アルミを使ったアクセサリーの作り方、透かし模様の指輪

アルミの透かし彫りリング
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こんにちはIMULTA彫金師の上谷です。

ハンドメイドを楽しむうえで頭を悩ませるのが材料費。

今回は比較的お手軽に購入出来て製作を楽しむことが出来るアルミを使った指輪の作り方を紹介します。

当ブログのお問い合わせで透かし模様の切り抜き方についても質問があったので、透かし模様の切り抜き方も簡単に解説します。

以前の記事でも少し触れた通り、アルミは材質の特性・費用的に透かし模様を切り抜く練習をする素材として非常に適しているのでいい練習方法がないか模索している方は参考にしてみて下さい。

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目次

アルミを使った透かし模様の指輪の作り方。

今回作るアルミ製の指輪を透かし模様を入れて作ります。

アルミの透かし彫りリング
アルミの透かし彫りリング

工程としては非常にシンプルにしてみました。

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透かし模様のアルミの指輪を作り方の工程一覧

今回の作業工程

  1. アルミ板を切り出す
  2. ドリルで穴を開ける
  3. 模様を切り抜く
  4. 指輪の形に丸めてロウ付けする
  5. 指にはめた時に痛くないように指馴染みを良くする
  6. 優しく磨く

たったの6工程です。

難易度の高くないようにまとめていますがある程度の慣れは必要です。

4番目の工程のアルミのロウ付けだけはちょっと難易度が高めになっているので、出来ないorロウ付けの道具がないという方はロウ付けせずにフリーサイズリングとして完成させるのをオススメします。

どの作業もケガをする可能性がありますがロウ付けは火を使うので特に注意して行ってください。

※不注意で火事になったとしてもIMULTAとその関係者は責任を負う事はありません。

始めてロウ付けをする方はロウ付けの工具や使い方について紹介した記事をご覧ください。

透かし模様のアルミの指輪を作るための工具一覧

今回使用する工具一覧

模様の切り出しに必要なもの(今回は透かしの指輪製作なので必須)

  • 糸鋸・糸鋸の刃
  • リューター(リューターは高くて買いたくないわ!!っていう方は手回しドリルでも可、ただ超メンドクサイ。)
  • ドリル
  • ヤスリ
  • 木槌
  • サイズ棒
  • 成形プライヤー(ちょっとお高め、無くても可)

ロウ付け道具(ロウ付け無しでフリーサイズリングにするのであれば不要)

  • 小口ガスバーナー
  • 耐熱レンガ
  • フラックス
  • ディクセル

研磨用道具(リューター無しであれば不要)

  • バフなど研磨用先端工具

一覧にしてみると工具がたくさん必要になるように感じますね。

最低限形にできればいいという方は「一番最初の模様の切り出しに必要なもの(今回は透かしの指輪製作なので必須)」だけあれば作れます。

今回紹介したもの以外にも彫金に使用する工具を知りたい方はこちらをご覧ください。

それではそれぞれの工程を紹介していきましょう。

アルミ板を切り出す

工房に合ったアルミ板
工房にあったアルミ板

アルミは小さなサイズで販売されていることはほぼないので大きなアルミの板から指輪に使用する分の長さを切り出します。

※業者から寸法を指定して購入する方法はありますが、それだとお手軽感がイマイチなのでホームセンターで売られているような気軽に購入できるものを使用する前提にしています。

Amazonでも買えるので簡単に手に入ります。

今回の指輪製作に使用するアルミの厚みは1mm、どの程度の太さの指輪にするかはそれぞれの好みで決めてください。

アクセサリー製作系の記事では毎回書いていますが、同じように作れば自分の好きなデザインのものを製作することが可能です。

ただ今回の指輪はタイトルの通り、透かし模様を彫っていく前提です。

あまりにも細くて繊細な指輪を作ろうとするとそれなりに技術や練習が必要になるので、始めたばかりの方は太めの指輪にした方が気楽に作業出来ます。

アルミを切る時は曲がらないように注意

切る目安になる線をつける
切る目安になる線をつける

今回使用するアルミの厚みが1mmしかないという事もありますが、アルミはそもそも強度が高くない金属です。

力任せに糸鋸を動かすとすぐに変形してしまうので要注意。

最終的に指輪の形に丸めるので、その範囲で変形するのであれば最終的な完成に影響がないと言えます。

しかし透かし模様の切り抜き作業の途中で変形すると糸鋸を動かす時に引っかかりやすくなるなど、作業にストレスを感じる事が多くなるので途中で変形することがないように作業を進めることがポイントになります。

このブログでは彫金の練習には真鍮が一番だとオススメしているのは、真鍮はそれなりの強度があるためそれほど気を使わなくてもよほど薄くない限り、ふいに変形してしまうという事が少ないからです。

