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彫金の石を留める爪を立てるロウ付けのやり方

こんにちはIMULTA彫金師の上谷です。

最近は新商品のパーツを用意したり金属パネルやゴルフクラブに彫金したりとと色々忙しくさせていただいています。

今回の読む彫金教室はロウ付けの小ネタについて書きます。

前回はロウ付けの火加減について書きました。

毎回書いてますがロウ付けの時は火事には気をつけましょう。雑にやると家が燃えます。

では早速書いていきましょう。

目次

彫金の石を留める爪を立てるロウ付け

今回は石を留めるための爪をロウ付けする方法について紹介します。

ロウ付けをするにあたっての安全管理はこちらの記事をご覧ください。

ロウ付け小ネタ

では前回ロウ付けについて書いたので関連してロウ付けの小ネタです。

小ネタと言っても一般的なロウ付けのやり方が分かったうえでの内容になるので実践的な内容です。

ロウ付けのやり方後編で書いた内容を踏まえて書いていますので読んでいない方は先の下のリンク先の記事をご覧ください。

・ロウ付けとは

溶接の一種、くっつけたい金属(母材)同士の隙間に溶けやすい金属(ロウ材)を熱することによって溶かし流し込む方法。

今回の小ネタは爪を何本もロウ付けする時の話です。

ロウ付けするときに金属同士が触れていないといけないので、不安定な場所には窪みを作ってそこに銀線などを置いて動かないようにしてからロウ付けをします。

これは銅、真鍮、はたまたシルバーなんかの貴金属も全部一緒。

では問題は爪を立てる時はどうしたらいいかというと、穴を開けて銀線を刺して固定してからロウ付けします。

石をはめ込む石座を作ったらその周りに銀線を差し込む穴を開けます。

銀線は0.8㎜の太さのものを使用しているので開ける穴の大きさも0.8㎜です。

こうすれば基本的に銀線が外れることはありません。

※金槌などで打ち込むのであれば穴は少し小さくても問題ありません。

銀線を差し込む穴を開ける

・穴を開ける正確な位置は「カニコンパス」とか「スプリングコンパス」を使って印を付けましょう。

ドリルで穴を開ける時に印を付けたところからずれてしまう。

それはもう練習するしかありません^^;

きちんとケガいてポンチを打ってくぼみをつけてから穴あけをするのであれば、そうそうずれることはないと思いますが、穴あけする対象のサイズによってはスプリングコンパスで最低限の目安を作るしかない場合もあるのでやはり練習が必要になります。

ケガキのやり方、道具

ボール盤を買っちゃうって手もありますが一般家庭では現実的ではないですからね…。

※別に高いものではありませんが場所を取るので一般家庭向きではありません。

穴あけをするコツは小さい口径の穴から少しずつ大きくしていく事です。

だんだん印からずれないように開けられるようになるといきなり大きい口径のドリルを使っても狙ったところに穴を開けられるようになりますが、ずれてしまったらやり直せない場合はやはり小さな口径のドリルから大きなものに変えていきます。

リューターで使用するドリルに関してはこちらの記事をご覧ください。

爪のロウ付け前の注意点

穴の開け方、深さなど。

爪を立てる貴金属の厚みがどのくらいあるかによってどのくらい穴を開けるかなんかも変わってきます。

穴を開ける時は大体3パターン

  1. 厚みが結構あるので(1.5㎜以上)1㎜ちょっとぐらいの穴を開けて挿しこむ。
  2. 厚みがあまりないので(1㎜未満)軽く穴を開けて第三の手で支える。
  3. 厚みがあまりないので(1㎜未満)穴を貫通させて銀線を通す。

1と2が全デザインで使えます。

3はデザイン的に使えない時もありますし、銀線がすっぽ抜けないように引っかかりを作ったり締めたり手間が必要になる場合もあります。

ちなみに「第三の手」はこの卓上ピンセットの事を言います↓

フラックスをどのくらい塗るか

フラックスは薄く塗ります。

フラックスをしっかり塗った、多くなってしまった時は軽く乾燥させます。

銀線を挿し込む穴の内側に水分がたまりすぎていると蒸発する時の力で銀線がポーンと飛び出すので気を付けましょう^^

天井までは届かなかったけどロケット花火ぐらいのスピードで発射されました

私は作業中は常に眼鏡をしていますが、仮に眼鏡をしていない状態で運悪く目に向かって熱された銀線が飛んできていたら失明していたかもしれません。

筆者のように想像力がない人間はすぐに怪我するので気を付けてください。

フラックス溶液を塗りすぎてロウ付け前に乾燥が必要な時は

  1. ブロワー(カメラのレンズを掃除するときに使う道具、DAISOで売ってます。)で空気を当てて乾燥させます。
  2. 乾燥するまで放置

乾燥するまで放置するときはロウ付け台の上に置いておくといいです。水気吸ってくれるんで。

ロウ材の形を工夫する

爪を立てるロウ付けに限ったことではなくロウ材の形を工夫するとやりやすくなる時があります。(置きロウの場合)

※金属線状のロウ材や粉末状のロウ材を使っている場合は出来ません。今回はシルバーを銀ロウを置きロウでロウ付けしています。

板状のロウ材の場合、安定しやすい形に切ってやることでロウ材の設置が楽になります。

形によって溶けるタイミングが変わってくるので慣れは必要になりますが、なんでもかんでも正方形でやろうとすると効率が悪くなるので今回のように何本も密集した位置にロウ付けするときは色々と形を変えるとサクサク進みます。

今回のように爪を立ててロウ付けする場合は温度管理のほかにフラックスを乾かすように火を当てるなどの考え方もポイントになってきます。

特に複数本の爪を一気にロウ付けする場合は重要になります。

まとめ

ロウ付けは火を当てる作業よりも火を当てる作業を楽にするための「前準備」が大事です。

彫金のろう付け作業の場合、小さな作業(溶液の準備、固定の仕方)の違いがロウ付けの精度を左右するので、色々と作業と検証を繰り返して、自分に合った方法を探すのをオススメします。

IMULTA(@imulta_jewelry)でした。

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この記事を書いた人

上谷 俊介のアバター 上谷 俊介 彫金師

彫金萬代表、彫金ブランド「IMULTA」を運営しています。

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