ティアラ製作過程、ロウ付け前

彫金・ロウ付けの火加減について書いてみる~181

こんにちはIMULTA彫金師の上谷です。

今日から1週間、東京はずっと雨みたいですね^^;(2019.6.30)

妻が「緑の魔女」という洗剤を使い始めてから部屋干しでも匂いが気にならなくなったのでオススメです^^

さて今回はロウ付けの火加減に関してです。

完全に私の独断と偏見をもとにしているので参考にするかどうかは自己責任でお願いします。

過去にもロウ付けに関して書いているので、ソコと重複していたら修正するので

気になった方はコメントからお願いします。

ロウ付けの火加減

ロウ付けは溶接の一種で彫金でよく使います。

火加減の前に

まず火加減の前に絶対的に注意しないといけないことがあるので

IMULTAの彫金製作ハウツーラボ

彫金のロウ付け作業の防火・防炎について書いています。彫金をやるなら必須の作業工程ですが適当にやると火事になるのでその前段…

IMULTAの彫金製作ハウツーラボ

彫金の作業工程の一つ、ロウ付けのやり方について前後編に分けて書いた後編です。前編は作業前の道具・防火について書きました。…

過去に書いたものを是非ご覧ください。

特に前編は防火・防炎に関して書いているので初めてロウ付けをやる方は絶対に読んでいただきたいです。

いつも読んでる方は「毎回火事に気をつけろ、火事に気を付けろ。しつこいよ。」って方もいると思いますが、

火事になってからでは遅いですからね。

 

火加減について

ロウ付けするときはロウ付けしたいものに対して十分な火力で熱すればすぐに作業が完了します。

このように書くとひたすら強い火力で熱すればいいように見えますが、

ロウ付けするモノの大きさに対して適切な火の強さが重要になります。

1mmしかないものに大きいガスバーナーの一番強い火力の炎を当てたらあっという間に溶けます。

結果「とにかく火力全開っ!!」みたいな考え方ではロウ付けはやりにくいです。あと上達しない。

 

爪をロウ付けする

特に大きな貴金属の土台(リングとかペンダントトップとか)に小さな爪をロウ付けしていく時は火が強すぎると

爪が溶けるので、ほどほどの火の強さでブロー(シュゴーッと火が出る状態)にして熱します。

私は小さいバーナーでロウ付けしますが(細い炎で熱したいので)

「そのぐらいだったら大きい方のバーナーでまとめてできるからwww」と言っていたロウ付けマスターもいたので

色々と方法はあるようです。

ちなみに私はそのマスターがロウ付けしてるところは見たことがありません。

いつか見せてもらいたいものです。多分もう会う事ないけど。




小さいものを大きなバーナーで熱する時

今から書くことは小さなものに限ったことではありませんが、

石座(石をはめ込む場所)を作る時など、

すごく小さいものをロウ付けする時にどうしても火が全体的に当たる時があります。

※ロウ付けする時、ロウ材はフラックスが塗ってあって最も温度が高いところに流れていく性質があります。

全体に火があたって全体的に温まった時

同じ距離で火を当て続けると狙ったところにロウが流れないので

温まったらバーナーを火力そのままで、母材である貴金属から遠くします。

火を外すのではなくて当てた状態で距離を取ります。

そうすると狙ったところだけ火力が弱くなっても火が当たり続けるので

一番温度が高い状態になりロウ材が引き寄せられて流れます。

※序盤に熱しすぎたらダメなんでタイミングは練習が必要です。

イメージとしては

「狙ったところの温度を一番高くする」よりも「狙ったところ以外の温度が下がるように火を遠ざける」

そんな感じです。

 

ロウ付けの練習の一環として

あくまで自己流の練習ですが一応書いておきます。

ロウ付けをするにあたってどのタイミングでロウが溶けるかを確認する必要があります。

ロウはフラックスが熱されてネットリした状態になった後にスゥッとなくなるタイミングで一緒に溶けるので、

どのくらいの量のフラックスをどの程度熱したらネットリ→スゥッになるか

確認しておくとロウ付けしやすくなります。※あくまで私の肌感覚。

 

ついでに固定方法としても練習する

以前の投稿でロウ付けの工具を紹介する時に「第三の手」という工具を紹介しました。

 

ロウ付けで固定するときに使います。

ただ複数のものを固定したい時は「第三の手」の用意がめんどくさいので

慣れが必要ですがフラックスを使った固定方法を紹介します。

フラックスは熱するとブクブク→ネットリ→スゥッの変化をするので

ブクブク→ネットリの状態になった時に固定したいものをくっつけて一回火を外します。

ちょっとすると冷えたフラックスは硬くなるので銀線などが固定されます。

固定したらそこでのんびりとロウ材を置いていくと第三の手を使わないでもそのままロウ付けできます。

ロウ付けをたくさんする必要がある時に一か所ロウ付けしてアツアツの状態で

立て続けにフラックス溶液に潜らせた銀線を乗せると同じように固定されるのでとても便利です。

ただあまりフラックスが多いと、再度を火を当てた時にブクブクして乗せた銀線が躍るので注意が必要です。




そもそも固定が不要な状態でロウ付けする

上記でフラックスの性質を利用した固定方法を書いていますが

ロウ付けするパーツを置きやすい窪みを作るのが基本です。

彫金の石を留める爪を立てるロウ付け~182

小さいパーツをロウ付けする時に便利

小さいパーツをロウ付けする時にフラックス溶液に一回潜らせるとやりやすいと書きましたので、

ひとつ注意点を書いておきます。

フラックス溶液に潜らせてすぐ、そのまま載せるとビシャビシャすぎてロウ付けしにくいこともあるので

フラックス溶液に潜らせたものはロウ付け台に置いておいて軽く乾燥させておく(水気を切る)と

ロウ付けの時にフラックスが変にブクブクすることがないのでオススメです。

※フラックスをどの程度付けるかはやってみないとわからないので慣れが必要です。

 

ロウ付けはやりやすい状態を作る

火加減と同時にロウ付けしやすい環境を作るのが大事です。

特に大きい貴金属同士をロウ付けするとなると

両方とも十分に温まる必要があるので熱しやすいロウ付け場を作りましょう。

デカい金属をロウ付け台にベタッと置いた状態で熱するとロウ付け台にガンガン熱が奪われるので

ハニカム台なんかを使って金属が他のものに触れている面積をできるだけ少なくするのが重要です。

火を強く!!とかはそのあと。

出来るだけ浮いた状態でやれるようにしましょう。

「ロウ付けの火加減について書いてみる」って書いといて最後それかいっ!!って感じですが

スーパー大事な事なんで^^;

 




まとめ

基本的にご自身に合った方法を見つけるのが一番だと思いますが、

私はフラックスをちゃんと管理すること

「狙ったところ以外の温度が下がるように火を遠ざける」という考え方に

到ってから劇的にロウ付けがやりやすくなりました。

今回紹介した方法が全ての方に適した方法だとは考えていませんが、

やみくもに強い火力でやって

「できないできない…(泣)」となるよりも

そもそものロウ付けの置く方法などを工夫して自分に合った方法を探した方がいいと思うので

参考材料の一つになれば幸いです。

 

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IMULTA彫金師の上谷

IMULTAというブランドを展開している彫金師の上谷(ウエタニ)のブログです。彫金のハウツーとかお手入れの方法とか嫁さんのあるあるとか勝手気ままに書き連ねてます。気になる事があったら気楽に聞いてください。答えられる事は丁寧に答えます。わかんないことはわかんない。気が向いたら読んでみてください。