ハンドメイドで金属を加工する時はマスクとメガネを着けましょう。

どの金属を加工する時も一緒ですが金属を切ったり削ったりと加工をする時は必ずマスクをしましょう。

粉状になった金属が呼吸器の疾患の原因になる可能性があります。

同じ理由でメガネも必要なので100均で水中眼鏡を買っておくなど対策をしましょう。

長時間作業をした後に眼鏡のレンズが粉まみれになっているのでその重要性がお分かりになると思います。

個人的な感覚ですがアルミは粉状になって舞いやすく感じます。

あとアルミは切ったりする時にめっちゃ臭いのでマスク必須です。

ドリルでアルミ板に穴を開ける

切った後デザインを書き込んだアルミ板
切った後デザインを書き込んだアルミ板

板を切り出したら切り抜きたい模様をアルミに書き込みます。

金属にデザインを描き込む時は100均で売っているような油性ペンで問題ありません。

※私はマッキーケアの極細を使ってます。※両端が細いので超便利。

こだわりたい方はホームセンターで売っているような金属用のマジックを用意しましょう。

デザインを書き込んだら切り抜く部分に糸鋸を通すための穴を開けていきます。

リューターを使ってアルミ板に穴あけをする。

リューターとはジュエリー製作や歯科技工士さんの原型製作、ハンドメイドなどに使用される機械工具です。

今回使用するのはこちら。

リューター
リューター

Mr.Meister HP300です。

お値段と性能の兼ね合いを考えるとこれが一番おすすめ、趣味のハンドメイドであればパワーが足りないという事はないでしょう。

先端にドリルの刃を付けて穴を開けていきます。

糸鋸を通すためにドリルで穴を開けたアルミ板
糸鋸を通すためにドリルで穴を開けたアルミ板

ドリルの刃の太さはデザインの細かさによって使い分けますが細すぎると折れやすかったり使いづらいので、どんなに細くても初めは0.8mm以上の太さのドリルを使う事をオススメします。

ドリルでアルミ板に穴を開ける時はアルミ板の下に突き抜けたドリルを受け止める板を敷いて穴あけ作業をしましょう。

そのままやると机が穴だらけになります。

リューターのドリルについては別記事で解説しています。

アルミの穴開けは手回しドリルでも出来ることはできる(非推奨)

手回しドリル
手回しドリル

手回しドリルでも出来ることは出来ます。

特に今回はアルミを使用するのでそこまで強度もなく、ちゃんと固定さえすれば真鍮など比べて比較的簡単に穴あけができます。

ただドリルをもってハンドルを回すので両手を使う事になります。

クランプやバイスで固定するなど手間がかかってかなり面倒に感じると思うので、正直お勧めできません。

アルミ板の穴に糸鋸を通して模様を切り抜く

模様を切り抜いたアルミ板
模様を切り抜いたアルミ板

穴を開けたら糸鋸の刃を通して模様を切り抜いていきます。

模様の切り抜きはひたすら根気よく模様に合わせて糸鋸を動かして切り抜いていきます。

模様の細かさに合わせてドリルの太さを変えたように、模様を切り抜く時も糸鋸の太さを変えて対応します。

細い糸鋸は扱いが難しいのでデザイン自体をあまり細かくしないことがオススメのポイントです

糸鋸の刃は真ん中に刃がついているわけではないので刃の先端がどこに当たっているかを考えながら動かすとうまく切り抜くことが出来ます。

糸鋸の刃はシャーペンの芯と同じ感覚で使う。

過去の記事で同じように書いていますが、糸鋸の刃はシャーペンの芯と同じ感覚で使います。

初めて挑戦する方など切り抜き作業に慣れていない方は切り抜く作業中にポキポキ刃が折れるので「糸鋸を折れないように動かすにはどうしたらいいんだろう?」という方向に思考が向きがちになります。

しかしそもそも糸鋸の刃を折らない人はプロでもいないので折れる事自体はそこまで気にする事ではありません。

※折れないように動かすコツは過去記事で書いています。

実際の作業の目的は「デザインに沿って模様を切り抜く事」なので、主目的ではない「糸鋸を折らないように動かにはどうしたらいいんだろう」に意識を持って行かれると切り抜きが汚くなります。

