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こんにちはIMULTA(イムルタ)彫金師の上谷です。

今回は久し振りに彫金の製作風景に関して紹介します。2019.7.13改稿

今回はシルバーなどの貴金属を糸鋸で切り出す方法についてです。

糸鋸で切り出す。

最近世の中で「彫金」と呼ばれるものはかなり幅広くなってきています。

  1. 地金から切り出す・叩いて打ち出すなどして製作する方法(彫金・鍛金)
  2. ロストワックス製法(鋳金)

私が彫金技術として認識しているのはこの2種類。

アートクレイシルバーは含めません。

この中で今回はシルバーから糸鋸を使って切り出す方法について書いていきます。

切り出す作業

まずは作業の風景から

 

糸鋸での切り出し風景

↑糸ノコで模様を切り出している様子です。

はじめに引いた下書きに沿って糸ノコをギコギコと上下させて切り出していきます。

写真に写っている木の板は「すり板」という工具です。

普通すり板は鎹(かすがい)を使ってしっかりと机に固定しますが、私は同じ場所で彫り作業もなんもかんも一緒にやっているので邪魔な時は外せるように鎹はつけていません。

 

鎹を付けた方がいいかどうかで言う絶対に付けた方がいいです。

しっかりと固定されている方が切りやすいです。

切り出しの補助アイテム「ラスペネ」

糸鋸で切り出す際に作業を効率化する方法として、伝統的な方法で言うと刃に蝋を塗ったりテレピン油を塗る方法があります。

私が色々試して一番いい感じだったのが工業用の切削油をつかうことです。

簡単に手に入るところで言うとラスペネの使用をオススメします。

なんでラスペネかと言うと単純にDIYでも使えるからですね。

蝋燭とか買って使う?

テレピン油なんて生活のどこで使うのよ!?って思いません?

ラスペネはそれ自体が錆び落としと錆止めの効能もあるので家のドアとかが錆びついたりしたときに転用できますよ。

あと車とかバイクのメンテナンス。

そういう意味でもオススメ。

私は以前はステンレス対応のドリルオイルを使っていたんですがこっちの方が管理が簡単。

少し多めに挿すと作業中の摩擦熱を散らしてくれるので便利です。

 

糸鋸の種類

一番基本ともいえる作業ですがここでどのくらい正確に切り出せるかで作業時間が大幅に変わります。

ただあまりギリギリで切ると完成前の仕上げで調整しにくくなるので気を付けましょう。

アンチロープ製の糸鋸の刃
アンチロープ製の糸鋸の刃

ちなみに、余談ですが現在色々な糸ノコのメーカーを試しに使っています。今回使ったのは

↑こちらアンチロープの糸ノコ、シャーペンの芯のようにパキパキ折れるので次々と交換をして使っていきます。ただ今回のメーカーのものは相性が悪かったようです(あくまで個人的な感想です)

基本的に日本ですぐに手に入るのはアンチロープ・バローべ・スーパーパイクの3社製の糸鋸です。

 

糸鋸の弾力を利用する

糸鋸で切る時は弾力性を利用して切っていくがポイントになります。

糸鋸の柄に刃を張る時にある程度ピンピンに張って(弓に弦を張る感じ)使います。

ただあまり強く張りすぎると刃自体に負荷がかかって逆に切りづらくなるのと

曲線を切る時は少し余裕を持たせておかないとすぐに折れます。

ヤスリが入らないような狭い箇所は糸鋸の側面を使って磨くので、

その時も余裕を持たせておかないとうまいこと磨けません。(あんまり張りすぎていると傷が入ります。)

 

直線を切る(個人の意見)

あくまで個人的な理由ですが、直線を切り出すのであればスーパーパイクがオススメです。

刃そのものに弾力性が少ないので糸鋸の柄に軽く張ったとしても切断面に押し付けた時に刃が捻じれづらいです。

 

曲線を切る、側面で磨く(個人の意見)

曲線を切ったり、側面で磨くのに向いているのはバローべです。

正直曲線を切るのは練習すればどれでもいいんですが、側面で磨くのはバローべが向いています。

特に5/0以下の細い糸鋸を使ったときに顕著になります。

狭いところを磨く時にラスペネを使うと変なところを切ったりするので気を付けてください。

シルバーネックレス

↑こちらは私物ですが(自作)、形は糸ノコですべて切り出してあります。

隙間の部分は全部糸鋸で磨きました。

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IMULTA彫金師の上谷

IMULTAというブランドを展開している彫金師の上谷(ウエタニ)のブログです。彫金のハウツーとかお手入れの方法とか嫁さんのあるあるとか勝手気ままに書き連ねてます。気になる事があったら気楽に聞いてください。答えられる事は丁寧に答えます。わかんないことはわかんない。気が向いたら読んでみてください。