のハンドメイドに使用する金属を紹介した中でアルミの使用を紹介しています。
強度的な問題があるのであまりオススメしていませんでしたが、腐食しやすいのでアレルギーも出やすいです。
ただ腐食するのは事実なので、肌に触れるアクセサリーに使用するのはあまりよろしくありません。
ちなみにアルミと同じように、アレルギーが出にくい金属として有名なチタンやクロムも腐食ができにくい状態になる金属です。ただこれらもあくまで「出にくい」なので人によっては反応は出ます。
ハンドメイドの時は作る方法によって反応が出やすくなる。
ワイヤーをヤットコ(ペンチ)で捻るだけであれば、ハンドメイド中にアレルギー反応が出ることはあまり考えられません。
例えば機械工具のリューターを使って金属をガンガン削ると、金属の粉末が空気中に飛び散るのでアレルギー反応が出ることがあります。
アレルギーは金属と人間の汗が反応して起きるので、夏場の暑い中作業する時に防塵ボックスを使わずに金属を削っているとアレルギー反応が出やすくなるので気を付けましょう。(※実体験)
アクセサリーやジュエリーによるアレルギー反応の予防
途中でソコソコ書いてますが、腐食しやすい(錆びやすい)ものはアレルギー反応が出やすい金属です。
アレルギー反応が出にくくするためには色々と方法がありますが、アクセサリーで一般的なものはメッキしている物を身に着けると反応は出にくいです。
シルバーの色味であればロジウムメッキがしてるものを選ぶなどすれば出にくくはなります。
もちろんニッケルフリーのシルバーもアレルギー予防の一つです。
IMULTAでした。
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