切り抜き作業が汚くなった場合、ガタガタになった切り抜き後の修正にものすごく時間がかかるので気を付けましょう。

金属を切るので消耗品である糸鋸の刃も使用しているうちに段々と劣化していきます。

刃の進みが悪くなったり切れ味が落ちたらドンドン刃を取り換えましょう。

指輪の形に丸めてロウ付けする

ロウ付けをするためにリング状に丸める
ロウ付けをするためにリング状に丸める

アルミの模様を切り抜いたら次は指輪の形に丸めていきます。

丸めるためには木槌・ゴムハンマーとサイズ棒を使います。

※サイズ棒自体もアルミで出来ているので叩いているうちに変形していきます。

出来上がった指輪のサイズを正確に計りたい方は図る用のサイズ棒をもう一本買っておきましょう。

一気に丸めようとしてパワフルに叩くと変な感じに変形するので丁寧にコンコン叩いていくのがオススメです。

たくさん切り抜いた指輪ほど真ん中の強度が下りているので一気に叩くと真ん中の部分が変形します。

透かし模様を入れた指輪を丸める時は一番気を付ける部分になりますが、ちゃんと丸めるには結構技術がいるのである程度は仕方ないとあきらめましょう。

ハンマーを使わないなら成形プライヤーを使う。

ハンマーを使わないなら成形プライヤーを使いましょう。

指輪成形プライヤー
指輪成形プライヤー

1mm厚のアルミ板程度であれば成形プライヤーで問題なく曲げることが可能です。

曲げる時は皮をかませないと傷が入ってしまうので革の端切れなどを利用しましょう。

アルミのロウ付けは難易度が微妙に高い。

アルミのロウ付けは微妙に難しいです。

たまに「ロウ付けはとにかく高火力でやれば大丈夫!!」と言ってる方がいますがその考え方だとすぐに溶かしてしまいます。

普段よく紹介しているプリンスのガストーチ(小さいガスバーナー)でも最高温度が1300℃いくので、660.3℃が融点のアルミは無闇に火を当てていると表面が荒れてしまいには溶けます。

これはホームセンターで売っている新富士バーナーのアルミ材などにも書かれているのでご覧ください。

長々書きましたが要するに「銀とか真鍮をロウ付けするよりも溶けやすいから気を付けてね!」という事です。

透かし模様が入っている場合はもっと溶けやすいです。

長く時間をかけて作ったものが溶けるのが耐えられない方はフリーサイズリングにしましょう。

ロウ付けの工程はアルミロウやアルミ用のフラックスに変えるだけで銀のロウ付け方法とそれほど変わらないので過去のロウ付け記事を参考にしてください。

繰り返しになりますがくれぐれも火事には気を付けてください。

高評価よろしくお願いします。動画に関する感想や質問は動画のコメント欄へお書きください。

指にはめた時に痛くないように指馴染みを良くする

角を丸くしたアルミの指輪
角を丸くしたアルミの指輪

指馴染みは指に着けた時にいたくないようにする工程。

角の尖ったところを丸くなるようにヤスリなどで優しく削ります。

細かい金ヤスリ各種
細かい金ヤスリ各種

切りっぱなしの金属の角はそのままにしておくと指が切れてしまうぐらいに尖っているので必須の工程です。

手作業で削ることも出来ますが、最初に紹介したリューターを使って削るとあっという間に終わります。

リューターの金属を削るための先端工具はこちらの記事で紹介しています。

アルミの指輪は優しく磨く

磨き途中のアルミの指輪
磨き途中のアルミの指輪

完成したら最後に優しく磨きます。

アルミは銀などと比べてだいぶ軟らかいのでリューターを使ってグリグリ磨くと変形する恐れがあります。

最終的にササッと磨いて終わらせたい方は紙やすりで目の粗いものから細かい物へ順番に使って最後に研磨布かコンパウンドで磨けば完了です。

リューターを使う場合も力を入れすぎるとマスいのでシリコンポイントなどを使って軽く表面を整える程度すればキレイに磨くことが可能です。

シリコンポイントの使い方についてはこちらをご覧ください。

まとめ

磨き途中のアルミの指輪
磨き途中のアルミの指輪

今回紹介したアルミで作る透かし模様の指輪の製作工程はこちら

今回の作業工程

  1. アルミ板を切り出す
  2. ドリルで穴を開ける
  3. 模様を切り抜く
  4. 指輪の形に丸めてロウ付けする
  5. 指にはめた時に痛くないように指馴染みを良くする
  6. 優しく磨く

紹介したものの今回はロウ付けはあまりオススメできないのでフリーサイズリングとして作るのがオススメです。

デザインによって製作時間が大きく変わってくるので最初は楽しく作れるように大まかなデザインで作ってみて、慣れてきたら細かいデザインに挑戦してみましょう。

ロウ付けの工程でも簡単に書きましたがあまり細かいデザインにした場合ロウ付けで加熱する際に溶けやすくなります。

細かければ細かいほど溶けやすいので程々にしましょう。

頑張って切り抜いたものを自分で破壊するのはメチャメチャへこむので気軽に作ってみるのがハンドメイドの入り口として肝心です。

またアルミは錆びやすいので日常使いしたいのであれば模型作りで使うクリアなどを吹く必要があります。

IMULTAでした。

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この記事を書いた人

上谷 俊介のアバター 上谷 俊介 彫金師

彫金萬代表、彫金ブランド「IMULTA」を運営しています。

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